2019年がアーティスト活動10周年イヤーとなる声優の伊藤かな恵。そんな彼女のアーティスト活動10年の歴史が詰まったベストアルバム『カナエルケシキ』がリリースされ、「10th Anniversary LIVE『カナエルケシキ』」の長野公演が12月28日、東京公演が12月30日に開催される。そして、ライブの2次プレオーダー受付が10月24日まで受付中。

  • 伊藤かな恵(いとうかなえ)。11月26日生まれ。長野県出身。青二プロダクション所属。主な出演は『ワンピース』キャロット役、『とある科学の超電磁砲』佐天涙子役、『ソードアート・オンライン』ユイ役、『キラッとプリ☆チャン』赤井めが姉ぇ役など

今回は10周年記念ライブの開催を記念し、ライブタイトルにもなっているベストアルバム『カナエルケシキ』についてのインタビューを敢行。ベストアルバムに収録されている新曲「あと3センチ」や自身名義で歌うキャラクターソングのRearrange Ver.のことを中心にこれまでの活動についても振り返ってもらった。

マイペースな10年でした

――2009年に1stシングル「ユメ・ミル・ココロ」をリリースしてから10年が経ちました。

経ちましたね!

――10年前を振り返っていただければと思うのですが、そもそも「アーティスト活動をしませんか」と言われた時はどんなお気持ちでしたか?

デビューのきっかけが、私が鈴川小梅役で出演していたTVアニメ『大正野球娘。』の挿入歌「パイノパイノパイ(東京節)」を歌わせていただいたことでした。そのレコーディングのときにランティスさんにお声がけいただいたんです。最初にお話をいただいたときはとにかくビックリして「え、えええええ!」という声しか出ませんでした(笑)。ただ、音楽は好きでしたし、いただいた楽曲を表現することも好きだったので、一歩を踏み出してみよう!と思って活動を始めたんです。

――アーティスト活動を始めてから転機になったと思うタイミングはありましたか?

自分の変化というのがそこまで分からないのですが、5周年のタイミングでより音楽活動へ積極的になれた気がします。5周年のときは、1年で5枚のCDを出させていただき、より深く音楽と向き合っていました。その頃からCDジャケットのコンセプトはこうやって撮りたいとか、歌詞ももっとやってみたいです、ということなどを提案させていただくようになりました。音楽とじっくり向き合ったことで、自分からも提案していこうと思えるようになった気がします。

――なるほど。そこからさらに5年が経ちました。これまでのアーティスト活動を振り返ってみての率直なお気持ちをお聞かせください。

後半5年の方があっという間に感じましたね。でも、10年前から「ここまでやる!」「ここまで頑張ったら終わり」というゴールは決めていないので、これからもゆるゆるっと活動をしていきたいなと思っています。

――マイペースな10年だった?

そうですね。「CDを出します!」となると一気に作業に追われることはありましたが、あれもして、これもして~という忙しない駆け抜け方はしてこなかったです。みんなの声に後押しされながら、ゆるゆると自分のペースでやってきた気がします。色々な人に背中を押してもらって少しずつ進んで、気が付けば10年が経っていたという感じですね。

――そんな10周年を記念したベストアルバムが発売となりました。アルバムの制作に関してはいつ頃から話が挙がっていたのでしょうか。

いつ頃だったかなぁ(笑)。作りましょうという話は……確か、2018年の10月くらいだった気がします。その時に「10周年だけど何をしていく?」という打ち合わせをしました。

――その打ち合わせでベストアルバムを出すという話になった。

そうですね! 記念すべき年なので、これまでの楽曲を収録した「ベスト」を出しましょうという話になりました。「ベスト」となると今までリリースしてきたものを最初から振り返って、どの曲を入れるかという工程もあるからか、何だか特別感がありますよね。

――アルバムのタイトルは『カナエルケシキ』。これまでリリースされたアルバムタイトルを踏襲して「ケシキ」という言葉が使われていますね。

音楽って色々な場面や景色と一緒に思い出に残る気がするんですよね。私の楽曲も色々な景色と一緒に聞いて欲しいなと思っています。だから、私の楽曲たちを持ち歩いていただいて、「あのとき見た景色とこの楽曲が一緒に残っている」というような、それぞれの思い出にしてほしいなという想いを込めて、今回も「ケシキ」という言葉を入れました。あとはベストということもあるので、自分の名前を入れたいと思ったのと、「夢を叶える」という私の名前の由来もタイトルに込めました。