新型コロナウィルスの影響で、全国の小中高は3月に休校となった。「子どもたちがいて部屋が片付かない」「片付けて! とずっと怒鳴っている」などと、イライラを溜めている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、子どもを自分で片付けられるように育てる「収育」を提唱する、コジマジックさんのエッセンスを紹介しましょう。

片付けの基本 - モノの場所は家族全員で把握

子どもが家庭にいると、モノが増えるペースは驚くほど早くなります。そして煩雑になった部屋を、親が片付けなければならない……なんいうことは、どのご家庭でもよくある風景でしょう。「遊んだおもちゃがそのまま出っぱなし」「収納が煩雑になっていている」「一日中、家の片付けをしている」など片付かないストレスを感じる人も多いはず。特に、今回のような突然の休校によって親子で過ごす日が続いたときには、家が片付かずイライラもマックスに……。

こうしたストレスを解消し、楽しみながら片付けをできる力を育む「収育」提案しているのが、収納王子コジマジックさんです。

楽しむことを大切にするコジマジックさんが伝える「収育」では、子どもに「片付けなさい」と言わないでということが重要だというのです。子どもは、頭ごなしに叱られると反発し、片付けに対してネガティブなイメージが持ってしまうためだといいます。さらに、言葉で叱るより先に「片付けの鉄則」を住まいに取り入れるようアドバイスが。その鉄則とは、「家庭内のモノの場所を全員で共有していること」「モノを使うまでの動線を短くする」「用途が異なるモノは一緒にしない」などとなります。

確かに「モノの場所」を把握しているのはママだけ、という家庭もあることでしょう。そうなってしまうと、しっかりと片付けられるのはひとりだけになってしまいます。そこで、家族全員でどうやって場所のルールを共有するのか、居場所をどう決めていけばいいのか、具体的に見ていきましょう。

子どもが幼いうちから笑顔で「出す→戻す」を

片付けの基本は、「出す→分ける→しまう」です。とはいえ、小学校入学前のお子さんに「分ける」「しまう」はなかなか理解しにくいもの。そこでまずは、「モノはもとあった場所に戻そう」と伝えます。子どもが理解しやすいことからやらせてあげることが大切です。また、このとき大切なのは「笑顔」で行うこと。「怒りながら」「大きな声」でいうことから、片付けに対する「やらされ感」がついてしまうのだとか。

たとえば、「赤いおもちゃは赤い箱」「緑のおもちゃは緑の箱」など、分け方を教えながら進めることはもちろん、「どっちが早く箱にいれられるかを競争」「お片付けの曲を流して、お片付けタイムを作る」などの工夫をすることで、楽しみながら親子でいっしょに行うことが良いようです。

子どもが小学生ならば、もう少し進んで片付けの「出す→分ける→しまう」を自分でできるよう促していきましょう。

小学校の身支度は、「曜日ごとに学習用品をランドセルに入れる→帰宅後はもらったプリント類を出す→いるかいらないかを判断→明日の用意をする」といった流れとなります。それはまさに「片付け」そのもの。毎日自分の支度ができるようになるまで、根気よく教えていきましょう。また、ランドセル収納は「扉式」のものではなく、学校のロッカーと同様「置き型式」のものを選び、その周辺は学校用品だけをまとめることがポイントです。子どもは集中力が持続しないので、「おもちゃ」などが目に入ってしまうと遊びはじめてしまうから。「出す、分ける、しまう」を帰宅後5分で行える環境を整えることで、その後の流れもスムーズになることでしょう。

「出す→分ける→しまう」などの片付けの基本行動が身についたら、ここに置く、という「場所のルールづくり」を行いましょう。そこで心がけたいのは、親が一方的に決めるのではなく、「これはどこにしまうのがいいと思う? 」というような問いかけを続けること。自分にとっての使いやすさを「考える」習慣をつけることが重要となります。子どもにも納得感が生まれて続けやすくなり、家事をすることで「効率の良さ」を考えるきっかけにもなります。

小学校高学年にもなれば、自分のモノや空間にも「こだわり」ができてきます。親が少しずつ手助けしつつ、「自分のことは自分で」できるよう、考えられるようになれば成長の証です。

ときにアドバイスをしつつも「見守る」のも親の仕事かもしれません。モノや情報があふれる昨今の時代に、片付けは単なる「家事のひとつ」ではなく、「生き抜く力」のひとつといえるのではないでしょうか。