国土交通省は9日、なにわ筋線「北梅田~JR難波・南海新今宮」の鉄道事業許可について発表した。事業期間は2019~2031年度、開業時期は2031年春(予定)とされ、北梅田(仮称)~JR難波・新今宮間で中間駅3駅を整備。事業は約3,300億円とのこと。
なにわ筋線は大阪駅北側に整備される北梅田(仮称)駅から、大阪市内を南北に走る道路「なにわ筋」の地下を通り、難波・新今宮付近までを結ぶ新路線として構想された。現在、JR西日本が新大阪~北梅田(仮称)間で東海道本線の支線(貨物線)を地下化する工事を進めており、これとつなげることで新大阪および大阪都心部から大阪南部地域、さらには関西国際空港へのアクセス強化を図るとしている。
今回、国土交通大臣はなにわ筋線の鉄道事業の許可申請について、鉄道事業法第3条の規定にもとづき、7月10日付で申請の通り許可。同日に近畿運輸局長から申請者(関西高速鉄道、JR西日本、南海電気鉄道)へ許可状を交付するとのこと。申請した3社のうち、関西高速鉄道は整備主体として鉄道施設を建設し保有する第三種鉄道事業者、JR西日本と南海電気鉄道は営業主体として旅客事業等を行う第二種鉄道事業者となる。
なにわ筋線の整備区間となる北梅田(仮称)~JR難波・新今宮間では、中之島(仮称)駅、西本町(仮称)駅、新難波(仮称)駅の中間駅3駅を整備する。事業費は約3,300億円、事業手法は地下高速鉄道整備事業、事業期間は2019~2031年度、開業時期は2031年春(予定)とされた。建設キロは約7.2kmで、内訳は北梅田(仮称)駅から西本町(仮称)駅付近までのJR・南海共同営業区間が2.7km、JR難波駅までのJR営業区間が1.2km、新難波(仮称)駅を経て新今宮駅までの南海営業区間が3.3kmとなっている。
難波・中之島・梅田といった大阪都心部を南北に縦貫する都市鉄道としてなにわ筋線を整備し、JR西日本・南海電鉄の鉄道路線とも接続。「関西国際空港と大阪都心(梅田)の直結」「新大阪と大阪南部地域とのアクセス性の改善」「大阪の南北都市軸の強化(中之島、うめきた等の拠点性向上)」「大阪北部地域と大阪南部地域の相互交流の促進」などによる近畿圏の社会経済発展への貢献が事業目的に挙げられている。