今の時代、現役世代はみんな、忙しい! 共働きはもちろん、専業主婦の人も家事と育児に追われる毎日です。そのため、家計管理も面倒なこと、手間がかかること、細かいことはやっていられません。

今回は家計簿をつけなくても、レシートをいちいち取っておかなくても、細かい計算をしなくてもできる"超・カンタンな家計管理法"を紹介します。

家に通帳が何冊もあるのは貯まらない人の特徴

今回、ご紹介する家計管理法の肝が、銀行や郵便局など金融機関に開設している口座を整理することにあります。まず家にある通帳をぜ~んぶ集めてみましょう。

これまで20年近く、家計のやりくりの取材を通して、たくさんの"貯金上手さん"と"貯金下手さん"にお会いしてきましたが、貯金下手=お金が貯まらない人に共通していることのひとつが何冊も通帳を持っていること。 ただし、通帳の数は多いのですが、残念ながら残高がほとんどなく、お金が貯まっていないのが実情です。

休眠口座を整理すると、家計管理がラクになる

通帳の数が多い理由は大きく分けて2つあります。1つは使っていない休眠口座の通帳を持っていること。独身時代に使っていた通帳、前の会社の給与振込み口座がある通帳、前に住んでいた家の家賃が引き落とされる通帳、今は使っていないクレジットカードの引き落とし口座がある通帳……など、要するに今はもう使っていない通帳です。使っていない通帳を何冊も持っているのは、貯金下手さんの"あるある"で、通帳=お金の管理ができていないことのあらわれです。

もう1つが、用途別に通帳を細かく分けている場合。給与振り込み用、住宅ローン(または家賃)の引き落とし用、水道光熱費の引き落とし用、生活費用など。貯蓄も教育費、住宅ローンの繰上げ返済用、家電の買い替え用、旅行用積み立てなど目的別に通帳を分けています。その結果、通帳が何冊にもなるというわけです。

1つめの使っていない通帳がたくさんある場合は、解約して整理するのがオススメです。2つめの使っている通帳がたくさんある場合は、管理がややこしくなり、結果、家計管理が複雑になるので、こちらも通帳の整理が必要です。

口座を生活費用、特別出費用、絶対おろさない用の3つに分ける

家計管理をラクにするために通帳を整理する際にオススメなのが、通帳(=口座)を「生活費用」「特別出費用」「絶対おろさない用」の3つに分けること。

生活費用口座には、給与振込、住宅ローンの引き落とし、水道光熱費の引き落とし、クレジットカードの支払いの引き落とし、日々の生活に必要なお金などを入れておきます。また特別出費用口座には、近い将来、使うことがわかっているお金を入金。自動車税、自動車保険、車検代、固定資産税、家電の買い替え、旅行代、冠婚葬祭費など、2~3年のうちに使うお金用の口座です。

ふだん使うのは生活費用口座だけ

生活費用口座に給与が振り込まれたら、特別出費用に貯めている分は特別出費用口座に、その他の貯蓄分は絶対おろさない用口座に移します。

生活費用口座には、今月使うお金だけが残るので、これだけを管理すればOK。通帳の残高=今月あと使えるお金と、わかりやすいのが特長。家計簿をつけなくても、通帳の残高を見ながら、次の給料日まで残高不足にならないようにやりくりすればいいのです。

絶対おろさない用口座を死守すれば貯まる家計に

絶対おろさない用口座とは、教育費や老後資金など将来に向けての備えや、車の買い替え、海外旅行など大きなお金を貯める口座。この口座に入っているお金は、長期的スパンで貯めるものなので、ちょこちょこおろすことはありません。

この口座のお金を守る役目をしているのが特別出費用口座。税金や家電の買い替えなどでお金が必要なときは特別出費用口座から出して、絶対おろさない用口座のお金はノータッチ。そうすれば貯金残高が右肩上がりで増え、必ず貯まる口座になります。

まとめ

通帳=口座がたくさんある人は、まず解約手続きをして整理します。次に口座を3つに分け、普段お金を出し入れするのは生活費用口座だけに絞ります。生活費用口座ではまかなえないお金は特別出費用口座から出し、絶対おろさない用口座のお金を守ればどんどん貯まる家計になるはずです。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。