――今回は“モテ系女子”というキャラクターでもありますが、役づくりはいかがですか?

自分に足りないなと思っているものをこの役に詰めようと思っています(笑)。普段したくても恥ずかしくてできないしぐさなど、“モテを意識する”ということをやっていくつもりです。自分が女であることとか、異性がいるということに対して意識するという行為が、自分自身は恥ずかしいので(笑)

――また、亡き夫が10のウソをついていたという設定です。

ウソはいやですね。台本を読んでいても、ずっと「嫌だなあ」と思っていました(笑)。私は、普段の生活で一度信用したら裏切られても受け入れようと思うようにしているんです。それも含めて信用、愛情だから。それは異性とか関係なく、仕事でもそうなんです。傷つくことって誰でもあるじゃないですか。例えば、すごい親友だと思っていた女の子が、彼氏ができたことを教えてくれなかったとか、小さいことも含めて。だから、許して受け入れるほうが幸せだし、私が演じる茜自身も、最終的にそうなって幸せになってほしいなと思いますね。

――岡本さんご自身もウソはつかないほうですか?

つけないですね。優しいウソはいいですけど、自分を良くするためのウソは無駄な労力だなと思っちゃいます。

■未経験なことも怖がらずに

――“女の戦い”の相手である小池栄子さん、りょうさんとは、いずれも今回が初共演ですね。

本当に目標とするべき女性像のお2人ですよね。かっこいいですし、生き方が全身から見えるような素晴らしい女性です。私が20歳のとき、小池さんが出演された映画のお芝居が大好きで、それをバラエティ番組でご一緒させてもらったときに、本当にただのファンとして伝えさせてもらったんです。そしたら、私が当時出ていたドラマも見て知ってくださっていて、そのときの小池さんの雰囲気が本当に素敵で、「これがお芝居に出るんだ」「こんな女性と共演できる人になりたいな」って、マネージャーさんにも言っていたくらいなんです。今年の春に公演していた舞台を小池さんがご覧になって、「いつか共演できるのを楽しみにしてます」と声をかけてくださっていたので、こんなにすぐのタイミングでご一緒できることになって、背筋が伸びます(笑)

りょうさんの作品もずっと見ていたので、まさか共演できるなんて思わなかったです。だから、先輩2人の胸を借りるつもりで…という思いも本音ではありますが、「甘えずにいきます」という気持ちで臨みたいと思います。それくらいの勢いでいかないと、このお芝居バトルは乗り越えられないし、自分の今持っているポテンシャル以上のものを出さないと飲み込まれるなと思っているので。だから、今は本当に眠れない毎日ですが、分からないことや未経験なことも怖がらずにやっていけたらと思います。

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――では、最後にあらためて今作の見どころをお願いします。

いやぁ、たくさんありますね(笑)。シングルマザーというカテゴライズされたものだけじゃない、いろんな女の生き様が描かれるので、女性は見て楽しいと思います。台本を見ているだけで「これはどう演じよう」と思う楽しいシーンがいっぱいあるので、思わずニヤけてしまうほどです。それに、ミステリー要素もあるので、もちろん男性の方も楽しんでもらえたらと思います。

●岡本 玲
1991年生まれ、和歌山県出身。03年に雑誌『nicola』の専属モデルオーディションでグランプリを受賞し、芸能界入り。『フリーター、家を買う。』(フジテレビ)、『わろてんか』(NHK)、舞台『熱帯樹』などに出演し、19年7月期のドラマ『わたし旦那をシェアしてた』(読売テレビ)に出演する。