タカシ(左端 / 超特急)を筆頭に「New day! New wave!」を歌いながら行進するEBiDANメンバー。

8月28、29日に千葉・幕張メッセ 国際展示場9・10ホールでEBiDANのライブイベント「EBiDAN THE LIVE 2019~Summer Party~」が行われた。

「EBiDAN THE LIVE」は、EBiDANに所属するアーティストが一堂に会してライブパフォーマンスを披露する年に1度のビッグイベント。2012年3月の初開催から8年目を数える今年の公演は、過去最も大きな会場である幕張メッセを舞台に行われ、両日合わせて約2万人のファンを動員した。2日間にわたり実施された公演のうち、この記事では1日目のライブの模様をレポートする。

本公演のスタート前には、10ホール内の特設ステージで「CHALLENGE STAGE~壁の向こうへ~」というバトル企画が行われた。これはメインステージにオープニングアクトとして出演できる権利を獲得すべく、EBiDANの次世代ユニットや研究生がパフォーマンスでしのぎを削るもの。1日目の「CHALLENGE STAGE」ではEBiDANの全国の研究生を対象としたプロジェクト・BATTLE BOYSメンバーが6つのエリア対抗で競い合い、BATTLE BOYS OSAKAが勝利を手にした。OSAKAメンバーは「大阪が来たぞ!」と喜びをあらわにしながらメインステージに飛び出し、オープニングアクトとして「Gera・Gera」をフルパワーで歌い踊る。そしてOSAKAの歌のあとにはBATTLE BOYS 4th STAGEの全国選抜メンバーの発表が行われ、咲太朗、笹原遼雅、弓木大和、紀田直哉、小原滉平の5人が選抜入りしたことが明らかに。5人は新曲「Next Zone」を歌って活動の第一歩を踏み出し、弓木は「皆様応援よろしくお願いします!」とめいっぱい叫んだ。

今年の「EBiDAN THE LIVE」は「EBiDAN 夏の祭典!」というコンセプトのもと、舞台セットやステージ演出が作り上げられた。夢を追う6名のキッズがステージ上に散らばった星のかけらを拾い上げると、荘厳なコロシアムを思わせるセットが組まれた舞台上にはフラッグや金管楽器を手にした研究生メンバー37名が登場し、ファンファーレを高らかに鳴らす。“バトルの幕開け”を告げるこの合図と共に、センターステージから左右に長く伸びる花道の両サイドからはメインアクトの原因は自分にある。、ONE N' ONLY、さくらしめじ、SUPER★DRAGON、M!LK、PRIZMAX、DISH//、超特急がシンボルフラッグを手に続々と姿を見せ、華やかな入場行進を披露した。彼らは会場中の大歓声を受け止めながらメインステージに並び、“星火台”に火を灯して1曲目へ。森崎ウィン(PRIZMAX)の「『EBiDAN THE LIVE 2019』、新曲持ってきました。楽しんでいきましょう!」という言葉からスタートしたのは、今回のライブのために用意された全体曲「New day! New wave!」。スケール感のあるサウンドに乗せ新時代の幕開けを告げるこの曲でリードボーカルを取ったタカシ(超特急)は8組総勢48名の先陣を切って花道を歩き、突き抜けるような歌声をホールいっぱいに響かせた。

長野凌大(原因は自分にある。)、NAOYA(ONE N' ONLY)、高田彪我(さくらしめじ)、古川毅(SUPER★DRAGON)、佐野勇斗(M!LK)、清水大樹(PRIZMAX)、矢部昌暉(DISH//)、リョウガ(超特急)と、各グループの代表メンバーが“黄金のマイク”に手を伸ばし火花を散らすVTRからスタートしたのは「BATTLE ROUND」というセクション。ここでは5組が2曲ずつをノンストップで披露し、それぞれの個性を凝縮した文字通りの熱い競演を繰り広げた。先陣を切ったSUPER★DRAGONはリリースされたばかりの3rdアルバム「3rd Identity」収録の最新曲2曲で勝負をかける。アーバンなムード漂う「Don’t Let Me Down」で肩の力の抜けたボーカルとキレ味鋭いダンスの緩急を見せたのち、野性味あふれるロックナンバー「Strike Up The Band」では毅が「エビライ盛り上がっていきましょう!」とオーディエンスを鼓舞。9人が円形になり、360°に訴えかける力強いステージを見せた。続くさくらしめじはギターの弾き語りで新曲(タイトル未定)を歌い上げ、優しい音色とクリアな歌声で聴衆を引き付ける。「先に言うね」では2人の立つ円形ステージがリフトアップして回転し、田中雅功と彪我は時折笑って顔を見合わせつつ、晴れやかで芯の通った歌声を観客に届けていた。

さくらしめじが醸成した温かなムードを塗り替えるように、サイレンの音と共に現れたのはONE N' ONLY。彼らは1曲目に最新ナンバー「Category」を用意し、HAYATOのヤンチャなラップで斬り込んでいく。アグレッシブなパフォーマンスで会場を一気にパーティ空間に変えた彼らは続く「Dark Knight」で花道をダッシュ。サビでは両手を広げて客席に鋭い視線を投げる“バットダンス”を見せ、ダークヒーロー的な存在感を存分に発揮していた。ONE N' ONLYからバトンを受け取ったのは「EBiDAN THE LIVE」初登場となる新ユニットの原因は自分にある。で、彼らはデビュー曲「原因は自分にある。」を1万人のファンにお披露目する。楽曲は言葉遊びに満ちたシニカルな日本語詞が疾走するピアノロックで、メンバーの7人は大人びた雰囲気を漂わせながらこの曲をクールに歌い踊る。曲を終えるなり、凌大は「僕たちは原因は自分にある。です!」と力強く自己紹介。先輩グループとはまた違った新たな個性を提示し、7人は鮮烈なエビライデビューを飾ってみせた。そして「BATTLE ROUND」のアンカーを務めたのは、7人の現体制では「EBiDAN THE LIVE」初登場となったPRIZMAX。以前までのイメージを一新した、7人のPRIZMAXを象徴する楽曲「DANCE」をドロップした彼らは、白とシルバーで統一した衣装でダイナミックな群舞を見せる。EBiDAN最年長の自由人・福本有希の肉体美アピールなど彼ららしいフリーダムな一面も見せつつ、「DADADADADADA」ではメンバーに担ぎ上げられたメインボーカルのウィンがパワフルな歌声を聞かせ、進化し続けるEBiDAN最年長グループの存在感を示していた。

5組がしのぎを削った「BATTLE ROUND」を終えると、「EBiDAN THE LIVE」の名物企画である「SHUFFLE STAGE」のコーナーへ。1日目に登場したのはSUPER★DRAGONならぬコンビニ★ドラゴンと超特急ならぬ萌特急の2組で、会場中のファンは大歓声を上げながらシャッフル発表のVTRを見つめた。コンビニ★ドラゴンによる「Monster!」ではジャン海渡役のカイ(超特急)が得意とするラップのスキルを存分に発揮。田中洸希役の板垣瑞生(M!LK)も、持ち前の声量を生かしたパワフルなラップでM!LKで見せる表情とは違った一面を覗かせる。ボーカルを担った古川毅役の森英寿(PRIZMAX)と池田彪馬役の彪我も確かなボーカルワークで曲を歌い上げ、彪我が「刹那のKiss」と歌ってウィンクを決めた場面では客席のあちこちから歓声が飛んだ。萌特急が披露したのは超特急のライブ定番曲「Kiss Me Baby」で、観客は定番コールの名前をシャッフルメンバーに言い換える適応力の高さを見せながら6人のパフォーマンスを盛り上げた。この曲のセンター・ユーキの役を担ったのはHAYATO。HAYATOは以前ユーキが超特急の楽曲の振り付けを担当した際にユーキの右腕として制作に携わった経験があり、2人の間柄を知るEBiDANファンは胸を張って萌特急のセンターに立つHAYATOの姿を熱い眼差しで見つめる。またシャッフル発表でひときわ大きな声が上がったタクヤ役の橘柊生(DISH//)は大サビでカメラに抜かれると不適な笑みを浮かべて存在感をアピールし、盟友の役をしっかりと務め上げていた。

「FINAL JUMP」と銘打たれたライブ後半戦にはDISH//、M!LK、超特急の3組が登場し、経験に裏打ちされたライブスキルを発揮するパフォーマンスを披露していった。「僕たちがやりました」でライブをスタートさせたDISH//はエッジ―かつタイトなバンドアンサンブルでEBiDAN唯一のロックバンドとしてのアイデンティティをパワフルに主張。そしてアッパーなキラーチューン「東京VIBRATION」を続け、柊生の「ペンライトでもなんでもいいから回していきましょうや!」という煽りと共に狂騒的な盛り上がりを作り上げていく。最新曲「NOT FLUNKY」のダンスで楽しげなムードが広がると、北村匠海は「後半戦まだまだいけんだろ? あとに控えてるグループ、そいつらにも届ける気持ちで声出していきましょう!」と観客をリードした。匠海の「EBiDAN-!!」という絶叫と共に届けられた彼らのラストナンバーは「愛の導火線」。イントロのギターリフで大歓声が上がったこの曲でメンバーはステージのあちこちに散らばり、歓声を受け止める。大サビでは柊生の呼びかけのもと、会場中のファンが大きくジャンプ。4曲の熱演で見事に会場を1つにした4人は「このあとも楽しんでいってね!」と呼びかけてステージをあとにした。

2018年の「EBiDAN THE LIVE」で7人体制での再スタートを切ったM!LKは、この日のステージが“7人体制1周年”のメモリアルな機会となった。メンバーは7月まで行われていた「カラーチェンジ企画」を経て決まった新たなメンバーカラーを取り入れた衣装でファンの前へ。1年前にも披露した「テルネロファイター」を1曲目に選ぶと、勇斗は「皆さん一緒に!」と言ってさっそくファンを巻き込んでいく。パフォーマンス初披露となったエキゾチックなアッパーチューン「MAGIC CARPET」では曽野舜太が見せ場で放った投げキッスで歓声を一身に集めた。「ストラクチャルブラック」という新たなメンバーカラーをまとった瑞生はMCで自身の色に触れ「この色は“全部の色”って意味なんで、ここにいる皆さん、全員俺推しです!」と力強い言葉で客席を沸かせる。またリーダーの吉田仁人は、来春に過去最大規模のライブハウスツアーを実施することをファンに報告した。最新シングル曲「かすかに、君だった。」をさわやかに歌い届けたのち、彼らは最後に「SAY YEAH」を披露。スタンドマイクを使って無邪気に暴れ回る、これまでのM!LKのイメージを一新するようなロックナンバーで「変幻自在」を標榜するM!LKの魅力をEBiDANファンに提示し、トリの超特急へとバトンをつないだ。

メインアクト8組のトリを担った超特急は、「Booster」から始まる全6曲のメドレーを用意。ライブのキラーチューンばかりを並べた怒涛の“ブチ上げセトリ”で歓喜の熱狂を巻き起こした。「We Can Do It!」ではユーキがタクヤのボディラインをなで下ろしたりと、5人それぞれがセクシーに振り切ったパフォーマンスで悲鳴のような歓声をさらう。カイが「声出していくよ!」、リョウガが「タオルの準備お願いします!」と呼びかけた「浮つきWAVES」では、花道をリレーして駆けるメンバーの動きに合わせて会場中のファンが見事なウェーブを形作った。タクヤとユースケが毎回アドリブの動きで楽しませる「SAY NO」のワンシーンでは、タクヤが「M!LKです!」「プリズ(PRIZMAX)です!」と言いながらそれぞれのポーズやダンスをコピーし、ユーキも「げんじぶ(原因は自分にある。)です! さくらしめじです!」と後輩グループの名前を叫ぶ。タカシの「EBiDAN声上げろ!」という絶叫からなだれ込んだ「超えてアバンチュール」でも、リョウガが「ワシの出番じゃ」と、以前EBiDANのバラエティ番組で自身が演じていた“ガリガリ様”を降臨させたりと、メンバーはホームグラウンドならではの熱くアットホームな雰囲気を最大限まで楽しみ抜いてみせる。EBiDANのすべてを巻き込み、らしさ満点のパフォーマンスに昇華した超特急のステージに、客席には高揚感に満ちた笑顔の輪が広がった。

最後に再びすべての出演者がステージ上にそろうと、進行を担ったリョウガは「こんな大きな会場でエビライができるのも、応援してくれる皆さんのおかげです」と感謝の思いを伝えた。全体曲4曲をつないだにぎやかなメドレーでライブはフィナーレを迎え、EBiDANメンバーは舞台上の隅々まで大きく広がって楽しそうに歌声を重ねた。そして、1組ずつステージを去っていく中最後に残ったのは超特急のユーキとタカシ。ユーキが「風邪ひくんじゃねえぞ!」とファンに呼びかけるとタカシはとっさに「それな!」と反応。2人の砕けたやりとりに笑い声が響く中、1日目の公演は幕を閉じた。

「EBiDAN THE LIVE 2019~Summer Party~」2019年8月28日 幕張メッセ 国際展示場9・10ホール セットリスト

オープニングアクト

01. Gera・Gera / BATTLE BOYS OSAKA
02. NEXT ZONE / BATTLE BOYS 4th STAGE全国選抜

BATTLE ROUND

01. New day! New wave! / 全員
02. Don't Let Me Down / SUPER★DRAGON
03. Strike Up The Band / SUPER★DRAGON
04. 新曲(タイトル未定)/ さくらしめじ
05. 先に言うね/ さくらしめじ
06. Category / ONE N' ONLY
07. Dark Knight / ONE N' ONLY
08. 原因は自分にある。/ 原因は自分にある。
09. Burn Burn Bomb / 原因は自分にある。
10. DANCE / PRIZMAX
11. DADADADADADA / PRIZMAX

SHUFFLE STAGE

12. Monster! / コンビニ★ドラゴン
13. Kiss Me Baby / 萌特急

FINAL JUMP

DISH//

14. 僕たちがやりました
15. 東京VIBRATION
16. NOT FLUNKY
17. 愛の導火線

M!LK

18. テルネロファイター
19. ゲンキデスカ?
20. MAGIC CARPET
21. かすかに、君だった。
22. SAY YEAH

超特急

23. Booster
24. We Can Do It!
25. Drive on week
26. 浮つきWAVES
27. SAY NO
28. 超えてアバンチュール

全員

29. 恋のDing Dong
30. Summer Party
31. Believe Yourself
32. 恋心-コイゴコロ-

シャッフルユニットメンバー

コンビニ★ドラゴン

REI(ONE N' ONLY) / 志村玲於役
森英寿(PRIZMAX) / 古川毅役
カイ(超特急) / ジャン海渡役
NAOYA(ONE N' ONLY) / 飯島颯役
清水大樹(PRIZMAX) / 伊藤壮吾役
板垣瑞生(M!LK) / 田中洸希役
高田彪我(さくらしめじ) / 池田彪馬役
曽野舜太(M!LK) / 松村和哉役
杢代和人(原因は自分にある。) / 柴崎楽役

萌特急

小泉光咲(原因は自分にある。) / カイ役
ジャン海渡(SUPER★DRAGON) / リョウガ役
橘柊生(DISH//) / タクヤ役
HAYATO(ONE N' ONLY) / ユーキ役
山中柔太朗(M!LK) / ユースケ役
EIKU(ONE N' ONLY) / タカシ役

※高田彪我の高ははしごだかが正式表記。