ホンダは開催中の「Honda バーチャルモーターサイクルショー」において、「CBブランド」の今後を予感させるコンセプトモデル「CB-F コンセプト」を世界初公開した。次世代の「CB」について、ホンダはどんな考えを持っているのか。実際にこの目で確認してきた。
おうちで楽しめるホンダのバーチャルモーターショー
本来であれば、日本を代表するモーターサイクルイベント「第36回 大阪モーターサイクルショー2020」および「第47回 東京モーターサイクルショー2020」の開催により、全国のバイクファンが盛り上がっていたであろう2020年3月。しかし、猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で両イベントは中止となった。仕方のない決定ではあるものの、がっかりしたファンも多いのではないだろうか。
そんなバイクファンの思いを受けてか、ホンダは360度画像などのデジタルコンテンツを活用し、web上で「ホンダブース」を楽しめる趣向を用意した。それが「Honda バーチャルモーターサイクルショー」だ。
現在、特設サイトでは、ホンダのバイクの歴史ともいうべき「CBヒストリーギャラリー」のほか、原付モデルから大型モデルまで、トップエンドのモデルを中心に構成された各ブースの模様を配信中。ホンダファンはもちろん、日本のバイクファンであればぜひ1度、視聴してみてほしい。
ファンの声から誕生した「CB-F コンセプト」
ホンダは昨年、誕生60周年を迎えたCBシリーズのイベントを日本各地で開催した。そんな中、同社には「次期CB」を渇望する声が多く寄せられたという。そうした声に応える形でワールドプレミアを迎えたのが、コンセプトモデルの「CB-F コンセプト」だ。
製作にあたってホンダは、「CB」で“守り抜くこと”と“変革すること”を徹底的に議論した。その結果、導き出された1つの形である本モデルには、先人たちのチャレンジに満ちたものづくりの気概を、これからも受け継いでいくという覚悟を込めたという。
デザインのモチーフとなったのは、1979年に登場して一時代を築いた「CB750F/CB900F」だ。カラーリングは、“ファスト・フレディー”の異名を取った天才ライダー、フレディ・スペンサーを背にデイトナ200マイルレースを制覇したマシンをオマージュし、シルバー×ブルーの「スペンサーカラー」とした。
CB-F コンセプトのベースとなったのは、現行モデルの「CB1000R」だ。
CB1000Rが搭載している998cc水冷4サイクルDOHC4バルブ直列4気筒のエンジン、軽量な高張力鋼を使ったスチール製バックボーンフレームなどは、コンセプトモデルにもほぼそのまま移植している。おそらく、CB-F コンセプトにまたがることができるとすれば、CB1000R同様、伸びやかな吹け上がりや力強いトルクが楽しめることだろう。
過去と現代が見事に融合した観のあるCB-F コンセプト。コンセプトモデルであるだけに、このまま発売となるかどうか定かではないものの、ここまで仕上がっている以上、期待せざるをえないというのが正直なところだ。カワサキ「Z900RS」、スズキ「KATANA」に続く、ネオレトロモデル第3の矢の登場に期待がふくらんだ。