女優の石原さとみが、4月スタートのフジテレビ系ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(毎週木曜22:00~)で主演を務めることが4日、分かった。

『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』主演の石原さとみ=フジテレビ提供

このドラマは、『月刊コミックゼノン』で連載中の『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』(荒井ママレ/医療原案:富野浩充)が原作。院内にある薬剤部で、主に患者の薬の調剤、製剤を行う“病院薬剤師”たちの知られざる舞台裏を、黒岩勉氏の脚本、石原主演の『ディア・シスター』を手掛けた田中亮氏の演出で描く。

“アンサング”とは「褒められない」という意味。医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくても、“縁の下の力持ち(=アンサングヒーロー)”として患者のために奮闘する、病院薬剤師たちのヒューマンドラマだ。病院薬剤師が主人公の日本の連ドラは、史上初だという。

石原が演じるのは、キャリア8年目の病院薬剤師・葵みどり。「薬は患者の今後の生活につながるからこそ、その人自身を知る必要がある。それが、薬剤師にとって何より大切だ」という信念を持っているが、ついつい患者に深入りして時間をかけてしまい、他の薬剤師からもっと効率的に仕事をすべきだと叱られることも。チャームポイントのお団子ヘアを揺らしながら、患者一人ひとりと真摯(しんし)に向き合っていく。

石原は「薬剤師の方は薬局で“お薬を渡してくださる方”という印象で、一体どういうお仕事をされているのか具体的には知りませんでした。今回ドラマのお話をいただき原作を読んで、仕事内容の大変さに驚きましたし、薬剤師は“薬で命を助ける専門家”なんだと痛感しました。私自身、ドラマで医師や看護師を演じた経験はありますが、薬剤師が登場人物として描かれることはほとんどなかったのではないでしょうか。患者に寄り添う大切な存在なのに知らないことばかりでした」とコメント。

今回の役柄については「ドラマで描かれるみどりは、原作よりもキャリアを積んでいる設定なので、患者さんに寄り添う温かさや優しさを持つ一方で、冷静な部分も持ち合わせていると思います。患者さんにとっての“最後の砦”という自覚をもち、単にがむしゃらなだけではなく、優しさが本当の強さだということが伝わるように演じていきたいです」と話す。

薬剤師の衣装は、デザインから一緒に考えたそうで、「機能的でスタイリッシュながらも、どこかかわいさもあり、自然に身にまとうことができています。白衣だと医師や看護師と見分けがつかなくなってしまうのでデザインの違いを意識しました。というのも、私の友人の薬剤師が、“院内で医師と間違われてはいけないので、服装がかぶらないように徹底している”と教えてくれたんです。このドラマを通じて、薬剤師にもユニホームがあることが浸透してくれたらうれしいです」とのこと。

そして、「薬剤師というお仕事をもっと多くの人に知っていただきたいと思います。私自身、初めて知って驚いたことがたくさんありました。そして、夢物語ではなく、きちんと現実を伝えていけたらと思います。実際に薬剤師として働く方にとって、“明日もがんばろう”という活力になれたらうれしいです。そして、世の中で働く皆さまに“諦めないこと”、“人を大切にすること”というメッセージが伝わるよう精いっぱいがんばりたいと思います」と呼びかけた。

漫画家の荒井ママレ氏は「この作品を立ち上げるとき何人もの薬剤師さんに取材させていただきましたが、皆さん必ず“薬剤師が主役で大丈夫ですか…?”とおっしゃっていました。医療モノは数あれど、薬剤師はほとんど出てきません。けれど、そんな“縁の下の力持ち”たちが必死に働く日常を掬(すく)い上げてこの作品は生まれました。ドラマならではの『アンサングシンデレラ』が見られること、1人の視聴者として楽しみにしています!」と期待。

野田悠介プロデューサーは「今回の主人公・葵みどりは、周囲の状況や自分が置かれている立場を弁(わきま)えつつも、患者さんのためであれば、ときに医師と、ときに患者さんと闘う、信念の強さと優しさにあふれた人物です。そんな葵みどりを冷静さの中に強い情熱を感じさせる石原さとみさんならば、リアルに具現化していただけると思い、お願いさせていただきました」と起用理由を語っている。

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