――ところで、どのようなきっかけで花が好きになったのですか?

中学2年生のときにテニスをやっていたら、右足を複雑骨折しまして、入院して手術したんですね。1カ月入院してやっと退院になって病院を出たときにすべてがハッピーで、目の前にあった道路沿いの赤いツツジを見て「最高にきれい!」と思ったんですよ。

――入院はそんなにつらかったのですか?

そうですね。手術は怖いし、検査も「悪い結果出ないでくれ~神様お願いします! これから二度と悪いことしないから!」って祈るくらい。「僕、こんなに一生懸命頑張ってるのに足の骨を折るなんて、神様なんていないんだ」って、時には神様とケンカしたりもしました。そういう格闘があったから、退院して家に帰るよっていうときに、はぁ~なんて幸せなんだ!と思って。

――そのツツジを見たのがきっかけで、他の花も好きになっていくんですね。

きれいなお花を見て、きれいな気持ちでいることがとっても幸せって感じる瞬間だったんですよね。それから、「もう二度と悪いことはしない」「悪いことは言いたくない」って思うようになったんですけど、たまに疲れると忘れてしまったりということの繰り返しなんです。でも、それじゃいけないって思い出させてくれるのが花なので、家にはしょっちゅう花が置いてあります。

――いつもポジティブ思考のみやぞんさんですが、そのきっかけを与えてくれたのが花だったんですね。

テレビに出るようになってよく「ポジティブ」とか「明るい」とか言われるようになったので、そうなのか?と思って自分を見つめ直してみたんですけど、たぶん本当は僕、ネガティブなんですよ。

――そうなんですか!?

根がネガティブだけどそれじゃ生きていけないから、本能と意識的にポジティブになってるんです。今でも落ち込むことってたまにあるんですよ。でも、そのままの感じで人に会うっていうのはすごく良くないことだって、僕の中にインプットされてるんですよね。そこをどう明るくやるかが勝負。何かに挑戦するときとか、「大丈夫かな…」って人間絶対不安がどこかにあると思うんですけど、それに対して「なんで?」って考えていくんです。「なんで不安なの? それをやめちゃったらどうなるの? 実際にやったらどうなるの? 失敗する根拠はどこにあるの? じゃあ大したことにならないから楽しくやろう!」ってポジティブになっていくんですよ。

  • 本番でクイズに解答するみやぞん(左)とMCの佐藤二朗(右) (C)フジテレビ

■神様がいたら明るいほうを好きになってくれる

――今回も『99人の壁』に挑むにあたって、そうやってポジティブに持ってきたんですか?

そうです。「『99人の壁』のお仕事を頂きました。番組も見てます。佐藤二朗さんも大好きです。お花が好きです。こんな幸せなところに立てる機会ない! クイズって本来楽しいものなんだから、ダメでもしょうがないか!」って。だから、今はワクワクしてますね。朝タクシーに乗るときは「天気がいいなあ」とか思ってポジティブになって、スタジオに近づいてくると「大丈夫かな…」って不安に思ったりするんですけど、その後に「いいじゃん楽しもうよ! 死ぬわけじゃないし、誰も責めないよ!」って考える作業を、毎回しているかもしれないですね。

――今、何かに悩んでいる人たちにも、参考になるようなお話ですね。

落ち込んでいるのを見ても、誰も元気出ないじゃないですか。落ち込んだらその問題が解決するかっていったらそうでもないってなると、これは明るくいたほうがいいなって思うんです。もし神様がいたら、そんな人間のほうが好きになってくれるんじゃないかな。だから、疲れているときも「さぁやるぞ!」って朝、顔を洗うのと同じように気持ちを切り替えて、終わったら「ありがとうございました!」って笑顔で去っていく。それを毎日一生懸命やってる感じですね。

●みやぞん
1985年生まれ、東京都足立区出身。09年、幼なじみのあらぽんとお笑いコンビ・ANZEN漫才を結成。歌ネタを得意とし、自主制作曲「足立区の歌」で足立CMグランプリ2年連続受賞。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)で人気を集め、18年の『24時間テレビ』(同)では番組史上初のトライアスロンを完走した。

  • 『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(フジテレビ系、毎週土曜19:00~)
    11月9日の放送は「最愛の知識だけで小学生は東大生に勝てるのか!?スペシャル」。小学生のチャレンジャーが、「日本の駅」「日本の城」「サザエさん」「恐竜」「果物」「戦国武将」「魚」「防災」というジャンルで、99人の東大生にクイズで挑むという前代未聞の新企画が展開される。
    写真は、チャレンジャーの小学生たち (C)フジテレビ