お笑い芸人の千原ジュニアが主演するカンテレのドラマ『新・ミナミの帝王』シリーズ第18作『バイトテロの誘惑』(13日15:20~16:45 ※関西ローカル)。これは、ジュニアの発案でドラマ化された作品だ。

  • 千原ジュニア(左)と大東駿介=カンテレ提供

2010年の放送スタートから10年目を迎えるこのドラマは、原作・天王寺大、萬画・郷力也の漫画『ミナミの帝王』(週刊漫画ゴラク連載中)を実写化したもので、カンテレではジュニア主演で制作されてきた。

今回の『バイトテロの誘惑』は、ジュニアと元外交官・作家の佐藤優氏との雑誌のツーショット対談の際に出た話をもとにドラマ化。バイトテロとは、主に飲食店や小売店の従業員が撮影した不適切な動画や画像がSNSに投稿されて炎上につながる現象で、店舗や企業が多大な被害を受けている。

ドラマの物語は、銀次郎(ジュニア)の顧客がバイトテロの被害に遭うところから始まる。喫茶店チェーンを営む北川(福田転球)は、客に出すコーヒーにアルバイト店員が悪ふざけでいたずらをする動画がネットに投稿され、やがて倒産にまで追い込まれてしまう。

一方、お好み焼き配達のバイトをする学生・中山(森優作)は、過去に無理やり参加させられたバイトテロ動画を公開されたくなかったら金を払えと、ある組織から恐喝されていた。中山は銀次郎から金を借りて支払うが、脅迫はさらにエスカレート。銀次郎は、バイトテロ動画を使って金をゆすり取っていた組織の存在を突き止め、その悪質な手法を逆手にとって巧妙な罠を仕掛ける。

今回のドラマでは、バイトテロが単なる従業員の悪ふざけにとどまらず、企業やバイトテロを犯した人物への恐喝事件へとつながり、さらには株の操作と組み合わせた組織的な経済犯罪にも発展する可能性をリアルに描いている。

ジュニアは、テーマを思いついた経緯について「バイトテロって、ちょけた大学生とかフリーターのバイトがやってるだけなのか?と思ったんですよね。実はそれを利用して株式操作で儲けてる黒幕がいるんちゃうかなって思いまして。そんな話を佐藤さんとしたのをスタッフが読んでドラマになったんです。役者とは別にギャランティーをいただかないとね(笑)」と語り「手を伸ばしたらそこにあるような、誰が巻き込まれてもおかしくない事件を描いていて見やすいと思います」とアピールした。