大林宣彦監督の44作目となる最新作『海辺の映画館-キネマの玉手箱』(4月10日公開)より、稲垣吾郎、武田鉄矢、村田雄浩が演じる薩長連合の志士たちが集結する場面カットが28日、公開された。

  • 左から稲垣吾郎(大久保利通役)、武田鉄矢(坂本龍馬役)、村田雄浩(西郷隆盛役)

大林監督が20年ぶりに故郷・尾道で撮影した本作。閉館を迎えた尾道の海辺にある唯一の映画館「瀬戸内キネマ」で、最終日に「日本の戦争映画大特集」のオールナイト興行を観ていた若者3人は、突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイムリープ。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へと時代を駆け巡っていく。そこで出会ったのは移動劇団「桜隊」。「桜隊」を救うため、3人の男たちは運命を変えようと奔走するのだが……。

このたび公開された場面カットは、幕末維新に倒幕に奮闘した大久保利通(稲垣吾郎)、坂本龍馬(武田鉄矢)、西郷隆盛(村田雄浩)が一堂に会して、日本の行末について談笑するシーンが切り取られている。坂本龍馬を幾度も演じてきた武田鉄矢は、本作で人生最後の「龍馬」役と断言。またエノケンこと榎本健一&三木鶏郎で有名な『武器ウギ〈無茶房弁慶〉』をカバーし、本作のためにレコーディングして、エンディング曲を歌唱している。

大林組と各キャストのつながりは、稲垣は、大林監督が『ゴロウ・デラックス』に出演した際、監督から「次の僕の映画にでてよ」と言われ、本作の出演へつながっている。大林組常連の村田は、『理由』(04)以降、全作品に出演している。武田は、監督の前作『花筐/HANAGATAMI』につづく出演となっている。

稲垣吾郎、武田鉄矢、村田雄浩のコメントは以下の通り。

■稲垣吾郎(大久保利通役)
時空を超え、思想を超え、宇宙をも一気にとび超えていく世界観。大林監督でなければ1本の作品に納めることは不可能だったと思います。みずみずしく自由に広がる想像力には驚かされるばかりです。大切なメッセージを届けてくださり、ありがとうございます。

■武田鉄矢(坂本龍馬役)
本作品では、何と驚く勿れ「坂本龍馬」役での出演です。勿論、人生最後の「龍馬」役です。大林監督はどうやら後生の我らに映画の見方を懸命に教えておられるようで、この作品、映画に対する監督のラブレターのような作品ですよ。

■村田雄浩(西郷隆盛役)
大林組に参加する時は覚悟がいります。台本を読んだ時、あまりの熱量に圧倒され、よく理解出来ませんでした! 撮影がはじまっても、現場に行くまで何が起きるか見当もつかない。出来上がった作品を観ても、強烈なメッセージをぶつけられ 細かい所まで覚えていない…だからもう一度見ると、また違うメッセージに引っ張られて…興味が広がって収拾がつかなくなってます。…正直言って…私はいまだに監督の真意に辿り着いていません…。

(C)2020「海辺の映画館-キネマの玉手箱」製作委員会/PSC