8月29日、ニューヨーク・ブロードウェイ発祥のディスカウントチケットストア「TKTS(ティーケーティーエス)」の旗艦店「TKTS 渋谷」が、東京・渋谷ヒカリエ1階にオープンした。オープン当日には記念セレモニーも実施。俳優の小手伸也さん、成河(ソンハ)さんらがゲストとして登壇し、トークショーやチケット購入のデモンストレーションなどが行われた。

  • ニューヨークのチケットストア「tkts」が日本上陸!

演劇の“ジャケ買い”ができる!?

「TKTS」は、当日公演のチケットを公式に割引して販売を行うディスカウントチケットストア。1973年にニューヨーク・タイムズスクエアにオープンし、現在では、リンカーンセンターやサウスストリートシーポートにも店舗を展開。ブロードウェイやオフブロードウェイのミュージカル、演劇の公演チケットを当日・翌日分限定で割引販売している。多い日には1日に7,000枚のチケットが売れるそうで、ブロードウェイ観劇のインフラとして根付いているサービスだ。

日本版TKTSでは、ミュージカルや演劇の他に、日本の伝統芸能である能や歌舞伎、小規模劇団の演劇から音楽ライブ、スポーツや展覧会まで、幅広いジャンルのチケットを当日・翌日分のみ割引価格(一部定価あり)で販売するとのこと。

  • 「TKTS 渋谷」のオープン記念セレモニーには、(左から)俳優の小手伸也さんと成河さんがゲストで登場

オープンセレモニーには、俳優の小手伸也さんと成河さんがゲストで登場した。ともにアメリカのTKTSでチケットを購入したことがあるという2人。自身で劇団を主宰している小手さんは「TKTSのコンセプトを主催者側から見てどうか」との問いに、「作り手として、どのようにチケットを買ってもらうか常々考えている。試行錯誤する中で、お客様がチケットと出会う場所が生まれたことに期待したい」とコメント。

  • ドラマや映画に出演し、自ら劇団も主宰している小手さん

成河さんは「TKTSが盛り上がり、劇場にそれまでとは全く違ったお客様が来れば、作り手にとっても刺激になる。この仕組みを使って、何も知らない人に演劇の“ジャケ買い”をしてもらいたい」と期待を込めた。

  • 成河さんはニューヨークで実際にTKTSを利用したこともあるという

セレモニーでは、成河さんがチケット購入のデモンストレーションを行う場面も。どのようなチケットを扱っているかはTKTS公式サイトからも確認できるが、現在、チケットを購入できるのは店舗のみとなっている。ウェブでの予約や取り置きは行っておらず、支払いは各種クレジットカードもしくは電子アプリのみで、現金の取り扱いはないとのこと。店舗には専門のコンシェルジュが常駐しており、観劇初心者でも自分に合ったエンタテインメントを見つけることができる。

  • コンシェルジュにオススメの公演を尋ねる成河さん

成河さんはこの日、コンシェルジュに勧められた『ウエスト・サイド・ストーリー』来日公演(IHIステージアラウンド東京にて上演中)を購入することに。定価1万5,000円のチケットを、当日19時の公演分なら20%OFFの1万2,000円で購入できるとの説明を受け、クレジットカードで決済。割引率は公演により20〜50%で設定されるという。

「TKTS 渋谷」の営業時間は14:00~19:00で、年中無休。9月5日には大阪・難波の南海ターミナルビル1階に「TKTS なんば」のオープンも予定している。

  • TKTS世界1号店を模して、車を改装した店舗を設置

日本版「TKTS」は、エンタテインメント産業の振興を目指し、芸術団体のサポートを行う「ロングランプランニング」が、ニューヨークで「TKTS」を運営する「Theatre Development Fund」から公認されたもの。また、現在ロングランプランニングにて運営している「Tickets Today(チケッツトゥデイ)」は8月29日以降、順次「TKTS」へ変更するとのこと。

同社はこれをきっかけに、「興味はあったけど、なかなか行くきっかけがなかった」「演劇と聞くと少しハードルを感じる」といった方々にもさまざまなエンタテインメントを気軽に楽しんでもらえるよう、新しい出会いを創出していき、新たな文化として根付くことを目指すとしている。