『ウルトラマン』シリーズで知られる円谷プロダクションが、年末に放つ大規模イベント「TSUBURAYA CONVENTION」をはじめとする各種最新展開の特別説明会が9月26日に行われ、プログラムの1つである「ULTRAMAN MUJIC LIVE~The Symphony~」に出演するアーティストがゲストとして登壇した。

  • 上段左から、杉山亮司、YUICHIRO、宇原雄飛、TAKA、比嘉涼樹、KEISEI(以上、DEEP SQUAD)、Maana、下段左から、初代ウルトラマン、藤巻亮太、森友嵐土(T-BOLAN)、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンタイガ

2019年12月14、15日の2日間、東京ドームシティにて開催される「TSUBURAYA CONVENTION」(略称:ツブコン)とは、1966年に放送された空想特撮シリーズ『ウルトラQ』および『ウルトラマン』から2019年の現在、好評放送中の『ウルトラマンタイガ』まで、半世紀以上にわたって高い人気を維持し続けている「ウルトラマン」シリーズを筆頭に、円谷プロ製作の映像作品を愛してくれる世界じゅうのファンがぞんぶんに楽しむことのできる、円谷プロ史上最大のイベントである。

  • 円谷プロ代表取締役社長兼COO・永竹正幸氏(左)と、同代表取締役会長兼CEO・塚越隆行氏(右)

円谷プロ代表取締役会長兼CEOの塚越隆行氏は、1963年に円谷プロを創設し、数々の特撮映画で手腕をふるった偉大なる「特技監督」でもある円谷英二氏の言葉を用いて、円谷プロの基本理念を改めてメディア関係者に説明。多くの円谷プロ作品群が持つ魅力を、これまで以上に幅広い年齢層に広めたいという考えのもと、さまざまな新企画を展開してきた活動の経緯を述べると同時に、その路線を来年(2020年)にはより大きな形で実行していきたいという構想の一部を語った。

塚越氏の後を受け、円谷プロ代表取締役社長兼COOの永竹正幸氏より、円谷プロの最新展開についての説明が行われた。

まず、9月27日よりNHKEテレで17:20より放送開始される『かいじゅうステップ ワンダバダ』が紹介された。この作品は幼児向けに可愛くディフォルメされたウルトラ怪獣たちが、子どもたちにとってのさまざまな「はじめての体験」にチャレンジしていくという内容で、子どもだけでなく家族全員で楽しむことのできるアニメーション作品となっている。

そしてオンライン配信向けの完全オリジナル特撮シリーズ『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』が9月29日より、YouTubeのウルトラマン公式チャンネルにて配信開始される。この作品には、マレーシアで生まれた「ウルトラマンリブット」も登場するということで、SNS上でも大いに話題を集めた。本作は当初から世界規模のファン層を強く意識しており、通常の日本語バージョン以外にも「英語吹替版」が作られるほか、英語・中国語の字幕テロップも準備されているという。

今年9月に上演された『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』は、ウルトラマンベリアルやカミーラといった、ウルトラマンシリーズでヒーローたちを苦しめた"ダークヒーロー"たちをメインにした舞台。従来のウルトラマンによるライブアクションショーではなく、生身の俳優が演じるウルトラマンの舞台として大評判となった本作の「第2弾」の上演が早くも決定した。それが12月5日より上演される『DARKNESS HEELS~THE LIVE~SHINKA』である。前回の舞台のストーリーをさらに"深化"させた『SHINKA』では、全キャストが登場するメインストーリーに加えて、5人のダークヒーローたちそれぞれに焦点を当てた、5つのサイドストーリーが日替わりで描かれるという。

最後に、2021年公開予定の映画『シン・ウルトラマン』について。先日、追加キャストも発表されて大きな話題を集めた本作の撮影が本格的に始動したことが明かされると同時に、主演を務める斎藤巧と樋口真嗣監督が12月14日、ツブコンのオープニングセレモニーにスペシャルゲストとして登場することが発表された。オープニングセレモニーでは『シン・ウルトラマン』についての新たな情報が公開されるとのこと。

新規コンテンツの展開と並行して、円谷プロの初期作品を今一度徹底検証・分析していく温故知新のプロジェクト『ULTRAMAN ARCHIVES』では、これまで4回にわたって上映&トークイベントを開催してきた『ウルトラQ』から、いよいよ『ウルトラマン』へと移行。11月16日には、人気キャラクターのバルタン星人が登場する『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」の上映&トークイベントをTOHOシネマズ上野にて行うことが決まっている。

さらに、すべてのシーンの撮影を35㎜フィルムで行った『ウルトラQ』全28話を最新の4KHDR技術によって「史上最高画質」としてよみがえらせた『ULTRAMAN ARCHIVES ウルトラQ UHD & MovieNEX』が、2019年11月20日に発売される。この商品には4K UHDとBlu-rayという2種類のDISCで視聴できるほか、ストリーミング配信でいつでもどこでも『ウルトラQ』の世界を楽しむことのできる「TSUBURAYA MovieNEX」なるサービスが付属している。

また、ウルトラ怪獣の魅力をより多くの人々に伝えるプロジェクトの一環として、『空想科学絵本 かいじゅうのすみか』が現在発売中である。ひとりの少年がアンバランスゾーンの入り口「ポータル」を通って、個性的な巨大怪獣たちが暮らしている異世界に迷い込むというファンタジックなストーリーと、実写特撮映像のイメージを尊重したウルトラ怪獣たちのリアルな存在感がとてもユニークであり、子どもたちに「怪獣」の世界がいっそう身近に感じられる絵本となりえている。

この『かいじゅうのすみか』の世界を実際に体験できる「体幹エンターテイメント 空想科学かいじゅうのすみか」が、東京ドームシティGallery AaMoにて2019年11月7日~2020年1月26日まで開催されることも発表された。

これら、ウルトラ怪獣の魅力をアピールするべくYouTubeウルトラマン公式チャンネルにて、1986年にテレビ東京系で放送されたミニ番組『ウルトラ怪獣大百科』が「毎日」配信されている。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までに登場した実写特撮で描かれる怪獣たちを日替わりで紹介する本作は、俳優・声優の青野武による解説ナレーションとともに、怪獣の出現理由、攻撃技、ウルトラヒーローとの戦いのもようなどをスピーディかつ的確に切り取っていて、当時の子どもたちを興奮させた番組であり、いくつかの回をまとめて再編集したビデオソフト『ウルトラビッグファイト』も大評判となった。今回、テレビの放映順ではなくランダムに配信されているのも注目ポイントである。

続いて、ツブコン内のプログラムの1つ「ULTRAMAN MUJIC LIVE~The Symphony~」の発表会が行われた。豪華ゲストと東京フィルハーモニー交響楽団が、ウルトラマンシリーズを飾った数々の名曲を奏でるという、ウルトラマンファン必聴のシンフォニーコンサートである「MUJIC LIVE」は2部構成となっており、第1部は『ウルトラセブン』(1967年)や『帰ってきたウルトラマン』(1971年)『ウルトラマンA』(1972年)『ウルトラマンレオ』(1974年)『ウルトラマン80』(1980年)をはじめ、多くの作品で素晴らしい音楽を創造した「ウルトラ音楽の父」こと冬木透氏が作曲した「交響曲ULTRA COSMO」を上演する。今回は特別に、『ウルトラQ』で脚本家デビューを果たし、『ウルトラマン』『快獣ブースカ』『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』『帰ってきたウルトラマン』などで視聴者の心に残るドラマチックなストーリーを多く生み出した上原正三氏による書下ろしナレーションを、『ウルトラQ』『ウルトラマン』でナレーターを務めた俳優の石坂浩二氏が読むという、ファンにとってはたまらない趣向が盛り込まれるという。

第2部では、オーケストラの演奏をバックに、ゲストボーカリストがこれまでにない新しいアレンジで「平成ウルトラマンシリーズ」「ニュージェネレーションシリーズ」の人気楽曲を中心にお届けする、迫力のライブとなるもよう。出演アーティストは藤巻亮太、DEEP SQUAD、Maana、森本嵐土(T-BORAN)、May J.という面々である。

発表会には、都合で欠席となったMay J.を除くゲストアーティストが集まって、ウルトラマンへの思いや「ULTRAMAN MUJIC LIVE~The Symphony~」への意気込みを語った。藤巻亮太は「子どものころ、怪獣と戦うウルトラマンを観て、正義や勇気、あきらめない気持ちを幼いなりに学びました。このたび、ウルトラマンの歌を歌わせていただくことで、子どもたちにメッセージを発信していけたらと思います」と、自身がウルトラマンから教えられた本質的な"正義感"を、次世代の子どもたちに伝えたいと語って目を輝かせた。

6人のコーラスグループ「DEEP SQUAD」は「僕たちにとって、いちばん身近なヒーローはEXILEのHIROさんです。HIROさんの背中を見ながらいっそうがんばっていきたいです。僕たちも音楽を通して、正義や愛などの思いを伝えていけるよう、当日は一生懸命歌います!」と、静かにファイトを燃やしながらコメントした。

Maanaは「もうがんばるぞ!という気持ちです。今回のお仕事にあたってウルトラマンの映画をたくさん観てみましたが、『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010年)を観ていたら、高校時代の同級生・小柳友くんが主演していてビックリしたと同時に、ウルトラとのご縁を感じました(笑) これからもシュワッ!とがんばります!」と、まぶしい笑顔を見せながらウルトラマンへの思いを語った。

数々のヒット曲を生み出した伝説のグループ「T-BOLAN」のメンバーで、ソロミュージシャンとしても活躍している森友嵐士は「数年前にあるボーカリストの大先輩からいただいた『音楽は、誰かのための何かなんだよ』という言葉が今も強く印象に残っています。僕も50を過ぎましたが、T-BOLANも復活して全国ツアーを行っています。これからも、誰かのための何かにつながるような行動をして、多くの人々へ発信していきたいです」と抱負を語り「僕はオーケストラをバックに歌うのが、今回初めての経験。シンフォニーの中に包まれた自分がどういう感覚になるのか、そして自分の声がどのように反応するのか、とても楽しみです!」と、自身の初の"挑戦"に強い意欲を燃やした。

マスコミ向けのフォトセッションに入る直前、初代ウルトラマン、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンタイガがさっそうとかけつけ、勇ましいファイティングポーズをとった。突然のウルトラヒーローとの遭遇に、登壇ゲストの面々も驚きつつ、テンション高めで各ウルトラマンと同じポーズをとり、和やかな雰囲気で写真撮影が進んだ。

『ウルトラマン』(1966年)で活躍した初代ウルトラマン。M78星雲・光の国からやってきた。

『ウルトラマンダイナ』(1997年)スーパーGUTSのアスカ隊員が変身した光の巨人。

現在テレビ放送中『ウルトラマンタイガ』(2019年)。ウルトラマンタロウの息子である。

『TSUBURAYA CONVENTION 2019』は2019年12月14、15日の2日間、東京ドームシティにて開催される。チケット一般販売は9月26日~12月15日まで。詳細は公式サイトを参照していただきたい。

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