「学生だけでこの集客力! 俺らが学生の頃なんて、親の仕送りでコンビニ弁当を食べてただけだったのに! 」――人気お笑いコンビ・カミナリの石田たくみさんのコメントは多くの笑いを誘ったが、実に的を射ていた。

今年も「AGESTOCK2019 in TOKYO DOME CITY HALL」が2019年11月16日(土)から2日間にわたって開催された。舞台は東京ドームシティホールである。主催者の「AGESTOCK実行委員会」は、首都圏の学生団体の幹部らが中心となって2006年に発足。「日本最大級の合同学園祭」と銘打っているだけあり、集まった観客の大多数は現役の大学生で、その数なんと約3000人。さっそく初日の模様をレポートしよう。

  • オープニングアクトを務めた、歌手のみしぇるさん

初日のオープニングアクトを務めたのは、ストリーミングサービス「SHOWROOM」で出演権争奪戦を制した歌手のみしぇるさん。50万ダウンロードを突破したスマホゲームアプリ「東京コンセプション」の主題歌『PROMISE』にも抜擢された注目の若手アーティストで、15分の持ち時間を余すことなく使って会場を温めた。

  • コラボレーションでパフォーマンスを披露した「百合文殊」と「燎」

そして始まったイベント本番。最初のステージを飾ったのは立教大学のよさこいチーム「百合文殊」と、主に埼玉県で活動する若手和太鼓チーム「燎」のコラボレーションライブ。それぞれの持ち味を活かし、「和」とダンスミュージックを融合させたパフォーマンスで観客を魅了した。

  • 漫才コンビ・カミナリの登場で会場のボルテージは一気に高まった

いよいよ会場の熱気も高まってきたところで、MCとして姿を見せたのが若手お笑いコンビ・カミナリである。カミナリの登場に、観客席は盛大に沸いた。石田さんは、学生主体のイベントがこれほどの“成功”を見せていることに感嘆し、「こんなに盛り上がっているから、すごく出づらかった」と謙遜して笑いをとったが、それほどに会場の熱は高まっていた。

石田さんは「僕たちは頭を叩いて叫んでいるだけなので、その時に笑ってくれればいいですから」とやはり自虐ネタでハードルを下げつつ、相方・竹内まなぶさんと「10回クイズ」のネタで3分間の漫才を披露。会場に「バチン!」というカミナリお得意のツッコミ音を響かせて爆笑をさらった。

  • 持ち前の、勢いあるツッコミ音が会場中に響き渡る

漫才終わりには「緊張して2回、どつくのをミスりました!」と明かしつつ、まなぶさんととともに、「今、M-1予選で勝ち上がっているところですので、どうぞ応援よろしくお願いします!」とアピール。M-1本戦出場へ向けて弾みをつけた。

  • 「Next Age Music Award2019 FINAL」を制した「Ochunism」のライブは圧巻

この日は「Next Age Music Award2019 FINAL」も開催され、200組以上の学生バンドの中から勝ち上がった「Ochunism」と「ニカイカラ」がライブを行った。両者ともに圧巻のパフォーマンスを見せつけた結果、接戦の末に観客投票でグランプリに選ばれたのは「Ochunism」。惜しくも破れたとは言え、「ニカイカラ」も高い実力を見せつけて爪痕を残した。

続いて行われたのは「Reflection Live」。学生ダンスシーンを牽引する若き5人のダンサーがこの日限りのスペシャルユニットを組み、ステージに降ろされた巨大な紗幕に投影された映像のバックにハイレベルなダンスを披露し、観客を盛り上げた。

  • 「MISS CIRCLE CONTEST 2019」でグランプリを競う10名のファイナリスト

続いて実施されたのは、「MISS CIRCLE CONTEST 2019」のファイナルステージ。日本一の大学サークルのミスを決定するこのコンテストは今年で10回目を数え、これまで在京キー局アナウンサーやモデル、アーティストも輩出している。10名のファイナリストの中から見事グランプリに輝いたのは、青山学院大学の黒川さくらさん。

グランプリ受賞について、「家族、友達、ファン、誰一人欠けてもここには来られなかったと思う」と感謝を口にし、「この経験を活かせば、何事も全力で頑張れるし、挫けることもない。後悔がないよう、これからも進んでいきたい」と意気込んだ。将来の夢はアナウンサーだという黒川さん。我々がテレビでその姿に見慣れる日はそう遠くないかもしれない。

  • 乃木坂46・四期生も登場した「日本最大級の合同学園祭」開催

    囲み取材に応えた乃木坂46・4期生のメンバーたち

初日のトリを飾ったのは乃木坂46の4期生。ライブ前に行われた報道陣向けの取材で、4期生最年長の田村真佑さんは、「会場には同年代の方たちがたくさんいて、こんなに大きい場所でこんなに素敵なイベントを開催している。私も負けないよう頑張ろうという活力をもらえた」と笑顔をのぞかせた。

同じくメンバーの早川聖来さんは、「同学年の友達にも、こういうイベントの運営に積極的に参加している人がいて、話を聞いたりしていた。私も憧れの気持ちみたいなものはあったし、(自分が学生だったら)こういうイベントで、司会とかしてみたい」と語った。

乃木坂46がステージに上がると、会場のボルテージは一気に最高潮に。「インフルエンサー」に始まり、新曲の「図書室の君へ」や「サヨナラの意味」「4番目の光」などの人気曲を次々と披露。集まった3000人の観客は音楽に合わせて声を上げ、スティックライトを振った。最後の曲「ガールズルール」で会場の熱狂はこの日のピークに達し、乃木坂46は約40分のステージで11曲を歌いきってステージを後にした。

翌17日はMCにお笑いコンビ・EXITを迎え、ダンス&ボーカルグループのDa-iCEやシンガーソングライターの足立佳奈さんが登場。2日間にわたる「日本最大級の合同学園祭」は、観客のフレッシュな爆発力と若いながら成熟した運営陣のイベント実行力で、今年も大盛況のうちに終演を迎えたのだった。