歌舞伎俳優・市川海老蔵の十三代目市川團十郎白猿襲名を記念したフジテレビ系の特別企画ドラマ『桶狭間OKEHAZAMA~織田信長~』(仮)が、今夏放送されることが10日、明らかになった。海老蔵は、フジ系ドラマ初主演となる。

市川海老蔵

海老蔵が演じるのは戦国時代の武将・織田信長。今作は、圧倒的不利と言われた織田軍が今川義元の大軍を打ち破り、信長を一躍戦国時代の覇者に押し上げた伝説の一戦“桶狭間の戦い”を題材とした本格時代劇だ。

朝ドラ『なつぞら』を手がけた大森寿美男氏が脚本を担当し、演出は『きらきらひかる』『フジテレビ開局60周年記念ドラマ 松本清張 砂の器』などの河毛俊作氏が務める。

織田信長は市川團十郎の屋号である成田屋が、歌舞伎で演じ続けてきた大事な演目。作家・大佛次郎は昭和27年、自身初の歌舞伎脚本として『若き日の信長』を、十一世市川團十郎のために書き下ろした。それ以来、成田屋ではこの演目を大切に演じて続けてきた。また、海老蔵が信長を演じるのは、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17年)以来、2度目となる。

海老蔵は「(ゲスト出演した)『SUITS/スーツ』撮影の時に、フジテレビの方と次回は時代劇ドラマでご一緒したいと話していました。そんな時、信長を主人公とした原作企画の話があり、“信長”ならぜひ、演じてみたいと思いました。“桶狭間の戦い”に焦点を絞った脚本ができ上がり、これからの撮影が楽しみです」とコメント。

「私がイメージしている“信長”像を演じてみたく思っています」と意欲を示し、「河毛監督の元、豪華な共演者が多数出演してくださると伺っています! 放送をどうぞお楽しみにしていてください」と呼びかけた。

高井一郎プロデューサーは「若者が絶対強者に挑んだ勝負を描きたいのでもなく、また単なる世代交代、権力者の交代を描きたいのでもなく、中世という時代そのものが終わったこと、権威、価値、社会システムが大きく変革したその瞬間、を描きたいと思っています。それはまさに、年号が令和に変わって第四次革命とも言われるAI革命が起きつつある、この変革の時代にこそ打ち出すべきテーマと考えました」と狙いを説明。

海老蔵のキャスティングについては「お会いしてみて“海老蔵さんは信長の生まれ変わりなのでは?”と思うくらい、他のキャスティング候補は1ミリも思い浮かびませんでした」と自信を語っている。