リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所はこのほど、「『働き方改革』と組織マネジメントに関する実態調査」の結果を明らかにした。同調査は2019年8月26日~10月11日、従業員300名以上の企業159社を対象に郵送・Webで実施したもの。

  • 「働き方改革」の進捗・達成状況

    「働き方改革」の進捗・達成状況

「働き方改革」を通じた成果実感を得ている企業の割合は、2017年度調査と比較して増加した。最も増加しているのは「労働時間減少」(44.7%→62.3%)となっている。一方、「業務効率・生産性向上」は「労働時間減少」に対する成果の半数程度しか実感できていないことがわかった。

「働き方改革」の進捗・達成状況について尋ねたところ、52.2%が「推進中であるが苦戦している」、27.0%が「順調に推進中である」、13.8%が「当初の目的を変更・拡張し、さらなる成果に向けて取り組んでいる」と回答した。「当初の目的を達成して、改革推進をほほ終えた」とした企業はわずか1%未満だった。

働き方改革の進捗状況が、<拡張><順調><苦戦>と回答した群によって、「推進課題」「推進・運用体制」「特徴的な施策」にどのような違いがあるか尋ねた。<苦戦>群では、「予算や権限」「改定ノウハウ」が不足しており、「現場や他部署との連携」が課題となっていることがわかった。

  • 「働き方改革」の進捗別、推進課題

    「働き方改革」の進捗別、推進課題

推進・運用体制は、<拡張>群では、「指標化」「協働的な体制」「対話的な推進」のいずれにも積極的だった。特徴的な施策は、<拡張>群では、生産性向上の深層部にあたる「業務改善・ 効率化」や「組織・事業デザインの見直し」に積極的で、働き方の「多様化」「柔軟化」の施策も同時に推進している。

  • 「働き方改革」の進捗別、運用体制

    「働き方改革」の進捗別、運用体制

「生産性向上」に関する施策の導入率を見ると、2年間で「勤務間インターバル」の導入率が14.9%から26.4%へと増加した。「業務フローの改善」「知識・スキル教育」などの導入・実施率も増えている。組織・事業デザインの見直しは全体に検討率が高いが、「ビジネスモデル戦略の見直し」の着手は進んでいないことがわかった。

2年間における働き方の「多様化」「柔軟化」に関する施策の導入状況を見ると「介護・傷病治療両立」施策では、従業員のライフイベントと仕事の両立を支援する取り組みが進んでいる。また、働く場所の柔軟化施策の導入が進み、特に「副業・兼業の許可・促進」は導入・検討率ともに倍増している。