7月11日、第78期順位戦B級1組3回戦の全6局が東西の将棋会館で行われました。

東西の若きタイトルホルダーが激突

タイトルホルダー同士の一戦を制した斎藤王座

タイトルホルダー同士の一戦となった永瀬拓矢叡王―斎藤慎太郎王座戦は相居飛車の力戦形へと進み、後手の斎藤王座が飛、角、銀を使い軽快に永瀬陣へと攻め込みました。しかし、デビュー当時は相手の攻めの芽をすべて摘み取ってゆくような「受けつぶし」の棋風で鳴らした永瀬叡王は、自玉の急所に飛、角が直射する状態ながら巧みに受けて局面の均衡を保ち、斎藤の攻め、永瀬の受けという展開が長く続きました。斎藤王座の連撃が続くさなか、一瞬永瀬叡王に攻防手のチャンスがありましたが、これを逸して手堅く受けた手を境に形勢が斎藤王座に傾き、以降は斎藤王座が素早い寄せを見せて勝負を決めました。斎藤王座はこれで2勝0敗。一方永瀬叡王はまさかの3連敗となりました。

今期は斎藤王座のほか、菅井竜也七段、千田翔太七段が全勝と、A級未経験の関西若手勢(※千田七段は元・関西所属)が上位を形成する流れ。前期A級から陥落した順位1位、2位の深浦康市九段、阿久津主税八段と、A級5期の屋敷伸之九段が2勝1敗で続いています。

11日の同リーグ全結果、および今期これまでの成績は以下の通りです。

B級1組 11日の対局結果 ※左が先手

  • 深浦康市九段○―●郷田真隆九段
  • 阿久津主税八段○―●屋敷伸之九段
  • 永瀬拓矢叡王●―○斎藤慎太郎王座
  • 松尾歩八段●―○千田翔太七段
  • 菅井竜也七段○―●行方尚史八段
  • 谷川浩司九段○―●畠山鎮七段

※山崎隆之八段は抜け番

B級1組成績 ※3回戦まで、カッコ内は今期順位

  • 3勝0敗

菅井竜也七段(9) 千田翔太七段(13)

  • 2勝0敗

斎藤慎太郎王座(3)

  • 2勝1敗

深浦康市九段(1) 阿久津主税八段(2) 屋敷伸之九段(5)

  • 1勝1敗

山崎隆之八段(6) 松尾歩八段(10)

  • 1勝2敗

谷川浩司九段(7) 郷田真隆九段(8)

  • 0勝3敗

行方尚史八段(4) 畠山鎮七段(11) 永瀬拓矢叡王(12)