塩分を摂りすぎてしまうと、高血圧などの生活習慣病へのリスクが高まるといわれています。健康のためにも減塩は大切ですが、美容やダイエットとも関係があります。味付けの濃い料理は食が進んだり、お酒を飲まれる方は、お酒の量も多くなりがちです。また、塩分を控えると、女性に多いむくみの予防につながりますが、おいしくない、なかなか続かないという声も多く聞かれます。外食や総菜の利用が多い場合、味付けの濃いものに慣れてしまいますから、自宅で作る食事も味付けが濃くなりがちです。今回は、おいしく減塩できる方法と自宅で取り入れやすい減塩レシピをご紹介しましょう。

  • ダイエットを成功させる簡単レシピ - 野菜たっぷり肉巻きで減塩!

塩分が多い食事はダイエットの敵にも

日本人は、塩分の摂取量が多いといわれています。健康な成人が目標とする食塩の摂取量は、男性が8g未満、女性が7g未満です。しかし、日本人が好んで食べる和食は、醤油、味噌、漬物などをよく使用しますし、揚げ物に使う調味料であるソース、麺類のスープなどにも塩分が多く含まれています。そのため、実際は目標量よりも約2g程度多く食塩を取っていると考えられています。約2gの食塩量というと、濃口醤油小さじ2杯、食塩小さじ1/3杯程度です。調味量の使用する量を、いつもより少し減らして調整する、麺類の汁は飲まない、料理に卓上調味料を足すことをやめるなど工夫することで、2g程度の減塩につながります。

減塩はダイエットにもつながる

減塩は、続けることで薄味に慣れていきます。濃い味付けに慣れてしまうと、濃いものでないと満足できなくなっています。味が濃いとご飯もすすみますから、食べ過ぎにもつながります。まずは、薄い味付けに慣れることを目指しましょう。

薄い味付けにしたいけど、「飽きてしまう」「おいしくない」と思ってしまう方が多いのですが、そのような方には、まず食材選びの工夫をおすすめします。ちくわ、かまぼこなどの練り製品、ハム、ベーコンなどの加工食品、スナック菓子などは、多くの食塩が含まれています。また、カレー、シチューなどのレトルト食品も塩分が多い食品です。例えば、ハム3枚で約2g、カレー1食で約3g程度の塩分を含みます。これらの食材をどのくらいの頻度で食べているかなど食生活を見直し、量や回数を減らすことで減塩につながります。

また、塩鮭、干物などの加工品も多く塩分を含みます。生のお魚を利用し、焼き魚にするときは、自分で塩を振って調理するほうが塩分を抑えられます。

減塩とダイエットにおすすめのレシピ

野菜や果物は、カリウムを多く含みます。カリウムはナトリウムの排泄を促す働きがありますから、食事を取るときは、野菜や果物を一緒に食べるようにするのがおすすめです。味噌汁やスープなどを食べるときも、なるべく野菜をたくさん入れて具沢山にし、飲む汁の量を減らして、塩分量を控えてみましょう。今回は、メイン料理にも使えるとあって食卓に取り入れやすい野菜肉巻きレシピをご紹介します。

メイン料理におすすめ! 長芋肉巻き
<材料> 2人分
長芋       5㎝
スライスチーズ  2枚
大葉       3枚
豚もも肉薄切り  6枚
塩        少々
こしょう     少々
オリーブ油    大さじ1
ぽん酢      大さじ1

<作り方>
1:長芋は、5cm長さで細く長方形に切る。長芋の大きさに合わせてチーズを3等分に切り、大葉は半分に切っておく。豚肉は塩こしょうをしておく。 2:豚肉に大葉をしき、長芋、チーズをのせて巻く。 3:フライパンで油を熱し、2を焼き、火が通ったら皿に盛り付け、ぽん酢をかけてできあがり。

<ポイント>
チーズをプラスすることでコクが出て、香味野菜の大葉も加えることで、塩分を抑えておいしく食べられます。最後にぽん酢をかけ、調味料の味を感じやすくすることで満足感がアップします。できたて熱々の状態で食べるほうが、塩分が少なくても食べやすいのでおすすめです。

長芋はカリウムも豊富な食材です。生でも食べられますから、肉に火を通すだけの時短料理としても効果的。野菜を巻くことでボリュームも出ますから、アスパラや人参など他の野菜に変えてアレンジしてもおかずとして使いやすいレシピです。

すべての料理を塩分控えめにすると、物足りなく感じてしまいがちです。一品は好きな味付けにし、他の料理は減塩にするなど献立の中でメリハリをつけながら、おいしく、続けられる減塩の習慣を身につけていきましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など