5つの色に光輝くスーパー戦隊が新しく登場した。その名は『魔進戦隊キラメイジャー』。キラメイジャーになるのは、輝く精神の源「キラメンタル」が特に強い5人の若者たち。彼らは宝石の国・クリスタリアからやってきたキラメイストーンによって戦士に選ばれ、地球の人々から希望や輝きを奪い取ろうとする邪悪なヨドン軍に立ち向かっていく。

『キラメイジャー』でキラメイピンク/大治小夜を演じる工藤美桜のインタビュー後編では、現場でのチームワークや、アフレコなど特撮作品ならではの撮影の模様を尋ねた。

  • 工藤美桜(くどう・みお)。1999年生まれ。東京都出身。『仮面ライダーゴースト』(2015年)で仮面ライダースペクター/深海マコトの最愛の妹・カノン役でレギュラー出演。CMや朝の情報番組レポーター、そして『神ちゅーんず~鳴らせ!DTM女子~』(2019年)をはじめとするテレビドラマや『恋と嘘』(2017年)『春待つ僕ら』(2018年)などの映画作品で活躍する。撮影:大塚素久(SYASYA)

――『エピソードZERO』、第1話、第2話の山口監督からひさびさに演出を受けられた印象はいかがですか。

相変わらず、山口監督は優しかったです! 最初、私が小夜のキャラクターをつかめなかったので、台本の読み合わせを何度も行ってくださいました。場面ごとに「ここでは小夜はこういう風にしてほしい」と、細かく具体的な指示をいただいたことで、役に入りやすくなりました。

――古坂大魔王さん演じる「博多南無鈴」がキラメイジャーをサポートする役割で登場するようですが、普段の古坂さんはどんな方ですか?

古坂さん、ナチュラルに普段から面白いギャグばかり飛ばしていて、私たちは現場でずっと笑ってたりします(笑)。役と同じく、私たち5人をサポートしてくださる"面白いおじさん"といった雰囲気で、真面目なお芝居をしていても、古坂さんの面白さがにじみ出てくる感じなんです。古坂さんが良い意味で「自分の色」をどんどん出して来られるので、いつも楽しみながら撮影に臨むことができています。

――キラメイジャーの4人では、どなたと最初に打ち解けられましたか?

女性同士ということもあって、(新條)由芽ちゃんとはすぐ仲良くなりました。設定年齢では瀬奈より小夜のほうが上なんですけど、私は由芽ちゃんより1歳下なんです。

――役柄の雰囲気もあって、工藤さんのほうが新條さんより年齢が上のように思いましたが、意外ですね。

スタッフさんからも驚かれましたね。自分ではまだまだ"幼い"部分が多いと思っていますし、由芽ちゃんのほうがずっと大人っぽいところがあるので、役として違和感があったらどうしよう?と心配していたのですが、しっかりと小夜が「大人」に見えているのであれば、ひと安心です(笑)。

――普段新條さんとはどんなお話をされているのですか。

アニメやゲームのお話で盛り上がることが多いです。特に、西川貴教さんが総合プロデュースを務めた『B-PROJECT』というゲームが2人とも大好きで、今まで周りにこのゲームについて話せる人がいなかったのもあって、すごく話がはずみましたね。

――アニメファンのお2人なら、今回の『キラメイジャー』で「魔進」の声を演じられている声優さんたちの中にも、お好きな方がいらっしゃるんじゃないですか。

そのとおりです。私たちキラメイジャーのキャストは最初のアフレコのとき、魔進の声を演じる声優さんたちと対面することができたのですが、特に鈴村(健一/魔進ファイヤの声)さんや杉田(智和/ナレーター&オラディンの声)さんの姿を拝見したとたん、大興奮で……(笑)。鈴村さんの収録風景を見学していると、あまりにもいい声すぎて"耳がとろける"思いでした。とても幸せな時間でした。

他の魔進のみなさんの収録も生で聴かせていただき、改めて「声優さんのすごさ」を感じましたね。普段のみなさんと、マイクの前に立って「キャラになりきった」ときの"変わり方"がとにかくすごいんです。小夜の"相棒"魔進ヘリコの声を演じられている長久友紀さんの声もとってもかわいくて、大好きです。ヘリコは天然でちょっと"不思議ちゃん"ぽい性格で、独特の言葉を話すキャラクターなんです。

――工藤さんご自身も、変身後のキラメイピンクにアフレコで声を入れる機会があると思いますが、アフレコそのものは『仮面ライダーゴースト』で経験済みなんですね。

確かに「眼魂(アイコン)」に声をアテたことはありましたけど、アフレコはやっぱり何度やっても難しいものですね。キラメイピンクのアクションシーンで自分の声を入れるのは、声優さんになった感覚で楽しいものの「小夜はアクションをしているときも必死さはなく、大人の余裕を入れ込んでほしい」という演出がありますから"余裕を見せながら頑張って敵と戦う声"をどうやって出すか、いろいろと勉強をしながら収録に臨んでいます。

――小夜は「合気道の達人」という設定もありますから、素面でのアクションシーンも多くなりそうですね。

『ゴースト』のときはほとんどアクションらしいアクションがありませんでしたから、本格的に"戦い"を見せるのは初めてなんです。体を動かすことはあまり得意ではないのですが、合気道の達人らしく見えるよう、JAEのみなさんのご協力を得ながら頑張っていきたいと思います(笑)。

――それでは最後に、ファンのみなさんに向けたメッセージをお願いします。

小夜ちゃんはいつもフワフワしてニコニコ笑っている、なんだか不思議な感じの女性に見えるかもしれませんが、根はしっかりしていて、手術のときには「目力」のするどいスーパードクターの一面をうかがわせます。"大人の女性"ならではのメンタル面の強さを持ち合わせていますけど、仲間の前ではそういうところをあまり出さず、みんながギクシャクしているときに場を和ませてくれる"癒し"効果を発揮します。小夜ちゃんは私にとっても憧れの女性です。たくさんの人たちが小夜ちゃんに憧れてほしいと願って一生懸命演じますので、これから1年間、よろしくお願いします!

(C)2020 テレビ朝日・東映AG・東映