先ごろ表参道ヒルズで開催された「北海道地チーズ博2020」。最近バスクチーズケーキにハマっており、約320種もの北海道産のナチュラルチーズが集結するというので、行ってみた。

主催者であるホクレン農業協同組合会 代表理事 副会長 瀧澤 義一氏らによるオープンセレモニーが行われた後、早速イベントがスタートした。

  • ホクレン農業協同組合会 代表理事 副会長 瀧澤 義一氏

北海道チーズソフトクリーム「4つのトッピング」を試食

最初に向かったのは、スイーツ好きも楽しめる北海道地チーズを贅沢に使用した「北海道地チーズソフトクリーム」。今はイベント期間中、日替わりで行われるオリジナルトッピング4種類がすべて試食できるというので、味わってみた。

まずは、チーズ工房 アドナイの「ミモレット・アドナイ」と足寄町農業協同組合 あしょろチーズ工房「大(DAI)」を食べ比べた。

  • チーズ工房 アドナイの「ミモレット・アドナイ」

  • 足寄町農業協同組合 あしょろチーズ工房の「大(DAI)」

見た目は、ミモレット・アドナイに惹かれるが、セミハードチーズとしての濃厚な香りを放つのが、大(DAI)なのだ。食べても、香りやコクは段違いの強さがある。

逆にいえば、前者はクセがなく、優しい味なので、どんなものにでも合うといえる。ソフトクリームにもチーズが入っているので、それと調和しているのはミモレットチーズである。

残り2つ、新札幌乳業 北海道小林牧場物語の「カリッとゴーダ」と、小島屋の「ドライフルーツ」も試食。おせんべいのように焼き上げたゴーダチーズと、小粒ながら程よいフルーツの甘味のあるドライフルーツ。

  • 小島屋の「ドライフルーツ」

どちらも食感を楽しめるトッピングで、中でもゴーダチーズはサクサクとした歯ごたえとコクが、ソフトクリームの甘味とマッチして、個人的にはイチオシである。4種類のソフトクリームを頂いたが、おいし過ぎて、あと4つくらいはいけそうだった。

  • 新札幌乳業 北海道小林牧場物語の「カリッとゴーダ」

食べ比べて、工房さんにもインタビュー

次は、本イベントの目玉企画になっている「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」に挑戦。

  • 目玉企画の「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」

45種類のチーズから5つ選んで食べ比べができる。私が選んだのは以下。

・はやきたチーズ工房 夢民舎「ダブルチーズ~クリームチーズ&ブルーチーズ~」
・旭川あらかわ牧場 チーズ工房「和乾酪(わのチーズ)昆布だし」
・チーズ工房 アドナイ「ミモレット・アドナイ」
・冨田ファーム「ジャパンブルーおこっぺ」
・ニセコ高橋牧場「モッツァレラミニ」

  • 筆者がチョイスした「セレクト5 食べ比べ」

ちょうど隣で、北海道産ワインのペアリングもやっていたので、合わせてスーパークリングワイン NVケルナー・ピノ・ノワールも注文。香りやうま味、コク、酸味などはどれも違ったが、総じておいしい。

なぜ、こんな味を出せるのか。知りたくなったので、各工房やメーカーの人たちにも気になるチーズについてお話をうかがった。

選んだ5種類の中で、一番気になったのが、旭川あらかわ牧場 チーズ工房「和乾酪(わのチーズ)昆布だし」。今回の「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」の参加者投票でグランプリも獲得している逸品である。

通常イメージしていたチーズと違って、うま味があって、他のチーズとは一味違う。ワインもいつも以上にすすんでしまう。

そのお話を工房の方にしてみると、「チーズというより珍味みたいでしょ」と、言われて納得。なるほど、酒との相性が抜群なのがうなずける。なんでも、このチーズは、日本酒のアテにするために開発したという。

「義理のお父さんが焼酎や日本酒が好きだったので、味付けにこだわりました」

これ以外にも、青唐辛子や生姜醤油の味もあり、まるでくんせいのようだった。実は、賞味期限ぎりぎりまでおくと、味もしみてきて、だしの旨味がでてきて、温めるともっとおいしくなりますよ、というアドバイスもいただけた。

  • 「北海道地チーズ セレクト5 食べ比べ」グランプリに輝いた「和乾酪 昆布だし」のある旭川あらかわ牧場 チーズ工房

ニセコ高橋牧場「モッツァレラミニ」も気になった一品である。香りや塩気は控えめではあるものの、甘みがあり、食感やサイズ感も含めて食べやすい。

「私は、ごまドレッシングをかけてサラダと一緒に和えて食べることが多いですね」とスタッフの方が話してくれた。

ニセコにある牧場なので、海外の人たちが、通常の大きなモッツァレラチーズよりも、この「モッツァレラミニ」を好んで購入されるようだ。切らなくていいし、500円は良心的だ。「くせがなく、つい手が伸びる。そういうチーズを目指している」という。

  • ニセコ高橋牧場は良心的な値段設定がグッド

最後に、ソフトクリームでも食した、チーズ工房 アドナイ「ミモレット・アドナイ」。優しい味わいなので、他の濃厚なチーズと比べると、少し物足りなさも感じる。

しかし、工房スタッフさんからは「今出しているものは、熟成3カ月と比較的若めです。ミルクの甘味もあって、ちょっと優しい味に感じると思いますが、熟成するにつれ、水分が抜けていって濃厚さがでてきます。ワインもいいですがビールもオススメです」。

できれば、熟成したミモレットチーズを食べてみたかった。

  • アドナイのミモレットチーズ

味や風味だけでなくおいしい食べ方も教わり、いろんなチーズの楽しみ方を学べた1日だった。ますますチーズの魅力にハマっていきそうだ。