2019年10月、消費税率が引き上げられ、ついに10%になりました。今、家計のやりくりという点で見逃せないのが、キャッシュレス決済とポイント還元です。電子マネー決済、キャッシュレス決済は、「使いすぎが怖い」「めんどくさそう」「わからない」などのイメージが先行し、敬遠している人も多いはず。今回は消費増税を乗り切るための「キャッシュレス決済」にチャレンジし、悪戦苦闘する様子をお伝えしたいと思います。

キャッシュレス決済でポイント還元。チャレンジするなら今

2019年10月1日より、「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」事業がスタートしています。これは対象となる店舗で買い物すると2%~最大5%ポイント還元が行なわれる仕組みで、期間限定で「現金よりおトク」に買い物ができるようになります。

まず断っておくと、筆者は特に電子マネー決済に興味はなく、面倒なことは大嫌い、難しいことはわからない、苦手なことは後回しという、根っからのズボラ主婦です。ただ、このニュースを聞いたときに、「早めに電子マネー決済にチャレンジしておこう」と思いました。

というのも、良い悪い、好き嫌いは別として、これから先「キャッシュレス決済が主流になる」と感じたからです。ガソリンスタンドはもちろんスーパー・コンビニ、大型衣料品店でもセルフサービスがはじまっています。人手不足の昨今、今後はセルフサービス&キャッシュレス決済が主流となり、使いこなせる人が「よりおトクに買い物できる仕組み」が世の中の流れになっていくと思ったのです。

一般的に人は年齢を重ねるごとにチャレンジするのがおっくうになるもの。だとしたら年々、面倒になる一方。その間、毛嫌いしてソンをするくらいであれば、今、四苦八苦して慣れておこうというと思い、「勉強期間だ」と思って、電子マネー決済にチャレンジしてみました。

「キャッシュレス決済」どれを使う?

ただ、ひと口に電子マネー決済といっても大きく分けて(1)クレジットカード(2)カードタイプの電子マネー(Suica,PASMO、WAONなど)(3)QRコード決済(LINE Pay、PayPayなど)の3種類があります。

メディアなどでは、(3)のQRコード決済を「キャッシュレス決済」を指すことが多いようですが、(1)のクレジットカード払い、(2)カードタイプの電子マネーでも今回のポイント還元制度の対象になります。そのため、あわててQRコード決済にチャレンジせずとも、使い慣れたクレジットカードや電子マネーで「キャッシュレス慣れ」していくというのもひとつの手段でしょう。特に電子マネーでチャージして使うタイプであれば、使いすぎが心配といったこともありません。

また、QRコード決済は、現在、複数の事業者が乱立している状態なので「そもそもどこを選べばいいのかわからない」という問題が立ちはだかります。筆者はとりあえずよく名前を耳にする「LINE Pay」と「Pay Pay」をチョイス。アプリをダウンロードして、銀行口座を登録し、一定額をチャージして使うようにしています。初期設定に必要な時間は5~10分程度。「ちょっと面倒だけど、できないほどじゃない」といった感覚です。税金や公共料金支払いもでき、自宅にいながらにして納税することも可能です。

一方、どうしてもあたふたしてしまうのがレジでの支払い時です。アプリを立ち上げ支払い画面にする、という流れにまだ慣れず、少々焦ります。さらに決済時に「クーポンは使いますか?」などと言われると、もうひと慌て。周囲から見れば、「痛いおばさん」に見えることでしょう。

いざ使ってみると失敗もいろいろ…

QRコード決済を利用するも、肝心のおトクさでいうと、今のところ「大きなおトクは実感できていない」というのが正直なところです。よく行くスーパーでは「Pay Payで支払うと10%還元」とうたっており、魅力を感じました。ただし、このキャンペーンで対象となるのは、平日の10時~14時で買い物した場合だけでした。平日は仕事をしている筆者は、その時間帯には買い物できずあえなく対象外です。

  • Pay Payの利用を促進する特典画面。割引には各種適用条件があるので、きちんと理解して購入するのがオススメ

また、QRコード決済対象となるコンビニ・ドラッグストアで買い物をしても、付与されるポイントは「7円相当」などとすずめの涙程度のもの。果たしておトクなのかまだ実感できずにいます

  • LINE Payを使ってイケアストアで買い物が終わったあとの画面

  • 右はLINE Payでの支払い利用画面。どの店舗でいくら使い、いくらポイントがついたかがわかる。利用額が低いため、つくポイントは数円~数十円程度

さらに、「はじめての利用応援!」「消費税増税前のまとめ買い応援セール」など、派手な広告の文字に目を奪われ利用するも、条件をよく理解しておらず「あれ20%OFFになってないじゃん!」ということもありました。確認してみると、ポイント還元などには各種適用条件があり、会員登録をしないとポイント還元が適用されないこともあるよう。「おトクの道は険しい」としみじみ実感しています。

ただ、わからないなりにめげずに使うと慣れていくことはたしかですし、小さな子どもがいて両手が使えないときなどは、現金決済よりラクです。先ほど例に挙げたスーパーでの10%還元キャンペーンは時間帯が限られていて利用できませんでしたが、「Pay Payで支払えば●%還元」といった還元キャンペーンは各社で行っています。

ドラッグストアやコンビニなどでおトクに買い物ができる期間もあるので、常にキャッシュレスのアンテナを張っていれば「ちりも積もれば山となる」で家計の助けになるのでは、と考え少し使い続けていこうと思っています。

まずは「失敗は成功のもと」「習うより慣れろ」の精神で、キャッシュレス決済という「令和の節約法」にアップデートしていきたいと思います。

  • 回遊舎

嘉屋恭子

フリーライター。編集プロダクションなどを経て、2007年よりフリーランスで活動。 主に住まいや暮らしに関わる分野で取材・執筆を続ける。FP技能士2級取得