BPO放送倫理検証委員会は5日、日本テレビ系バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(毎週日曜19:58~)に対し、放送倫理違反があったとする決定を発表した。

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日本テレビ本社=東京・汐留

同委員会では、17年2月に放送された「タイのカリフラワー祭り」と18年5月に放送された「ラオスの橋祭り」にでっち上げの疑いがあると週刊誌が報じたことを受け、この2つの「祭り企画」を対象に今年1月から審議を続けてきた。

その結果、「“祭り”は番組のために用意されたものであったが、制作スタッフはその過程を把握していなかった」「視聴者の“了解”の範囲を見誤り、地元に根差した“祭り”への体当たり挑戦だとナレーションで思わせた」「挑戦の舞台である“祭り”そのものへの関心が希薄化したため安易なナレーションを生んだ」と分析。

そして、制作過程の重要な部分を制作者側が把握していなかった点で、その過程が適正に保たれておらず、現地にもともとある祭りに出演者が参加しているように視聴者を誘導した点で、多くの視聴者が番組に求める約束に反したものだったと言われても仕方がないとして、2つの「祭り企画」には、「程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ない」と判断した。

その上で、「世の中の権威や無意味な制約を笑いとばし、差別や偏見のばかばかしさを暴き、新たな驚きや笑いを視聴者に届けるしなやかさや気概を持ち続けてほしい」とバラエティ制作者へのエールも送っている。

日テレは、この決定に対し、「本日のBPОの意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組制作にいかしてまいります」とコメントしている。