顧客満足度(CS)に関する調査・コンサルティングを行っているJ.D. パワー ジャパンは、2020年カーシェアリングサービス顧客満足度調査(SM)の結果を発表した。ここ半年の間に日本国内でカーシェアを利用したことがある3,601人(18~64歳男女)を対象とする調査だが、1位になった事業者は?

  • 駐車場に止まっているクルマ

    最も支持されているカーシェア事業者は?

カーシェア利用者の6割がクルマの保有を希望?

この調査は、カーシェア利用者を対象に利用状況や各種経験、満足度を聴取したもの。「各種料金」、「サービスメニュー」、「車両」、「予約」(ウェブページ/モバイルアプリ)、「コールセンター」の各ファクターで評価項目を設定し、1,000ポイント満点で結果を発表した。調査の実施時期は2020年1月、手法はインターネット調査だ。同調査は今回で4回目となる。

調査の結果、総合満足度で第1位となったのはオリックスカーシェアだった。同社の1位獲得は4年連続となる。第2位はタイムズカーシェア、第3位はカレコ・カーシェアリングクラブという結果だった。

  • カーシェア事業者の総合満足度ランキング

    総合満足度ランキングはオリックスカーシェアが第1位という結果だった

カーシェア利用者に「今後5年の間におけるクルマの所有意向」を聞いたところ、「所有したい」は46%、 「リース/サブスクリプションで保有したい」は17%となった。つまり、カーシェア利用者の6割超は近い将来、何らかの方法で自動車を保有したいと考えているというわけだ。気軽にクルマを借りられるカーシェアが、将来の自動車保有に向けた「試乗」の役割を果たしている実態が垣間見える結果である。一方で、「クルマは持たずにカーシェアを利用できればよい」という利用者は27%と約3割を占めた。

「今後もカーシェアのみでよい」と考えている利用者の6割は30~40代。その半数は「子供がいるような2世代以上同居世帯」だ。

調査結果によると、現状のカーシェアに対する利用者の満足度は決して高くないそうだ。 特に、「会員向け特典」(優待やポイントプログラムなど)に対する満足度の低さが顕著で、 カーシェアに対する今後の期待としては「利用時に貯まるポイントの交換先拡充」が多く挙がったという。

また、 カーステーションの増加とエリア拡充を期待する意向も強いとのこと。 調査では徒歩5分圏内のステーション利用者が約半数を占めたそうだが、徒歩5分を超えるような立地のステーションを利用する人は、 満足度が平均以下となる傾向も見られたという。