EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、GENERATIONS from EXILE TRIBE……など、多くのダンス&ボーカルグループを生み出している、エンタテインメント企業のLDHが、新たなプロジェクト「LDH wedding」で話題を呼んでいる。アパレルや飲食、エンタテインメントスクールなど様々な事業を展開するだけに、ウエディング事業はどうなっていくのか、興味津々。今回は、LDH wedding担当の鈴木裕之氏に話を伺った。

  • LDH wedding担当の鈴木裕之氏

    LDH wedding担当の鈴木裕之氏

■ひとつの企画から始まった

――今回、「LDH wedding」を立ち上げたのには、どのような経緯があったんですか?

2017年1月1日に、LDHでファンクラブ会員向けに「あなたの夢を叶えます」という企画を行いました。全部で10万通ほどの応募があったのですが、ウエディング関連の希望も数千通ほどあり、その中から1組選ばせていただき、「結婚式をプロデュースする」企画を行うことになりました。新郎新婦のご要望を伺いながら企画を考えて行ったのですが、当日は非常に盛り上がり、このサービスをもっと広く提供できたら、という話になりました。

  • 夢企画の様子

  • 新郎はATSUSHIの大ファンだったという

――LDHさんが元々持ってるノウハウを、ウエディングにも生かすという発想だったのでしょうか?

エンタテインメントの会社ですから、ウエディングにも通ずるだろうという思いはありました。新郎新婦にとっては一生に1回、人生において1番のメインイベントになる、幸せな空間ですから、LDHの真骨頂である「エンタテインメントで人を喜ばせる」と合致するところです。具体的には、ウエディングのテーマを「ライブ」と位置付け、ライブの高揚感や盛り上がりを、どう表現していくか、考えています。

また、我々はグループ全体として「いかに、ファンの方々に喜んでいただけるか」ということを考えておりますので、結婚式プロデュースも究極のファンサービスという意味合いが強く、ファンの方がご結婚された際に、恩返しの形としてプロデュースさせていただけたら、という思いが込められています。

  • 打ち合わせのサロンでは、ライブ映像が流れる大きなディスプレイがお出迎え。この時はなんと『HiGH&LOW THE LIVE』が流れていた。

  • EXILE TETSUYAプロデュース・AMAZING COFFEEのウエディングブレンドや、EXILE USAプロデュース・オリジナルテキーラ“HAPPiLA”も。

――どういう演出が好評となっているんですか?

やはり、新郎様がアーティストのライブ衣装を着て登場できるというのは、ファンの皆様には喜んで頂けるのではないかと思います。他にも、ライブのようにフラッグを振って、列席者の皆様が新郎新婦をお出迎えしたり、2011年のEXILEのライブでシンボルとなった「願いの塔」をモチーフに制作したウエディングケーキが登場したり。

このケーキは、最初は普通の生ケーキで作っていたのですが、どうしても表現できなかったので、これは1からちゃんとしたもの作ろうと言って、今は3メートルほどある「願いの塔」が登場しています。音楽に合わせて映像やLEDライトが変わって、ライブ感ある演出が実現できました。

――これはやばいですね。

新郎新婦が中座をしている際に、所属アーティストによるダンスレクチャー映像が流れて、列席者の皆様にダンスの振り付けをレクチャーする企画も行いました。新郎新婦再入場の際に会場全体で踊ったのは、非常に盛り上がりました。EXPG STUDIOというエンタテインメントスクールの生徒さんがウェイターに扮して、列席者の皆様と一緒にダンスを踊り会場を盛り上げられるところも、喜んでいただけるポイントだと思います。

  • 会場のひとつであるクラシカ表参道は大人で荘厳な雰囲気。様々なロケにも使われている。

結婚式のオープニング映像も、LDHのイベント映像を実際に手掛けているスタッフが制作していて、通常のウエディングとは、また違った雰囲気になると思います。

――LDHさんのライブ映像では、よく地球が出るらしいと聞いていたんですが、このOPも地球から始まる壮大な感じで。

「結婚式は新郎新婦がアーティスト」というコンセプトでディスカッションする中で生まれてきたので、ライブのワクワク感は表現していきたいと思っています。

  • ステージ衣装や、”ONE+ONLY”ORIGINAL COLLECTIONが並べられているクローゼット

  • 細かい意匠もじっくり見ることができる。

――最近は『HiGH&LOW』や『PRINCE OF LEGEND』など、アーティストだけでなくLDHさんのコンテンツが好きな人たちも多いと思うのですが、そういう作品のイメージで結婚式を行うこともできるんでしょうか?

回を重ねるごとに進化していくので、そういう企画も今後は生まれていくのではないかと思います。毎回課題は見えますし、社内のアイディアもどんどんでてくるので、形にしていければと思います。

――たとえばケーキ入刀で『HiGH&LOW』の曲を流したり、何か世界観を演出したりとか…。

それはもちろん可能です! ダンスの演出などでも、世界観を近づけることは相談できるのではないかと思います。

――ファンには嬉しいですね。現在、こちらではフォトウエディングも行われているとか。

結婚式の会場がどうしても首都圏になってしまうので、東京近郊以外の方々の声を聞いて、スタッフで話し合った結果、ライブ衣装を着て、写真を撮るプランなら、地方にお住まいの方でも、チャペルでの撮影や、LDHが運営している飲食店やアパレルショップ、EXPG STUDIOで写真を撮ることができます。また、撮影後に本社を見学できる特典も非常に喜んでもらっています。式を挙げられていない方はもちろん、結婚式が終わった方で、「もう1回、写真だけを撮ろう」ということもできます。

  • 人気だというTAKAHIROの衣装。持ってみると重さがよくわかる。

  • ライブ衣装の他にも、TV番組の出演で着用した衣装も

  • LDHアーティストのステージ衣装を手掛ける小川哲史による、”ONE+ONLY”ORIGINAL COLLECTIONの白タキシード

――やはり、実際の衣装を着られるのがすごいですね。写真だけでも撮ることができたら、思い出になりそうです。

先日は、GENERATIONS from EXILE TRIBEのファンの方が、イメージカラーとなっている黄色のドレスを身につけられ、ご家族も黄色のアイテムを取り入れて、中目黒で撮影を行いました。

桜がきれいな時期で多くの人の中、LDHアーティストのファンの方も非常に多かったので、気づいて祝福して頂けたりもしました。「ファンの方がファンの方を祝福する」という形を作っていけたら、プラスの空間が生まれるのではと思っています。より一層ファンの皆様に喜んでいただけるように、今後も様々な取り組みを行っていきたいと思います。