ダイソンは2月6日、専門家を呼んだ花粉対策トークイベントを開催。加湿空気清浄機の新製品「Dyson Pure Humidify + Cool」の性能をアピールした。また、ゲストに招かれた声優の梶裕貴さんは、自身のユニークすぎるノド荒れ予防法を披露してくれた。

  • ダイソンが都内で花粉対策トークイベントを開催した

    ダイソンが都内で花粉対策トークイベントを開催した

今年の花粉の傾向は?

イベントの冒頭、日本医科大学の大久保公裕氏が登壇。今年の花粉の傾向と、その対策について説明した。

そもそも、なぜ日本人は、これほどまでに花粉症に苦しめられているのだろうか。その経緯について、大久保先生は「スギとヒノキの木は、戦後の植林政策で人工的に植えられたものです。植林面積は国土の19%にまで達するなど、もはや植え替えできないほどに広がりました。しかし一方で、輸入木材が普及したために国内の林業は衰退していきます。いま国内のスギの木の約70%が樹齢30年以上の成木になりました」と説明する。この10~20年が花粉が飛ぶピークと見られるものの、その後に花粉の量が減っていくのか、そのまま横ばいが続くのか、まだわからないという。

  • 日本医科大学の大久保公裕氏

    日本医科大学の大久保公裕氏

山に囲まれている関東平野では、神奈川、静岡、千葉、東京の三多摩地区から飛んできた花粉が舞いやすい。そこで気になるのが、2020年の花粉飛散予測だ。飛散時期については年々、早まる傾向にあり、今年はすでに飛び始めたというから、何とも悩ましい。しかし今年の飛散量については(関東近辺では)例年の50%ほどにとどまるという。

「昨夏は曇りや雨の日が多かったため、雄花の生育に不向きだったのが幸いしました。花粉量としては、谷の時期にあたります」(大久保先生)。

ただ、例年の50%でも発症には充分に足る数値とのことで、油断はできない。スギ花粉の飛散のピークは2月~3月下旬までとしている。また、ヒノキ花粉は4月下旬まで飛散する見込み。

花粉症の患者はマスクや薬を購入し、人によっては病院にも通院する。そのうえ、「花粉症のために集中できない」「仕事が手に付かない」ということも起こる。近年は花粉症による経済的な損失が無視できなくなっており、ある調査によれば、患者1人が花粉症のために費やす金額は年間で平均4,550円にもおよび、従業員の平均総生産性の損失は6万円にもおよぶという。

ダイソンは1台で3役

花粉対策のため、空気清浄機を購入する人が増えているそうだ。では、どこに置くべきか。大久保先生は「室内の空気の流れをイメージすることが肝心です。マンションでは、部屋の真ん中にほこりは落ちていません。部屋が加圧されているので、ほこりは外に逃げます。テレビの後ろ、部屋の隅にたまるわけです。花粉も同様です」と説明する。

このため空気清浄機は、玄関、リビングの入り口あたりに置くのが良い、と解説する。また、花粉は乾燥した空気の流れに乗って舞うが、空気が加湿されると舞えなくなる(床に落ちた花粉は掃除機で吸い取れる)。このため加湿器も効果的だと説明する。

都内のマンションでひとり暮らし、窓を開けても外は交通量のある道路、そんな住宅環境では加湿器、空気清浄機の両方が必要になる。そして夏には扇風機もほしい。そこで登壇したダイソンの関係者は「Dyson Pure Humidify + Cool」があれば、1台で加湿器 / 空気清浄機 / 扇風機の3役をこなします、とアピールしていた。

  • ダイソンの加湿空気清浄機「Dyson Pure Humidify + Cool」。2019年11月よりダイソン直営店などで販売を開始している

    ダイソンの加湿空気清浄機「Dyson Pure Humidify + Cool」。2019年11月よりダイソン直営店などで販売を開始している

  • 空気の状態がLCDディスプレイでリアルタイムに表示される

    空気の状態がLCDディスプレイでリアルタイムに表示される

荒れたノドに驚きの対処法が

ゲストで招かれた声優の梶裕貴さんは、収録現場における苦労を語った。声がこもるため、仕事中はマスクができない。また、精密機械が置いてあるために加湿が満足にできないスタジオも存在する。そんな状況下で、自分のノドをどう守っているのだろうか。

  • 声優の梶裕貴さん。TVアニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役、「七つの大罪」のメリオダス役などを務める

    声優の梶裕貴さん。TVアニメ「進撃の巨人」のエレン・イェーガー役、「七つの大罪」のメリオダス役などを務める

基本的なところでは、手洗い、うがいは欠かさずに行ない、また移動中は夏でもマスクを着用する。免疫が下がらないよう、食事と睡眠も大事にしているという。このほか、鼻うがいもしているそうだ。「朝、寝起きに鼻うがいをすることもあります」(梶さん)。

担当するアニメのキャラクターによっては、日常生活で使わない声質を出さなければいけないこともある。叫ぶ役柄のときなど、ノドを壊してしまう心配も付きまとう。「そういうときは、あらかじめクリニックを予約しておきます。すると、仕事の終わりに寄れる。いち早く対策することが必要だなと感じています」。

では万が一、声がかすれてしまったときは、どう対処するのだろう。「これは効果があるのか分からないんですが、コンビニでフライドチキンなどの揚げ物を買って食べたり、オリーブオイルでうがいをしたり(笑)。ノドに油を注いで乾燥を避け、声帯が機能してくれることを祈ります」(梶さん)。

これに大久保先生は「油は水分を蒸発しにくくさせます。そういう意味で、コーティングの効果はあると思う」と評価しつつも「でもそれ、ギリギリのときにやる作戦ですね」と笑った。

このあと、記者団の質問に大久保先生が回答していった。「子どもがハウスダストによりアレルギーが出ているが、子ども部屋で気をつけるべきことは」という質問に同氏は「大人の部屋より子ども部屋の方が、荷物が多いことがあります。例えば漫画は、ほこりがたまりがち。ほこりをためやすい構造なんですね」と分析する。漫画は読んだら捨てる、好きなところだけちぎってクリアファイルに保存する、といった究極の対処法も示し、記者団の笑いを誘った。

「花粉は目に見えないため、対処法が分からない」という意見には「だからイメージすることが大事になります。帰宅時、髪やコートには必ず花粉がついていると想像してください。いちばん良いのは、すぐにお風呂に入ってシャワーで洗い流すこと。このとき、こすってはいけません。顔や頭を、はじめはお湯で洗い流します。目の周りに花粉が残っていることもある。女性なら、お化粧の上にも花粉が乗っている。だからお化粧直しは、花粉を洗い流した後にしてください。3月にもなると、暖かい日があるでしょう。だからといって、公園でお弁当を広げていると、その上にも花粉が落ちます。2、3月のうちは、天気が良くてもなるべく室内でランチをとるようにしてください」とアドバイスしていた。