近畿日本鉄道は14日、大阪難波駅で名阪特急の新型車両80000系「ひのとり」の出発式を開催した。当日は規模を縮小しての開催となったが、多くの鉄道ファンらが集まった。大阪難波発の「ひのとり」初列車は8時頃、近鉄名古屋駅へ発車した。

  • 大阪難波発の「ひのとり」初列車は8時0分、駅長の合図で発車(写真:マイナビニュース)

    「ひのとり」は7時42分に大阪難波駅1番線へ入線。大阪難波駅長の水本安彦氏による合図で8時0分に発車し、近鉄名古屋駅へ向かった

新型名阪特急「ひのとり」は、「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに快適性を追求。「プレミアム車両」「レギュラー車両」の全座席にバックシェルを備え、後部座席の乗客に気兼ねなくリクライニングできる。「プレミアム車両」の座席は本革を使用し、座席の前後間隔は130cm。「レギュラー車両」も快適性を追求するなど、近鉄特急の新たなフラッグシップにふさわしい車両に仕上がっている。

出発式当日は世間の情勢に配慮し、規模を縮小した上での開催となった。7時42分、「ひのとり」が静かに大阪難波駅1番線へ入線。続いて「ひのとり」初列車に乗務する運転士・車掌へ花束贈呈が行われた。駅構内の自動放送では、「名古屋行の特急ひのとり」と放送され、「ひのとり」が特別な列車であることを改めて感じさせた。

  • 「ひのとり」初列車に乗務する運転士・車掌へ花束贈呈

  • 大阪難波駅長、水本安彦氏も加わり、記念撮影が行われる

  • 大阪難波駅の駅案内表示機にも「ひのとり」と表示された

発車数分前には、「ひのとり」専用のオリジナル発車メロディが流れた。このオリジナルメロディは始発駅となる大阪難波駅と近鉄名古屋駅で流されるという。「ひのとり」は8時0分、大阪難波駅の駅長、水本安彦氏の合図で近鉄名古屋駅へ向けて出発した。

出発式の後、取材に応じた近畿日本鉄道取締役の原恭氏は、「ひのとり」が無事に発車したことに「まずは一安心」とコメント。続けて「観光やレジャー、ビジネスなど、いろいろなシーンがありますが、ぜひ一度、快適な旅を体験していただけたら」と、「ひのとり」をPRした。

名阪間を走る東海道新幹線や高速バスとの違いを問われると、座席の快適性を言及した上で、「移動という目的のためのお客様が、ゆっくりとくつろいでもらうための選択肢として『ひのとり』を選んでいただければと思います」と話した。

  • 車体側面に描かれた「ひのとり」のロゴマークと種別・行先表示器。「名古屋」の文字が輝く

「ひのとり」は3月14日以降、大阪難波~近鉄名古屋間の名阪特急(大阪難波発6本・近鉄名古屋発6本)と大阪難波~近鉄奈良間の一部特急列車(大阪難波発1本・近鉄奈良発1本)で使用される。運賃・特別急行料金の他に特別車両料金が設定され、大阪難波~近鉄名古屋間の「プレミアム車両」は5,240円、「レギュラー車両」は4,540円となる。