嬉しいボーナス支給! でも実際の振込額をみると、思ったより少なくがっかりしたという経験はありませんか。予定していた買いたかったものが買えなかったり、貯金から持ち出しにして買わなければならなくなったという方もいるのでは。

ボーナスには税金がかかります。所得税だけでなく社会保険料も差し引かれるのです。予定が狂ったりしないように、ボーナスから差し引かれる項目とその金額を把握しておきましょう。

  • ボーナスで引かれる税金多すぎ問題

    ボーナスで引かれる税金多すぎ問題

ボーナスから引かれるものは何と何?

ボーナスから差し引かれるのは、下記の3項目です。毎月の給与とほぼ同じ項目ですが、給与と違うのは住民税は差し引かれない点です。

1、社会保険料
  厚生年金保険料
  健康保険料(40歳以上は+介護保険料)
2、雇用保険料
3、所得税

社会保険と雇用保険の保険料の考え方

では、それぞれどの程度ボーナスから差し引かれるのでしょうか。

■厚生年金保険料
厚生年金は一律18.30%です。労使折半で負担しますので、労働者の負担は半分の9.15%となります。支給されたボーナスの額面から1,000円未満を切り捨てた金額に乗じて算出します。仮に支給額が484,500円とすると<484,000×9.15%=44,286円>となります。

■健康保険料
保険料は会社が加入している健康保険の団体によって異なります。団体は協会けんぽ(全国健康保険協会管掌)と組合健保(組合管掌健康保険)があり、協会けんぽの場合は都道府県によっても料率が異なります。協会けんぽの東京都の場合は9.90%で労働者はその半分の4.95%を負担します。

また組合健保は単独の企業または同業種で複数の企業が共同して設立する健康保険組合で、原則その組合独自の制度ですので、詳細は会社の健康保険等の窓口にお問い合わせください。

■介護保険料
40歳から64歳までの方は介護保険第2号被保険者となり、健康保険料のほかに介護保険料を負担します。料率は全国一律1.73%で労働者負担はその半分の0.865%の負担です。

厚生年金や健康保険の保険料は上限設定がされています。厚生年金、健康保険等の負担率の詳細は過去レポート「年収別、社会保険料を発表!」を参照ください。

■雇用保険
2019年度の雇用保険の料率は0.3%。労働者が負担します。

ボーナスに対する所得税の計算は?

ボーナスからも所得税は源泉徴収されます。所得税の計算は給与と異なり、手順は次の通りです。

(前月の給与-社会保険料等)<1>
  ↓
賞与に対する源泉徴収税額表で<1>の金額に対する税率を確認する<2>
  ↓
(賞与-社会保険料等)×<2>の税率

具体的に見てみましょう。社会保険料等を差し引いた前月の給与が245,000円とします。その金額に対する賞与の源泉徴収税額は扶養家族がない場合は6.126%です。社会保険料等を差し引いた賞与が550,000円とすると、賞与に対する所得税額は<550,000円×6.126%=33,693円>となります。

下記の表を参考に、扶養家族等を考慮して、毎年支給されるおおよその賞与額と月々の給与額からボーナスの所得税額を推測してみてください。

ボーナスの賢い生かし方

ボーナスは額が大きいので、差し引かれる所得税や社会保険料も高額になり、損失感が大きいと感じるかもしれません。ボーナスにも所定の保険料や所得税が差し引かれることを想定して予定を組みましょう。

また、12月には年末調整で今までの給与やボーナスを合わせて、改めて税金が計算しなおされます。年間の収入に比較して、所得税が多く源泉徴収されていればその分12月に調整されます。徴収分が少なければ、その分より多く徴収されます。そのことも合わせて考える必要があります。

しかし、そもそもボーナスは臨時収入です。月々の収入で―年間に必要な支出をすべて賄うのが基本です。旅行や家電製品の買い替えといった大口消費にボーナスを当てるケースも多いとは思いますが、本来生活に必要なものは、月々の給与を貯めておいて充当すべきものです。臨時収入はあくまで臨時ですので、予期せぬ事態に備えるために貯蓄しておくというのが、本来の考え方ではないでしょうか。

年俸制の方は、年俸額を12等分して毎月支払われる場合と、ボーナス月により多く支給される場合があるかと思います。世間一般的な月収を想定して、ボーナス相当分はより多く貯蓄に回す工夫をしてみてください。

最近は転職も一般的になりました。転職先の会社にボーナスがあるとは限りませんし、額がダウンするケースもあるでしょう。先々のリスクを少なくするためには、生活を広げ過ぎず、ボーナスへの依存度を少なくすることが大切です。

金融広報中央委員会による「家計と金融に関する世論調査」平成30年度のデータによるとボーナスなどの臨時収入に対する貯蓄率は、30代・40代では20%前後となっており、いくらか少ない気がします。教育資金を準備しなければならない年代で、住宅取得がまだであれば、その資金も必要です。まだ若く力のある間に、より多く蓄えておくことが大切です。

筆者プロフィール: 佐藤章子(さとうあきこ)

一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。