■「牛丼チェーン店 人気ランキング」の総評

調査の結果、牛丼チェーンの中で最も好きな店は、「吉野家」が42.9%を集めトップとなった。2位には「すき家」(24.4%)、3位「松屋」(20.3%)、4位「なか卯」(10.3%)と続いた。5位「その他」は2.1%だった。

2020年2月現在の、各グループの牛丼カテゴリーの店舗数を見てみると吉野家は1,214店。すき家は最も多く、1,936店。松屋は961店。なか卯は464店となる。吉野家は店舗数ではすき家の後塵を拝しているものの、支持率は1位となっており、やはりさすが老舗の貫禄と言えるかもしれない。

そのチェーン店が好きな理由、好きなメニューなどを聞いた。各店で印象的なワードを見てみると、吉野家では「基本」「安定」「食べなれている」「一番おいしい」「自分の好み」など目立った。同様にすき家では、「トッピングやメニューが豊富」「安い」「キャッシュレス」。松屋は、「定食や期間限定メニューが豊富」「味噌汁付き」「カレー」「食券」。なか卯は、「やさしい味」「親子丼」「うどん」「麺類」などとなった。

カレーやラーメンに比べ、ファストフードとしての牛丼の歴史は比較的浅く、吉野家が1973年からフランチャイズチェーンを展開したことで一般的に親しまれるようになったとされる。その意味で、吉野家は日本における牛丼のイメージを決定づけたパイオニアであると言えるだろう。今回の調査でも「牛丼といえば吉野家」という声は多く、安定した支持を受けていることがわかる。

先行する吉野家に対して、すき家・松屋は後発となるだけに、それぞれ「トッピングや変わり種メニュー」(すき家)、「カレーや定食、味噌汁無料」(松屋)などで特色を打ち出しており、コメントでもそれらの個性を評価する意見が多かった。「牛丼一筋」のイメージの吉野家に対して、すき家・松屋は多彩なアイディアやヴァリエーションで勝負という感じだろうか。

すき家・吉野家・松屋の御三家に対して、なか卯はやや特殊な立ち位置だ。大阪発祥の同店は、現在はすき家と同じくゼンショーホールディングスの一員だが、スタート時からうどん、親子丼など牛丼以外のメニューに力を入れてきた。純粋な牛丼店とは言い難い面があり、実際に2014年に一度、牛丼の販売を終了し、2015年に復活するという経緯を辿っている。アンケートでも、牛丼に関する問いにも関わらず「『親子丼』『うどん』が好き」という回答が目立つ。今回、全体の1割程度の支持を得たことは大健闘と言えるかもしれない。

上記の4チェーン以外では、「神戸らんぷ亭」や「養老乃瀧」「東京チカラめし」なども牛丼を提供するチェーンとして知られているが、5位「その他」(2.1%)のコメントでは「特にない」「行かない」「利用したことがないのでわからない」など、具体的な店名を挙げるものは皆無だった。

結果的に今回の調査は、牛丼界における「3強(すき家・吉野家・松屋)+1(なか卯)」の存在感が際立つものとなっている。

調査時期: 2020年3月17日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 513人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません