男性向けコスメブランド「GATSBY(ギャツビー)」を展開するマンダムはこのほど、“正しい体臭ケア知識の啓発”を目的とする「マンダム においケアセミナー」を深川郵便局(東京都江東区)で開催した。

マンダムは職場におけるにおいの悩み解決への取り組みとして、企業・団体向けに「マンダム においケアセミナー」を実施している。体臭サンプルを嗅ぎ、対策商品を試す体験型の同セミナーは今年で5年目を迎え、19年3月末時点での開催件数は累計80回以上、受講者は約3,900名を数えるとのこと。

今回このセミナーに参加したのは、日本郵便。CS向上の取り組みの一環として、こうしたセミナーを職員向けに実施しているという。

  • 深川郵便局(東京都江東区)にて開催された「マンダム においケアセミナー」に潜入

30代になったら気をつけたい“ミドル脂臭”

「スメハラ」という言葉も浸透した昨今、夏場など汗をかきやすい時期に自分の体臭が気になるという男性も少なくないだろうが、人間の体臭発生のメカニズムはさまざまだ。

皮膚に存在する常在細菌の代謝によって発生する汗臭ひとつとっても、体の部位によって分泌される物質や常在菌の種類・量などは異なり、加齢によっても男性の主要な体臭は変化するという。

  • 体臭(汗臭)の発生源といえば……

同セミナーにて、マンダム広報部の上水氏は全国の男女1,200人に行ったアンケート調査の結果を紹介。「体臭が変わったと感じる年齢」を聞いたというアンケート調査では、30代頃からその割合が少しずつ増加し、40代でピークを迎え、30代〜50代くらいの間で特に体臭の変化を実感する人が多いという結果が示された。

  • 加齢による体臭変化の気付き

年齢によって変化する体臭でまず思いつくのが「加齢臭」だが、常在菌が関与せず、胸元・背中といった体幹の部分の皮脂が酸化することで発生する加齢臭は、50代以降に発生することが多いという。

「加齢臭の原因成分はノネナールという成分です。青臭い草っぽい中高年特有のにおいで、おじいちゃんみたいなにおいと表されることもあるように、なんとなく親しみがあるにおいに感じる方もいらっしゃるかと思います」(上水氏)

  • そもそも加齢臭とは?

  • 加齢臭が本格化するのは50代以降

では、30・40代男性に特有の体臭の変化の原因は何なのだろうか? マンダムは先のアンケート結果を踏まえ研究を重ね、“ミドル脂臭”なるにおいを発見したという。

「ミドル脂臭が最も発生する部位は、後頭部と頭頂部と首の後ろです。ミドル脂臭の主成分はジアセチルという成分で、ミドル脂臭は30・40代頃から増加します。ジアセチルは少量でもにおいやすく、空気中に拡散しやすいという厄介な特徴があります。ジアセチルはお酢の120倍ほども感知しやすいにおいを放ち、また、ミドル脂臭は男性に比べて女性の方が約2倍不快に感じやすいというデータもあります」(上水氏)

  • ミドル脂臭が発生する仕組み

  • 主要な体臭の変化

ビールや日本酒など酒類の香り風味を損なうオフ・フレーバー成分「つわり香」としても知られるジアセチルは、バターやヨーグルト、チーズのような発酵食品の主要な臭気成分で、使い古した油のようなにおいが特徴だ。

  • ジアセチルの濃度は、30代~40代で増加する傾向にあるという

  • ジアセチルの特性

セミナーでは各席にミドル脂臭・加齢臭を化学的に再現したにおいサンプルが用意されていた。これが「マンダム においケアセミナー」の醍醐味なわけだが……クッサ! 再現レベルが高すぎて安定のクサさである。

  • 各席には、ミドル脂臭や加齢臭を化学的に再現したにおいサンプルが

マンダム広報部の奥氏によれば、「汗臭・ミドル脂臭・加齢臭は男性の三大体臭。ミドル脂臭が出始める30・40代は汗臭もまだ出ていて、加齢臭も少し出始める“においの三重苦”と言われる年代」とのこと。体臭ケアでは自分の年齢などを踏まえ、どのような体臭に対して策を講じたいかを見極め、その体臭の発生源となる部位をケアすることが重要なようだ。

  • 体臭対策のポイント

年齢・体臭別の効果的なにおいケア

体臭ケアは、においの原因となる汗や皮脂を洗い落とす「洗浄」、汗を抑える「制汗」、においを発生させる細菌をやっつける「殺菌」、発生したにおいにアプローチする「消臭」の4種類に分かれる。

何より大切なのは、毎日しっかりお風呂に入って頭と体を清潔に保つこと。汗臭で気をつけたいのが脇や頭だ。

  • 汗臭の対処方法

「汗臭に関しては、できれば朝にシャワーを浴びて、清潔な状態で制汗剤を使うと日中の汗のにおいを予防できます。オススメなのがスティックタイプやローラータイプといった直塗りできるデオドラント。スプレーのようなミストタイプは薬剤が点で付着しますが、直塗りタイプは面で脇などに塗布でき、薬剤の密着力が高く、制汗と殺菌が期待できます。持続力も非常に長く、近年とても人気の商品です。汗や皮脂が出た上から塗り直すと制汗剤の効果も薄まるので、日中は制汗成分と殺菌成分が入ったボディペーパーで洗浄した後、こうしたデオドラントを塗り直すと効果的です」(奥氏)

  • ポイントは「朝の予防」と「日中の対処」

特に冬に気になる足のにおいには、指の股に塗り込みやすく、持続力・密着力が高いクリームタイプの制汗剤が有効だ。

「足のにおいは、足の裏からではなく指の間から出ています。実は皮脂腺は足の裏には少なく、指の間に集中しているんです。そして、指股は密閉状態なので菌が繁殖しやすくなっています。爪の垢もにおいの発生源なので、爪はしっかり切りましょう」(奥氏)

  • 足のにおいケアも忘れずに

特に後頭部・頭頂部が発生源となるミドル脂臭には、殺菌成分を配合したシャンプーを選ぶのがポイント。

「殺菌成分は全てのシャンプーに入っているわけではなく、香り重視のシャンプーなどは意外と殺菌成分が入っていないものも多くあります。においは脂の中にどんどんこもっていきますが、ミドル男性の頭皮の皮脂は若い頃よりネバネバしていて落ちにくく、しっかりシャンプーしないと脂の中にこもったにおいが落としきれません。自分ではしっかり洗ったつもりでも頭のにおいが全然取れていないことがけっこうあります。できれば3分間、2度洗いするくらいのつもりで洗うと、洗い上がりの頭のにおいが全然違います」(奥氏)

毎日シャンプーしていてもにおいが気になる場合、ミドル脂臭が原因の可能性が高い。頭皮にも使えるスプレータイプのデオドラント剤なども市販されているので、ミドル脂臭の日中の対処方法として活用してみよう。

  • ミドル脂臭の対処方法

「最後の加齢臭は、ジャケットやシャツにつきやすい体臭です。あまり頻繁に洗わないジャケットなどは加齢臭がどんどん溜まりやすいので消臭スプレーを使い、特に手が届きづらい背中などを意識的にしっかり洗うようにしましょう」(奥氏)

  • 加齢臭の対処方法

マンダムの研究所には臭気判定士の国家資格を持つ研究員が多く在籍し、2006年から10年以上にわたる体臭研究の知見をウェブサイト「男のにおい総研」でも発信している。気になる人はこちらもぜひ参考にしてみてほしい。

  • 年代ごとに気をつけたい3種の体臭