パーソル総合研究所はこのほど、「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査」の結果を発表した。同調査は、2019年10月16日~17日、日本で働く外国籍の就業者(正社員/パート・アルバイト)1,000人を対象に、インターネットで実施した。

  • 正社員の外国人の不満ランキング

日本で働く正社員の外国人に職場に対する不満を聞いたところ、1位は「昇進・昇格が遅い」(28.6%)、2位は「給料が上がらない」(28.2%)、3位は「給料が安い」(25.6%)だった。

職場に対する不満を項目別に見てみると、外国人が感じている不満の割合と企業が認識している割合とでは、かなりのギャップがあることがわかった。例えば、外国人が「昇進・昇格が遅い」と感じている割合は20.2%だが、企業が認識している割合は3.5%、「給料が上がらない」も、外国人は21.8%が感じているのに対し、企業の認識は4.1%と、5倍以上のギャップがある。

  • 外国人が感じている不満の割合と、企業が認識している割合のギャップ

外国人に入社前に想定していたイメージよりも悪かったことを尋ねたところ、1位は「住宅や生活全般に関するサポート体制」(18.5%)、2位は「昇進・昇格のスピード」(16.8%)、3位は「言語に関するサポート体制」(12.8%)だった。

  • 入社前に想定していたイメージよりも悪かったこと

正社員の外国人の孤独感調査では、32.6%が「私は孤立しているように思う」、28.6%が「私のことを、本当にわかってくれる人はいない」、27.2%が「私には頼りにできる人がいない」と答えている。同じ外国人でも、正社員はパート・アルバイトに比べて孤独感を抱えがちであることがわかった。

  • 正社員の外国人の孤独感

日本人上司と外国人上司のマネジメントについて尋ねたところ、日本人上司は外国人上司より「新しいやり方の導入などの変化を嫌がる」「仕事の範囲を明確に指示しない」「私のアイディアや意見を受け入れない」「出した成果によって公平に評価しない」「成果を自分の手柄にする」といった不満が約2倍も多かった。

日本人上司のマネジメントに対する評価を外国人の最終学歴(大学・修士以上)別にみると、もっと評価は厳しかった。

  • 日本人上司と外国人上司のマネジメントの比較

正社員の外国人と日本人が仕事選びで重視する項目を比較したところ、正社員の外国人と日本人では、仕事選びで重視する項目が異なることがわかった。「仕事とプライベートのバランス」の重視は、外国人では2番目に高いが、日本人では6位、「自分のやりたい仕事であること」は外国人では3位だが、日本人では6位となっている。