• 『オダイバ!!超次元音楽祭』企画・演出のフジテレビ浜崎綾氏

――おそらく放送中から、Twitterなどですさまじい反響があると思いますよ。

やっぱり今のフジテレビって、「これをやってた」ことすら知られずに終わっていくものが多すぎると思うので、爪痕残せるコンテンツが必要だと思うんです。それは視聴率がどうこうではなくて…それこそTwitterでバズるのもそうですし、この番組に出たアーティストが2020年どうテレビで露出していくのかも含めて“ここから始まった”感はすごく出したいですね。たぶん、自然と出るんじゃないかなと思いますけれど。

――最近のフジテレビさんは新しい試みの番組がまた増えている印象もあります。個人的には『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』が大好きで。

あれは当時入社2年目だった千葉(悠矢)が、社内のプレゼン大会を勝ち抜いて実現した企画なんですけれど…ただ、最初はこれ、番組として成立するのかなって(笑)。でも、やたら千葉のプレゼンが熱かったんですよね。だからその熱に押されて投票した人も多かったんだろうなと思うんです。

――そこは、今回の浜崎さんとも通じる部分があるかもしれませんね。

そうかもしれないですね。作り手が「これ、自分やりたいんです! 間違いないんです! あなたは分からないかもしれないけれど、任せてくれたらなんとかなります」みたいな企画がもっと増えていくと、フジテレビもいい感じになっていくのかなって思います。

■第2弾の展望は…

――そんな熱意から生まれた今回の番組ですが、評判を呼んで「第2弾も」となったら、出ていただきたい方はいらっしゃいますか?

今回オファーした中でスケジュールの都合などもあって叶わなかった方はもちろんですけれど、特に今年で言うと個人的には「お願いマッスル」ですね。「ボディビルダー20人ぐらい呼んで、やりませんか?」みたいな話もしていたんですけれど、残念ながら実現せず…。他にも、ずっとお声がけさせていただいている『ヒプノシスマイク』とか。あと、2020年に改めて面白くなりそうだなと思っている『新サクラ大戦』の「檄!帝国華撃団<新章>」とかもやれたらきっと面白いでしょうし。

――「檄!帝国華撃団<新章>」は、iTunesチャートで総合1位もとっていましたね。

J-POPだとカバーブームとかもありましたけれど、テッパンソングを掘り起こして今一番売れている若手声優さんが歌うというのは、アニソンというジャンルでもあると思うんです。2020年に「ゲキテイ」が生まれ変わるのは、なかなかアツいと思います!

――カバーといえば、『FNS歌謡祭』のようにコラボを連想される方もいると思います。今後はそういったものも取り入れていきたいですか?

はい。今回はあくまでテッパン曲にこだわりましたけれど、もし第2弾ができるならやっぱりコラボもやりたいです。アニサマも毎回OPはコラボで盛り上がりますし、「え、ここ組んじゃうの!?」みたいなことをできるのも、ある意味テレビの良さだと思いますから。コラボは『FNS歌謡祭』を作っている我々が、一番得意とする部分でもあるので、第2弾があればそういう新しいこともどんどん実現させたいですし…やりたいことは、尽きません!

●浜崎 綾
1981年生まれ、北海道出身。慶應義塾大学卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『堂本兄弟』『僕らの音楽』『FNS歌謡祭』で演出を担当し、08年から『MUSIC FAIR』、14年からスタートした『KinKi Kidsのブンブブーン』を担当。

■著者プロフィール
須永兼次(すながけんじ)
群馬県出身。中学生の頃、ラジオを入り口にアニメソングにハマり、会社員として働く傍らアニソンレビューブログを開設。2013年フリーライターとして独立し、主に声優アーティストやアニソンシンガーへのインタビューやレポート記事を手掛けている。
Twitter:@sunaken