ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が展開するロボットトイ「toio」の新タイトル発表会が11月12日、都内の会場で開催。2019年にリリースされるタイトルと2020年以降に発売予定のラインナップが発表され、「toio」の開発者である田中章愛氏と、その事業企画責任者を務める中多大介氏、そのほか各タイトルに携わったクリエイター陣がそれぞれプレゼンを行った。

  • 「toio」新タイトル発表会

「toio」とは、コンソールとコントローラー、キューブ型のハードから構成されるロボットトイ。"つくって,あそんで,ひらめいて"のコンセプト通り、さまざまなタイトルと組み合わせて、アクションゲームやパズルゲーム、プログラミング学習などを楽しむことができるプラットフォームとなっている。

まずは、『トイオ・コレクション拡張パック』について。こちらは、発売中の『トイオ・コレクション』にさまざまなゲームを追加する拡張パッケージとなっており、紙相撲や影踏み鬼、怪獣におはじきを当てて倒す『怪獣バスターズ』など、直感的に操作できるゲームなどが遊ぶことができるようになる。発売日は12月5日を予定している。

続くタイトルは、キューブで直感的に演奏や作曲を楽しめる『おんがくであそぼう ピコトンズ』。キューブを回転させることで、鍵盤のスケールや楽器を簡単に変更することが可能となっており、子どもたちがキャラクターと一緒に楽しく自然に学べるように設計されている。

また同タイトルには、作曲家の烏田晴奈さんが音楽監修として参加。直感的または理論的な作曲ができるような体験を用意しているとのこと。さらに、16歳のトラックメーカーとして話題のSASUKEさんがプレイングアドバイザーに就任した。SASUKEさんは、子どもたちへ原体験を提供するイベントへの登壇や、「toio」を使用したオリジナル楽曲の製作にも取り組む。発売時期は2020年夏頃と発表された。

2020年秋にリリース予定となったのは、アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズや『キャロル&チューズデイ』を手掛けたSTUDIO NO BORDERが制作するボードゲーム『大魔王の美術館と怪盗団』。"新感覚ボードゲーム"として発表された同製品は、美術館に潜入して多くの美術品を集めることを競う内容で、最大4人までの対戦プレイが可能となっている。

美術館には「toio」キューブに乗った番人が徘徊しており、プレイヤーのターンが一巡するごとに、進めるのが難しくなるそう。自身のターンでは、隠れたりトラップを仕掛けたりなど慎重に進むことが要求され、他プレイヤーや番人と駆け引きを行いながら、勝利を目指す。

「toio」のコンセプト・UX開発にも携わったアンドレ・アレクシーさんは、難しいことは「toio」にまかせて、ストーリーや戦略など、ボードゲームの一番おもしろい部分だけに集中できるように開発したと説明。さらには、同社がアニメ製作で培ってきた経験を活かして、背景やキャラクター、音楽に注力し、さらなる没入感を提供するするとのこと。発売前には、ユーザーに試遊できる機会も設ける予定ともアナウンスした。

コントローラである「toioリング」をクルマのハンドル替わりにして、直感的に遊べるドライビングアクションゲーム『トイオ・ドライブ』についての紹介では、プロデューサーの小番芳範さんが登壇。メインのゲームモードには、30種以上のミッションが用意されており、レゴや家にある物を利用することで、独自のコースも製作可能となっている。こちらのタイトルは現在発売中。

また、「東京おもちゃショー2019」やワークショップにて展示されていた「toio」だが、都度ユーザーから意見をもらったことにより、新たに"戦略バトル"をテーマにしたタイトルも、開発に踏み切っていることが明かされた。小番さんは、「動き・創作・自由度」と「発想を生み出すエンタテインメントあふれる世界設定」を基軸に、カードゲームジャンルを開拓していくという。

ラストは、「toio」のキューブとスマートフォンを使ってロボットの動きを制御する『ウロチョロス』が11月下旬から無償配信されることが予告された。日本初のゲーム専用AI規格開発を行う、モリカトロン株式会社の代表を務める森川幸人さんは、「toio」のデザインのかわいさに着目し、同製品に心を加えるため同タイトルの開発に着手。すでに公開されている「toio」のAPIと同社が持つAIの知識を融合し、同商品の完成に至ったそう。

こちらは、専用アプリを導入したスマートフォン等の端末と「toio」を接続することで、意思決定AIを組み込まれたロボットが、鬼ごっこをしたり歌ったり、ユーザーの表情から感情を読み解いたりなど、自由に遊べるようになるとのこと。

そのほか、『トイオ・ドライブ』以降のタイトルまたは、12月に提供予定のスマートフォン向けシステムソフトウェアアップデートを行うと、「toio」のバージョンが更新できるように。「toio」リングでクルマのように走行できる「フリーそうこう」機能の搭載や、Windows10に対応したビジュアルプログラミングが利用可能となる。

プラスチック製の玩具「レゴ ブロック」とのプロモーションコラボも予定されており、期間中に「toio」の対象商品を購入することで「11001 レゴブロック&アイデアセット」がプレゼントされるキャンペーンも行われる。