東京急行電鉄、JR東日本、ジェイアール東日本企画は21日、国内外観光客が鉄道・バス・AIオンデマンド乗合交通・レンタサイクルなどの交通機関をスマートフォンで検索・予約・決済し、目的地までシームレスに移動できる2次交通統合型サービス「観光型MaaS」の伊豆エリアにおける実証実験「Phase2」の実施について発表した。
今年4~6月に伊豆エリアで実施した「Phase1」では、静岡デスティネーションキャンペーンの好影響もあり、専用MaaSアプリケーション「Izuko」の認知が拡大。当初は6カ月間の目標値であった2万ダウンロードを5月27日(実証実験開始後57日目)に達成するなど、好調に推移した。
一方、サービス内容や利用可能エリア、操作性などに関して、利用者ニーズに応えきれない面もあり、利用者やサービス提供施設に負荷をかけてしまうなど、多くの課題も浮き彫りとなった。「Phase1」での課題を解決し、利用者だけでなく交通事業者をはじめとする地域住民へより貢献できるサービスを検討した結果、「Phase2」では改善項目として、「デジタルフリーパス、デジタルパスのサービス内容拡充」「経路検索の機能拡充」「観光施設の運用負荷を軽減」を実施するとのこと。
実施期間に関して、「Phase2」は当初、2019年の9月1日から11月30日までの予定だったが、開発工程に時間を要することに加え、伊豆の多客期に合わせることでより多くの人に利用してもらえると考え、2019年12月1日から2020年3月10日までに変更した。
おもな改善項目である「デジタルフリーパス、デジタルパスのサービス内容拡充」では、新たにJR伊東線(熱海~伊東間)の区間や熱海市内のバス乗り放題チケットなどを追加した4つの新商品を含め、デジタルフリーパスを6種類(「Phase1」では2種類)に拡大。観光施設入場券などとして利用できるデジタルパスは、熱海の「アカオハーブ&ローズガーデン」や下田ロープウェイなど5施設を加えた12種類(「Phase1」では7種類)に拡大する。
その他、「Phase1」から下田市街で運行しているオンデマンド交通も「Phase2」でデジタルパスに対応し、停留所を11カ所増設。全27カ所で運用する。
「経路検索の機能拡充」では、鉄道・バスに加えて飛行機・船舶での経路検索も可能となる。「観光施設の運用負荷を軽減」では、デジタルパスを利用すると「使用済み」表記にする機能やリアルタイム集計を導入することで、不正防止や施設の精算作業支援などにつながり、運用負担が軽減するという。