東芝インフラシステムズは12日、JR東海の次期特急車両HC85系の試験走行車向けに新開発の小型で高効率な新型ハイブリッドシステムを納入し、鉄道用として日本で初めてモータと発電機に全閉式永久磁石同期機を同時を採用したと発表した。

  • HC85系の試験走行車

HC85系は既存の特急形気動車キハ85系の取替えに備え、JR東海が開発した次期特急車両。エンジンで発電した電力とバッテリに貯めた電力を組み合わせ、モータを駆動して走行するハイブリッド方式を採用している。

東芝インフラシステムズはHC85系の試験走行車向けに、モータと発電機、バッテリ、車両制御装置、主幹制御器を納入した。全閉式永久磁石同期モータ(PMSM)、全閉式永久磁石同期発電機(PMSG)はともに定格効率97%を実現する高効率な回転機で、エンジン出力を車輪に伝える効率はモータおよび発電機に開放型の誘導機を使用した従来型のシステムとの比較で10%以上向上しているという。

  • ハイブリッド方式のイメージ

  • 全閉式永久磁石同期モータ(PMSM)

  • 全閉式永久磁石同期発電機(PMSG)

小型で高出力なPMSGを新たに開発したことにより、日本で初というモータと発電機の全閉式永久磁石同期機への同時採用が可能に。モータ・発電機ともに全閉構造で低騒音化と内部清掃を不要とし、メンテナンスの簡素化も実現している。

バッテリはリチウムイオン二次電池「SCiB」を採用。ブレーキ時に発生する回生電力を充電し、駅停車時のアイドリングストップ・加速時に電力を使うことでエネルギーを効率的に使用でき、燃費が従来比15%向上。高い環境性能の実現に貢献する。

  • 車両制御装置

車両制御装置は、車両の駆動用回路に加えてバッテリ充放電用と車両の補助電源用回路を一体化したコンパクトなパワーユニットを開発するとともに、従来の空冷方式に比べて装置外側の冷却フィンの設置が不要な水冷方式をパワーユニットとバッテリの両方に採用することで小型・軽量化を実現。車両制御装置内にバッテリを収納できたことで、すべての駆動システムを車両の床下に搭載することが可能となった。主幹制御器は従来と比べて耐久性の高い主幹制御器を開発している。