昨年来、危険なあおり運転に対する注目が高まっている。危険運転による悲惨な事故や暴力行為の数々が、ドライブレコーダーに残された映像とともに報道され、社会問題化した結果だ。

世論の高まりを受け、この3月3日には「あおり運転」を新たに規定して、酒気帯びや酒酔い運転並みに厳しい罰則を設けた道路交通法改正案が、閣議決定された。今国会で成立すれば、夏までに実施される予定だ。今回は、マイナビニュース会員303人にアンケートを実施し、「あおり運転など、危険運転についての経験」を聞いた。

  • 危険運転の被害に遭ったことがある人は、なんと6割近くに

Q.あおり運転など、危険運転の被害に遭ったことはありますか?

「はい」(56.2%)
「いいえ」(43.8%)

Q.どのような危険運転の被害に遭ったことがありますか?(複数選択可)

1位「背後からあおられ挑発・追跡された」(50.3%)
2位「パッシングされた」(39.3%)
3位「幅寄せされた」(32.4%)
4位「不必要な急ブレーキをかけられた」(28.3%)
5位「左車線からの急な追い越しをされた」(27.2%)
6位「必要のないハイビームをされた」(26.6%)
7位「執拗にクラクションを鳴らされた」(26.0%)
8位「暴言を吐かれた」(16.8%)
9位「物を投げられた」(5.8%)
10位「その他」(2.9%)

Q.どのような状況のときに危険運転の被害に遭いましたか?(複数選択可)

1位「思い当たることがない」(43.4%)
2位「車線変更をしたとき」(25.4%)
3位「追い越しをしたとき」(19.1%)
4位「信号待ちから発進したとき」(15.6%)
5位「周囲よりも遅い速度で走っていたとき」(14.5%)
6位「わき道から大通りに出たとき」(11.6%)
7位「周囲よりも速い速度で走っていたとき」(7.5%)
8位「クラクションをならしたとき」(5.2%)
9位「路肩に停車していたとき」(4.6%)
10位「その他」(2.3%)

Q.危険運転の被害に遭った際、どのように対処しましたか?(複数選択可)

1位「何もしなかった」(43.9%)
2位「道を譲る」(31.2%)
3位「他の道に逃げる」(19.1%)
4位「コンビニなどの施設に避難した」(11.6%)
5位「路肩に停車した」(11.0%)
6位「反論した」(6.4%)
7位「スマホで撮影した」(4.0%)
9位「その他」(2.9%)

Q.あおり運転など、危険運転はどのようにすれば無くなると思いますか?

■「法規制や罰則を厳しくする」

・「車間距離というのは 人それぞれの感覚だと思います。法律で明確に決めた方がいいのでは?」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「即免許取り消しと、懲役刑」(36歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「免停を容易にする法改正と、それを杓子定規に適用すること」(51歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/専門職関連)
・「画像を撮って、厳罰に処す。本当に悪いことをしているなら、情報番組も顔出しでいいと思う」(57歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「口で言ってもわからない人間がすることなので、厳罰や見せしめが必要です。思いやりが通じる相手ではないです」(47歳男性/専門店/販売・サービス関連)
・「昔からあおり運転の運転手はいて、個人の人徳的、人間性などの問題だから、こちらが気をつけていても問題は起こる。あおり運転をした人間には法的にもっと厳しい罰を与えて、それをメディアで伝えれば、少しはあおり運転は減るのではと思います」(47歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)

■「一人ひとりの意識やマナー、モラルを高める」

・「もっと気持ちをゆったりと運転すればいいと思う」(34歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「流れにそって、周りをちゃんと見ながら走る」(39歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「イライラして運転している人も多いのでなくならない問題だと思いますが、各自がなるべく運転マナーをもって運転してほしいですね」(48歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「運転する側みんなが、時間に気持ちに余裕をもつこと」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「育ってきた環境を良くするしかない」(33歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「運転者のひとりひとりの思いやりが大切。少しのことでカッカしない、冷静に保つ。深呼吸をする」(48歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「あおる側が悪いのは当然ですが、その原因となる相手方も周囲に配慮した行動が必要だと思います。例えば、一時停止や信号の無い横断歩道などを横切る時の歩行者は、少しだけ小走りに横切ることで、運転手の気持ちも和らぐと感じています。のろのろされるとイライラしがちですが、相手のことを思いやる行動と気持ちが双方にあれば、必ず気持ちは伝わると思います。そういうことを、教習所や学校などで教育プログラムに必須科目として実施すれば、国民の意識は必ず変わってくると信じています」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「ドライブレコーダーなどの機器を充実させる」

・「ドライブレコーダーの義務化」(24歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「前後撮影可能なドライブレコーダーの装着を、自動車製造会社に義務付ける」(52歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ドライバーがドライブレコーダーで録画し、警察へ被害届を出す。検挙されれば、被害届を出した人に懸賞金を与える」(46歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「ドライブレコーダーやスマホで撮影し、警察に届けることできちんとした処分を下して欲しい」(57歳女性/官公庁/事務・企画・経営関連)

■「免許取得や更新を難しくする」

・「免許取得の基準を厳しくする」(42歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「免許更新時の、徹底した注意喚起」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「無くすことは難しい」

・「完全に無くなることは難しい」(34歳女性/その他/技能工・運輸・設備関連)
・「性格的な問題なので、なくならない」(55歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「どんなことをしても無くならないと思います。ただし、減らすことはできると思う」(47歳男性/総合商社/事務・企画・経営関連)
・「これだけ騒ぎになっても無くならないのだから、無理だと思う。道徳心は大人になってからは、なかなか身に付かない」(49歳女性/広告・出版・印刷/その他・専業主婦等)
・「無くなることはないと思いますが、少しでも減らす対処はいろいろあると思うので、こつこつ少しずつでも減らしていければよいですね」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「その他」

・「車間距離が近くなれば、警告音が鳴るようにする」(41歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「車自体が60キロ以上出ないようにすれば良い」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「制限速度しか出せないように、自動車にリミッターをつけることを車検をパスする条件にする」(48歳男性/公益・特殊・独立行政法人/事務・企画・経営関連)
・「私刑でネットに写真や動画を全世界に晒して、外に出せなくする」(42歳男性/サービス/クリエイティブ関連)
・「あおられる側も悪いと思うので、あおる側ばかりにスポットを当てない」(50歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「自動運転車の開発」(47歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門職関連)

■総評

調査の結果、あおり運転など、危険運転の被害に遭ったことがある人は56.2%と、半数以上の人が危険運転の被害者であることがわかった。

どのような危険運転の被害だったかを聞いたところ(複数選択可)、最も多かったのは50.3%の人が挙げた「背後からあおられ挑発・追跡された」となった。以下、2位「パッシングされた」(39.3%)、3位「幅寄せされた」(32.4%)、4位「不必要な急ブレーキをかけられた」(28.3%)、5位「左車線からの急な追い越しをされた」(27.2%)と続く。

次に、危険運転の被害に遭った時の状況を聞いた(複数選択可)。1位は「思い当たることがない」(43.4%)となり、多くの人が特に理由のない、理不尽な状況で被害に遭っていることがわかる。2位以下は、2位「車線変更をしたとき」(25.4%)、3位「追い越しをしたとき」(19.1%)、4位「信号待ちから発進したとき」(15.6%)、5位「周囲よりも遅い速度で走っていたとき」(14.5%)など、ことの是非はともかく、相手との何らかの関わりの中で問題が起こっていることが明らかとなった。

危険運転の被害に遭った際、どのように対処したかに関しては、43.9%が「何もしなかった」と回答。無用なトラブルを避ける意味でも、これは賢明な態度と言えるだろう。以降も、2位「道を譲る」(31.2%)、3位「他の道に逃げる」(19.1%)、4位「コンビニなどの施設に避難した」(11.6%)、5位「路肩に停車した」(11.0%)など、相手との接触をできるだけ避けている様子がうかがえる。さらなるトラブルが生じる可能性がある「反論した」(6.4%)や「スマホで撮影した」(4.0%)は、いずれも少数意見となった。

最後に、どのようにすれば、あおり運転などの危険運転が無くなるかを聞いた。目立った見解としては、「ドライブレコーダーなどの機器を充実させる」「一人ひとりの意識やマナー、モラルを高める」「法規制や罰則を厳しくする」などが挙がった。

ドライブレコーダーや車載カメラの普及以降、危険なあおり運転や、それに付随する暴力行為などが可視化されたこともあり、ある程度の抑止力として機能している現状がある。全車にドラレコ搭載が義務化されることで危険行為が抑制できるのでは、とする人は多い。

同様に罰則の厳罰化なども、一定の効果は見込めるだろう。今回の道路交通法改正案には大きな期待が寄せられる。これらとドライブレコーダー搭載の義務化と組み合わせることで、相乗効果を発揮するというコメントもかなりあった。

運転マナーやモラルの向上については、「あおる行為は悪いが、あおられる方にも問題がある」とする意見が複数あり、興味深い。他人の拙い運転でイライラした体験が反映した回答かもしれない。

その他の意見では、「自動運転の普及に期待」という見解もあった。確かに全自動運転が浸透すれば、これら危険運転に関する問題はおおよそ解消するだろう。ただその際は、これまでの「運転する喜び」や「ドライブを楽しむ」といった感覚も、大きく変わっていくのかもしれない。

調査時期: 2020年4月2日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 303人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません