日本自動車工業会(JAMA)は10月に開催する「第46回東京モーターショー2019」の概要を発表した。最新モデルやコンセプトカーの展示がメインだった従来の自動車ショーから、大きく変貌を遂げる今回の東京モーターショー。その見どころをお届けしたい。
開催エリアを拡大、イベント内容が充実
今さらいうまでもないが、東京モーターショーは日本を代表するクルマの祭典だ。開催頻度は2年に1度で、今回の会期は2019年10月24日~11月4日の計12日間となる。一般公開は10月25日からだ。
今回の東京モーターショーは「OPEN FUTURE」をコンセプトとする。具体的には、自動車・二輪メーカーのほか、「東京オートサロン」「キッザニア」「CEATEC」など、さまざまな団体・イベントと連携し、業界の垣根を超えたモーターショーとして生まれ変わるという。
会場はお台場全域に広がり、東京ビッグサイトがある有明エリアに青海エリアが加わることになった。また、東京モーターショー初となる無料エリアを展開するとともに、高校生以下の入場無料化、2Dayパスや通期パスの導入など、より多くのユーザーの来場を促す施策を実施する。
3つの無料エリア、その内容とは
注目の無料エリアは「DRIVE PARK」「OPEN ROAD」「FUTURE EXPO」の3つだ。
有明エリアの「DRIVE PARK」では、最新のクルマとバイクに試乗できるほか、東京オートサロンの出展車両や自動車レースを走る競技車両などを見ることができる。JAMA会員以外のイベントや団体とコラボすることにより、コアファン向けのコンテンツを拡充させている印象だ。また、クルマとバイク以外の試みとして、国内初となる国際航空連盟(FAI)公認予定のドローンレースを開催し、迫力の新感覚モビリティレースをどこよりも早く体感できる場にするとのことだった。
「OPEN ROAD」は有明と青海の両エリアを結ぶ1.5kmの通路であるとともに、近未来を感じられるスポットにもなる。ここでは1人乗りの小型モビリティ(電動キックスケーターなど)に乗り、2つのエリアを行き来することができる。これらのモビリティは通常、一般道では走行できないものばかりだ。未来の移動を体感したいなら、この機会を逃す手はないだろう。
「MEGA WEB」(青海駅からすぐの施設)で展開する「FUTURE EXPO」は、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会、経済産業省(予定)、NEDO(予定)などとの共催となる。ここでは「近未来の1日」を体感できるそうだ。来場者は未来の日本に入国し、移動や都市生活、スポーツ観戦や地域観光を通じて、生活に密着した5年後の未来を順を追って体験していける。そんな仕組みを計画中とのことだった。
「FUTURE EXPO」内のステージでは「e-Motorsports」をフィーチャーする。具体的には、「FIA グランツーリスモチャンピオンシップ」で活躍する世界のトップランカーたちが集結する世界大会や、都道府県対抗U18全日本選手権などを開催。近年、耳にする機会が増えている「e-sports」を取り上げる考えだ。
最後に長田氏は、「これまでは四輪や二輪業界に限って東京モーターショーを開催してきましたが、やはり、自動車のショーだけでは集客や話題性が維持できないと思っています」と強調。業界のモデルチェンジに向け、東京モーターショーにも変革が必要との考えを示した。
東京モーターショー2019のチケットは8月1日にオンラインで発売となる。前売入場券は1,800円、当日入場券は2,000円だ。なお、9月26日には開催内容のさらなる詳細を発表する予定とのことなので、続報を楽しみに待とう。