――弟さんや妹さんがいらっしゃると、今回のリュウソウゴールドはお兄さんなんだ、ときっと喜ばれますね。

2歳下の弟、9歳下の妹、12歳下の弟がいるんですけれど、いま小学生の末っ子にはぜひ観てもらいたいと思っています。

――カナロの衣装を初めて身に着けたときのご感想はいかがでしたか?

海のリュウソウ族の末裔で、王子っぽさをも感じさせる高貴なデザインで気に入っています。最初に衣装合わせがあったのですが、部屋の中に僕が立っていて、まわりに関係者の方たちが何十人も集まって、カナロの衣装はここをこうしたほうがいい、とかいろいろ話し合いながら決めていく様子を見ていたとき、こんなにたくさんの人たちが一生懸命になって、ひとつのキャラクターを作り上げていくんだなと感じました。そこで、自分がいま関わっている作品の"大きさ"に気づき、自分もみなさんの期待に応えられるように頑張らないといけないな、という責任感がわきました。

――カナロの設定でユニークなのは"婚活"にいそしんでいるというところですね。若い女性を見ると積極的にアタックするものの、なかなか上手くいかない姿は、軽さよりも真剣さ、生真面目さが際立っている印象です。

海のリュウソウ族の子孫を途絶えさせないように、という重い使命を背負っていますからね。だから「婚活」という言葉でまとめてしまうのはどうかと思うんですけれど、実際にテレビでカナロの気持ちをわかってもらえればいいかなと。カナロは自分がやらなければならないことは、どんな困難なことでも全力でやろうとする男。周りがどんな風に思っても、人から笑われても、目的のため一直線になれるというのは、僕としても憧れる存在です。

やっぱり、どこか周りを気にする部分ってあると思うんですよ。100人の人がいて、1人で突き進もうとしているのに、99人にダメだと言われたら自信を失くしますよね。でも、カナロはおそらく、99人に否定されても気にせず、1人で行くことのできる男なんです。最初、台本を読んだときには「婚活」とか「女性を口説く」というワードでちょっと困惑しましたけれど、読めば読むほど、カナロの何に対しても"真っすぐ"な姿勢はカッコいいぞと。もしかしたら、自分の根っこにある部分なのかもしれないと腑に落ちたとき、こういう役を演じられるのがうれしいという気持ちと、観ている人にカナロのいいところを伝えていかなくては、と感じました。

――第14話から登場して以来、あっという間に強烈な存在感を発揮しているカナロですが、兵頭さんがリュウソウジャーの仲間入りをする際、打ち解けられたと実感したのはいつごろになりますか?

撮影初日ですね。もともと僕は人見知りをしないタイプでしたし、リュウソウジャーの5人がとても気さくで、ウェルカムな空気を作ってくれたので、すんなりと仲間に入れてもらった感じです。劇場版の撮影のとき、ホテルの大浴場にみんなで入って、上がってから(一ノ瀬)颯の部屋でダンスの練習をして……みたいな。それ以来、テレビの撮影のときでもみんなでご飯を食べに行ったりするのが自然になり、6人全員で行くときもあれば、2人だけ、3人だけで行くこともあったり、すごく違和感なく仲間同士になっているかな、と思います。

――初めてリュウソウゴールドにリュウソウチェンジしたときは、どんな気持ちになりましたか。

それはもう、たまらなかったです。興奮が止まらないというか……。カナロは5人とポーズが違っていて、モサチェンジャー(銃)にリュウソウルを入れて変身するんです。変身のときに鳴る音楽も違いますし、特別感がありますよね。リュウソウゴールドのマスクを初めて見たときも感激しました。もう一目見て、惚れこんでしまいました。

――ヒーローならではといえる、アクション、立ち回りのシーンを経験されてのご感想をお願いします。

たとえば敵にパンチを入れるときでは、単純に右手で相手を殴るだけではなく、左手の反動の大きさであったり、殴る際の表情であったり、身体全体を使って表現することが大事なんだと教わりました。カメラがどの位置にあるかを意識して、殴った瞬間に自分の顔をこう見せようとか、アクションも「演技」の1つなんだというのを教えられました。僕はみんなより遅れてスタートしているわけですから、早くアクションについてもいろいろなことを学んで、追いつけるように頑張っていきたいです。

――カナロが溺愛している妹・オトを演じている田牧そらさんの印象はいかがですか?

もうカナロと同じく、可愛くてしょうがないですね。オトは123歳という設定ですけれど、そらちゃんは12歳で、僕の妹と同じ年齢なんです。だからあの年頃の女の子の気持ちがなんとなくわかります(笑)。現場では、ほんとうに妹みたいに思って接しています。

――カナロとして、今後やってみたいことなんてありますか?

海のリュウソウ族ですから、海を泳ぐシーンがあればやってみたいですね。3歳から小学6年生まで水泳をやってきたこともあって、泳ぎには自信があります! また、これからの展開では、メンバーひとりひとりとカナロがしっかりと関係を築くエピソードを期待しています。みなさんこれからも、リュウソウゴールド/カナロをよろしくお願いします!

劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)2019 テレビ朝日・東映 AG・東映