■「普通にできる」状態が一番いい
――作中で、七瀬は父親に反抗していましたが、お二人にも反抗していた時期やこじらせていた時期はあったんですか?
広瀬:自分でも「反抗期が来そうだな」と、なんとなくわかっていたんですけど、私は中2のときからお仕事を始めて東京に通っていたので、両親のサポートがないと生活できない状況で、反抗期がなかったような気がします。でも、七瀬のように、父への当たり方はちょっとすごかったかもしれません……(笑)。溜まったところを父にぶつけて、母は味方につけるみたいな、セコいことをしてました。
吉沢:男4人兄弟なんですけど、多分誰も反抗期来てないです。親がめっちゃくちゃ怖かったので(笑)。
――今作には「2日間だけ死んじゃう薬」が出てきましたが、「こんな薬があったらいいな」という薬はありますか?
吉沢:15歳くらいの時に戻る薬かな。体調とか完璧だと思うんです(笑)。
広瀬:(笑)。
吉沢:今はお酒とかで内臓がやられてる感じもあるんですけど(笑)、15歳くらいとか、運動しなくても体つきもちゃんとしてるし、あれくらいの時の代謝や、内臓の健康状態に戻したいなというのはあります。
広瀬:私はなんだろう……太らない薬!
吉沢:それは最高だね。
広瀬:毎日ラーメンとかお寿司とか食べたいけど、「やめよう」と思うのがもはやストレスだから。ちょっとずつ食べればストレスにならないダイエットとかが、もうストレスなんです(笑)。もう、何にも気にしなくていい薬が欲しいです。
――改めて、お二人が演技で最も大事にしてること、意識してることはなんですか?
吉沢:手を抜かない、かな。何が正解なのかはわからないので、とにかくいろんなパターンの演技を撮るけど、どこが使われてもいいように、全力で。もしもカメラ前で手を抜いてたらすごく気持ち悪いし、常にその瞬間の全力でやる。当たり前のことだし、意識もしないくらいにやってると思います。
広瀬:私も似ているけど、気持ち悪さを残さない。全シーン、スッキリしたいんですよ。もちろん、理解できるまでには時間がかかるので、監督に相談することもあります。勢いでやると、完成を見た時に「恥ずかしー!」となっちゃう。そうならないためには、出すものは全部出したいし、「違う」という時は直感的にわかるので、監督にも言いに行きます。時間が大丈夫だったら「もう1回だけお願いします」と言ったり。ちょっとでも残ると気持ち悪いので。
――ちなみに、今回の作品の中で「出し切った」と思うシーンはどこでしたか?
広瀬:2人で「行くぞ! ネコタヌキ!」「ニャー!」と言い合うシーンは、よかったなあと思いました。いい意味で力が入っていなくて、「普通にできる」というのが、気持ち悪いのがない状態なんです。セリフも長くてやりとりも面白かったし。
吉沢:あそこは、俺もよかったです。楽しかったです。「お芝居してるな」という感じがあった。
広瀬:そうかも。
吉沢:他のシーンはふざけてるというか、くだらないやりとりが多かったので(笑)。そのシーンもやりとり自体はくだらないんですけど、間やトーンを意識しながら、すごい気持ち良くできて、僕も印象に残ってます。
■広瀬すず 1998年6月19日生まれ、静岡県出身。主な映画出演作に『海街diary』(15)、『ちはやふる』シリーズ(16,18)、『四月は君の嘘』、『怒り』(16)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』、『三度目の殺人』、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』、『ラプラスの魔女』(18)、『ラストレター』(20)など。 ヘアメイク:河北裕介 スタイリスト:丸山晃
■吉沢亮 1994年2月1日生まれ、東京都出身。主な映画出演作に『リバーズ・エッジ』 (18)、『キングダム』(19)、『空の青さを知る人よ』(19/声)など。公開待機作に『青くて痛くて脆い』(8月28日公開)、『東京リベンジャーズ』(10月9日公開)、『さくら』(秋公開)がある。 ヘアメイク:小林正憲(SHIMA) スタイリスト:九(Yolken)