東急電鉄は18日、大井町線等々力駅のホームドアを3月22日から運用開始し、これにともない東横線・田園都市線・大井町線の全64駅でホームドアの設置が完了すると発表した。東急線全駅(世田谷線・こどもの国線を除く)において、大手民鉄で初めてホームドアもしくはセンサー付き固定式ホーム柵の設置100%を達成するという。

  • 東急電鉄が全64駅のホームドア設置完了へ

東急電鉄では、ホーム安全対策を重要な課題のひとつと位置づけ、2020年を目標に東横線・田園都市線・大井町線の全64駅へのホームドア設置を2015年1月に決定。2017年5月には、整備完了時期を2019年度末までに前倒しし、順次設置を進めてきた。

設置にあたり、決定当時に田園都市線において4ドア車と6ドア車でドア位置が異なるという課題があったが、2016年から田園都市線6ドア車45両の4ドア車への置換えを進め、2017年度中に完了している。

工期短縮・工費削減のため、夜間に回送列車にホームドアを積み込んでの一括運搬、盛土式ホームにおける工期短縮が図れる補強方法の採用とともに、車両改修を不要にするため、情報伝送装置の搭載を必要としない新たなホームドア開閉システムを開発するなど、早期設置に向けたさまざまな工夫を重ねている。

その結果、ホームドア設置の進捗とともにホーム上の安全性が高まり、利用者のホーム転落件数は2014年度の131件から2019年度は10件(2月末まで)、ホーム上における輸送障害件数は2014年度の32件から2019年度の5件(2月末まで)と大幅に減少している。

  • センサー付き固定式ホーム柵

東急電鉄は今後も、車内の安全対策として東急線所属の全1,255両(こどもの国線を除く)に、LED蛍光灯一体型の防犯カメラ「IoTube」を2020年7月までに導入するほか、踏切の安全対策として、踏切内全体の障害物を検知する3D式の障害物検知装置を2021年度までに全踏切(世田谷線・こどもの国線を除く)に設置予定。ホーム以外のさまざまな安全の取組みも推進し、安全・安心な鉄道をめざすとしている。