――当初、トワとバンバ兄弟とコウ、メルト、アスナはまったくの別行動でしたが、演じるみなさんは最初からすんなり仲間として打ち解けていたそうですね。

僕は年齢がいちばん下で、入ったときは不安があったんですけれど、すぐにみんな仲良くしてくださってうれしかったです。

――製作発表会見で小原さんが話していた「敬語禁止令」というのも、みんなと打ち解ける良いきっかけになったのではないですか。

僕は、年齢が上の人も下の人でも敬語で話すようにしていて、それがもう基本になってしまっているんです。『リュウソウジャー』の現場に入ったときも同じようにしていたら、スタッフさんが「敬語はやめようよ」って言ってくださったんです。1年間いっしょにいる仲間だから、堅苦しくならないように、という意味で、早く打ち解けるため敬語を使うのが禁止になったんですね。でも、僕の中で「~~くん」と呼ぶのも敬語なのかな、と思っていて、綱(啓永)くんになにか話しかけてみてよ、と言われたとき「綱!」って呼び捨てにしてしまい、みんなから「ええええ!?」って驚かれたんですよね。そこは「綱くん」でいいんだよって(笑)。

――急にざっくばらんな話し方をすると戸惑ってしまうくらい、ふだんの言葉の使い方が丁寧で落ち着いているということなんでしょうね。年上の方たちから小原さんが「しっかりしている」と評価される理由がそういったところにあると思います。そんな小原さんから見た仲間たちの中で、役柄ともっとも性格が離れていると感じる方はどなたですか?

コウ役の一ノ瀬(颯)くんですね。ふだんの一ノ瀬くんは何事に対しても慎重で、とてもマジメで、事前にいろいろなことを考えてきてくれる人。でもコウは、その場で判断して、すぐ行動!みたいなキャラクターですから、いちばんギャップがあると思います。その分、最初のころはコウの演じ方でかなり苦戦されていたんですけれど、すぐに役をつかまれて、自分のものにされていますね。

――仲間同士、ニックネームで呼び合ったりすることはありますか?

事前にみんなの呼び方を決めよう、と話しましたね。岸田さんは以前から「タツ兄(にい)」と呼ばれることが多いそうなので、自然とタツ兄になりましたし、一ノ瀬くんについては、僕は「ハヤちゃん」と呼んでいます。そうしたら綱くんが「おれもケイちゃんって呼んで」ってリクエストされて(笑)。尾碕さんはずっと尾碕さんのまま呼んでいたんですが「カタい!」と言われたので、最近では「イッちゃん」という呼び名が定着してきました。ニックネームで呼ぶとみんなとの距離が縮まるというか、やっぱり話しやすくなりますよね。

――リュウソウジャーは騎士という設定ですから、剣を使った立ち回りをみなさん華麗にこなしているのが大きな特徴となりました。小原さんは毎回のアクションシーンについて、日々練習などされているのでしょうか。ダイナミックなアクション演出を得意とする坂本浩一監督の回では、激しい動きをみなさんこなしていますが、アクションについてはどうお考えですか。

アクション練習は、撮影開始前に一回だけしか体験していないんです。基本的な"転がり"とか、剣をふるう動きなどをやっただけで。坂本浩一監督の第7、8話では、現場に行ったらスーツアクターさんがいらっしゃって、その場でその日に撮るアクションの数々を教えてくれたんです。ドルン兵がこう突いてくるから、さっとかわしてリュウソウチェンジ!とか、一連の動きをその場で教わって、その場でやってみせるという感じでした。僕としても、やはり"騎士"ですから、剣を持ったからにはカッコよさを見せたいので、激しいアクションは大歓迎でした。しかし、複雑な立ち回りを覚えて、その場でやってみせるのはとても難しくて……。自分で動いてみて、改めてスーツアクターのみなさんのすごさを実感しました。これが"プロ"だなと思いました。

――坂本監督の第7、8話以降、みなさんの変身前アクションが増えていっている印象ですね。

確かに、素面のアクションシーンが多くなってきていると思います。岸田さんなんて、トランポリンを使った"バク宙"を披露していました。僕も、テーブルや椅子をピョンピョン飛び越えるなど、今までやったことのないアクションをどんどんやらせていただいて、とても楽しいですね。仲間の中で、トワがいちばん動き回って、あちこち飛び回るキャラなので、今後も素面のアクションを教わりながら、表現していきたいと思っています。

――このように成長いちじるしい小原さんの姿が観られる映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』での、トワの注目ポイントを挙げてみてください。

クライマックスのシーンで、トワがふだん見せない"感情"を表すところです。レッドがワケあって離れてしまい、リュウソウジャーがブルー、ピンク、ブラック、グリーンの4人で行動することになるのですが、そこで弱気になった仲間にトワが"喝"を入れるんです。ここは上堀内(佳寿也)監督から「トワ、理性をなくせ!」と言われたくらい、感情をむき出しにしたというか、テレビのときでは絶対に出したことのない、トワの"激しさ"をぶつけられたんじゃないかと思っています。「僕の発したセリフが仲間の心を動かすんだ!」という気構えで撮影に臨みました。ここはぜひ、ご注目していただきたいです。映画は内容が盛りだくさんで、台本を読んだとき「これだけの要素が詰まって、上映時間30分なのか!?」とびっくりしました。すごく感動できるストーリーですし、ぜひみなさんでご覧になってほしいです。

――映画の公開と共に、テレビシリーズの展開も盛り上がってきました。トワとして、今後小原さんはどんなことをやってみたいですか?

新戦士のリュウソウゴールド/カナロ(演:兵頭功海)という強いキャラクターも出てきましたし、トワとしては負けられないぞ!という思いがありますね。これまでトワは兄さんを信頼して、兄弟の強い絆でドルイドンと戦ってきましたが、兄弟の間に"ひずみ"が入ったらどうなるのか……みたいなストーリーがあれば、より2人の関係性が深まるような気がします。また、最年少のトワがみんなをまとめたり、1人でもこういうことができるぞ! といった部分を見せたり、トワがもっともっと成長していく姿をお見せできればうれしいです。そういったお話を作っていただけるよう、僕もトワを懸命に演じていきたいと思います!

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映 AG・東映