木村拓哉が主演を務める10月期のTBS日曜劇場『グランメゾン東京』(毎週日曜21:00~)がこのほど、フランス・パリでクランクインした。
木村が令和最初に出演するドラマで挑戦するのは、型破りなフランス料理のシェフ・尾花夏樹。料理に人生をかけ、パリに自分の店を持ち、二つ星を獲得する。しかし、己の慢心から招いた重大事件によってその座を追われ、店も仲間もすべて失ってしまった男だ。どん底まで転落した尾花が鈴木京香演じる女性シェフ・早見倫子と出会い、もう一度シェフとして生き直し、周囲と衝突しながらも世界最高の三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げようと奮闘する姿が描かれていく。
このたび、本作がフランス・パリでクランクイン。クランクインの場所となったのが、世界最高峰の味を誇り、パリで最も予約が取れないことでも有名な超高級三つ星レストラン「ランブロワジー」だ。世界最高峰のレストランが軒を連ねる激戦区・パリの中でも、ミシュランに三つ星の評価を受ける店はわずか9店舗。中でもこの「ランブロワジー」は、その三つ星を20年以上獲得し続けている。
「ランブロワジー」にテレビドラマのカメラが入ったのは、なんと『グランメゾン東京』が世界初。日本のドラマ史上初の快挙とも言えるこの撮影は、ミシュランガイドの全面協力により実現した。そしてもちろん、撮影交渉の際にこのドラマが目指すものについて熱く語ったスタッフの熱意と、それを聞き入れた「ランブロワジー」のシェフ、ベルナール・パコー氏の心意気も大きい。パコー氏によると、今回の撮影を許可したのは、スタッフの話を直接聞いて「(彼らは)信頼できるし、料理に対して真っ直ぐだ」と納得したことが大きかったという。
また、木村も「ランブロワジー」での撮影が、自身にとっても作品にとっても貴重な体験だったと語る。中でも、「ランブロワジー」で花形である肉の部門シェフを務める日本人男性・吉冨力良氏との出会いは印象深かったという。弱冠23歳で単身フランスに渡り、現在は世界最高峰の三つ星レストランで腕を磨く吉冨氏の生き様や料理に対する姿勢に感銘を受け、撮影の合間にも進んで厨房に立ち、料理の演技に関して手ほどきを受けるほか、料理に関するあらゆる知識の指導も受けた。
さらに木村は撮影初日、塚原あゆ子監督に、ファーストシーンでいまパリで流行している“あるモノ”を使って登場するアイデアを提案。木村の本作にかける並々ならぬ想いが感じられる。果たして木村演じる尾花はどんなモノを使って現れるのか?
今回パリで撮影されたのは、尾花がパリに自分の店を持ち二つ星を獲得していた頃のシーンと、重大事件によってその座を追われ、店も仲間もすべて失いどん底まで転落した尾花が、倫子と出会うシーン。さらに、かつて尾花と二人三脚でパリの店を二つ星レストランにした支配人・京野陸太郎を演じる沢村一樹も、パリで撮影を行った。彼に経営を任せていたはずの尾花がなぜ店を失うことになったのか、その秘密が明らかになる重要なシーンとなっている。
木村は「今回のストーリー上、どうしても必要なシチュエーションということでパリにお邪魔しているのですが、環境に本当に恵まれています。連続ドラマの1シチュエーションにここまで時間と費用を割いてモノを作るって本当に久しぶりで、『GOOD LUCK!!』(2003年)以来の感覚だなと思っています。『ランブロワジー』という三つ星レストランを貸し切りにしてロケをさせていただいて・・・。こんなにいいことばかりクランクインから立て続けに起こると、この先悪いことばかりなんじゃないかと嫌な予感がするんですけど(笑)、本当にいい条件ばかりに恵まれています」とコメント。
クランクインの際、演出を急きょ加えたことについて、「現地に来てみて飛び込んでくる情報や、風景だったり生活習慣だったり、そういうものに気づかされることがいっぱいあります。それで監督やスタッフに相談したら『おもしろいね』となりました」と説明した。
そして、「たくさんのサポートを受けたうえでの撮影なので、時間を大切にして、その時できる一瞬一瞬を切り取っていけたらなと思います」と言い、「パリにいる間、京香さんや沢村さんや監督と、グランメゾンをいかに構築していくかってことを毎晩のように煮詰めることができました。グランメゾンが出来上がっていくさまをみなさんにお届けしますが、レストランは単純に料理だけあれば良いのではなくて、人と人とが繋がってできるものだと思うんです。そういった過程を僕自身も楽しみにしています。絶対、面白いものにします! なので、食べてください!!」と呼びかけている。
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