●情熱と優しさの両立に腐心した「Good Night」
――さて、今回はカップリングも2曲収録されています。まず『防振り』の挿入歌となっている「Good Night」ですが。
最初聴いたときは「えぇ、歌えるかなぁ……?」みたいに思ったといいますか(笑)。この曲は本当に難しかったです。まず、全英詞っていうところがいちばんの鬼門で。英語の歌をうたうこと自体は元々好きで、小学生低学年ぐらいから歌っていたんですけど、私、学校で英語の教科がいちばん苦手だったんです(笑)。なのでレコーディングをする時は、「こう発音すると素敵だよ」とアドバイスをいただきながら歌って。それに、ちょっとウィスパーっぽい息多めの歌い方で歌い続けるのも初めてのことだったので、レコーディングまで毎日練習していました。
――そのアプローチも、これまでの楽曲を考えるとファンの方にも少々意外だったかもしれませんね。
そうなんですよ。Twitterを見たら、EDでクレジットを見るまで気づかない方が結構多かったみたいで(笑)。でもそれは逆に、嬉しいことでした。新たな自分を見てほしかったし、自分自身も新たな佐々木李子を知るきっかけになった曲なので、挑戦してよかったなと思いましたね。
――こういったボサノヴァ調の曲は初?
初めてです。声優さんの曲というか、アニソンでラテン系の曲って、なかなかないなと思うんですけど、自分で完成した音源を聴いても「あれ、これ自分かな?」って思うぐらい(笑)、本当に異世界にいるような感じの雰囲気の曲で。この曲も新鮮でした。
――レコーディング中、特にこだわられた部分はどんなところですか?
癒やされつつ情熱もあるような曲なので、歌うときにはその情熱や歌詞にあるような芯の強さも残しつつ、温かみや優しさも出したかったというところですね。そのバランスがちょっと難しくて、自然と丸を描きながら歌っていた記憶があるんですけど(笑)、歌っているうちにだんだん体にも馴染んできました。全英詞の曲なので、最初から意味が全部わからない方も多いと思うんですけど、世界観に身を委ねて思うままに感じていただけたらと思います。
――この曲が加わると、ライブのセットリストとしても幅が広がりそうですね。
たしかに! 2018年の4月から始めた"SynapstoRy(シナプストーリー)"っていう朗読と生歌と生楽器でお届けするストーリーライブがあるんですけど、そういう世界観作り込んでやるライブにすごく合うかなと思うので、やってみたいです。歌詞を覚えるのはめっちゃ大変なんですけど(笑)、何度も歌っていくうちにだんだん馴染んできたので……練習頑張ります!
●"挑戦の1枚"を経て、彼女が目指すものとは!?
――そしてもう1曲収録の「GALAXYZ」は、ちょっとディスコチューンっぽい曲で。
すごくファンキーな感じなんですけど、最初のセリフから私も心臓を鷲掴みにされました。世界すらも飛び越えて、銀河まで行くぞ! みたいなアゲアゲのチューンなので、歌っている間に自分もテンションが上がって、楽しんで歌い上げることができました。
――サウンドから、シンプルに気持ちよさを感じました。
私も、結構音量上げめで聴いて何度も練習しました。あと、この曲は以前にも楽曲提供してくださった白戸佑輔さんが作編曲してくださったんですけど、この曲も初めて挑戦する感じの曲で。白戸さんの曲は、すごくありがたいことに難しいんですよ。いつも「レコーディングする」というよりも「挑ませていただく」みたいな気持ちで、自分の視野や世界が広がるきっかけになっているんです。それに、英語の部分が多かったところもこの曲は挑戦でしたね。しかも速いテンポの中に、譜割りが結構詰まっているところも多かったんですよ。
――それは、どう解決されたんですか?
私の事務所のスタッフさんに海外出身の方がいらっしゃって、その方がマンツーマンから「ここはこういうふうに言ったほうがいいYO!」みたいに(笑)、ネイティブな発音の仕方を何度も教わっていきました。レコーディングにも来てくださってチェックしていただきましたし、イントロや間奏部分のセリフもその方が担当してくださったんです。そのうえで曲自体の世界にも浸りつつレコーディングしていったので、何回か録り直しもしましたね。仮歌を録って、もう1回仮歌録って、それから本番という感じで。
――回数重ねた分、この曲も体に馴染んだうえで最終レコーディングに臨めた。
はい。この曲も「寝る前に必ず1~2回歌う」みたいに決めて、毎日練習しました(笑)。発音的に、口が追いつかなくなっちゃうときがあるので。そこはそのスタッフさんも、「毎日やると馴染んでくるから、Fight!」みたいな感じで(笑)。
――筋トレみたいですね(笑)。
英語の早口言葉をメールで送ってくださって、それを練習しましたね。「絶対、今後も役に立つと思うから」みたいに鍛えていただきましたし、毎回みなさんのおかげでちょっとずつスキルが磨かれていっているのが、本当にありがたいです。
――お話を聞いていると、本当に"挑戦の1枚"になった印象があります。
たしかに。「Play the world」も初めて聴いたとき「こんなに明るい曲、ネガティブな自分に歌えるかな?」って思いましたし。でも、どの曲も挑戦してよかったなと思いますし、本当に納得のいく作品になりました。
――そこから2020年始まっていくというのも素敵ですし、繰り返しになっちゃいますけど、こういった楽曲を歌っていくことでまた過去の曲へのアプローチも変わる部分が出ることも。
そうですね。本当に素敵な曲しかいただいていないので、恵まれているなと感じています。いろんな曲に挑戦することで一皮むけて、他の曲でも新たな自分を発見できればと思います。2ndワンマン終わったあとにもすごく思ったんですけど、ここで満足せずに一歩一歩ちゃんと階段を上がって、どんどんパワーアップしていきたいです。
――その先の目標や理想像みたいなものって、今ありますか?
一番先は……さいたまスーパーアリーナみたいな大きな空間で、たくさんの人と同じ時間を共有することですね。武道館もですし、東京ドームとか……先日もあいみょんさんが代々木第一体育館でライブをされていたじゃないですか? そういう場所にも"佐々木李子"として、ひとりで立ってみたいですし、そういう大会場でも一人ひとりの心に届く歌を、ずっと歌い続けていきたいです。
●「Play the world」
発売日:2月26日
【DVD付盤(CD+DVD)】
価格:¥2,000(税抜)
※アニメ描き下ろしデカ帯ジャケット仕様
【通常盤(CD)】
価格:¥1,500(税抜)
<CD>
1.Play the world
2.Good Night
3. GALAXYZ
4~6. 1-3の各off vocalトラック
<DVD>
1.Play the world MV
初回特典:リバーシブルB2ポスター付き
●ライブ情報
2nd Oneman RicoRium ~ただ、君に歌いたい~アンコール公演
開催日:4/11
時間:開場 17:00/開演 18:00
会場:SHINJYUKU BLAZE
チケット:5,000円(税込)スタンディング / 整理番号付
※別途、ドリンク代500円必要
※未就学児童入場不可
※1申し込みにつき4枚まで
詳細はこちら、オフィシャルサイトはこちら