豊島将之王位(名人・棋聖)への挑戦権を争う第60期王位戦挑戦者決定リーグが佳境を迎えています。星取表は画像の通りです。

  • 第60期王位戦挑戦者決定リーグ

木村九段悲願の初タイトル、羽生九段通算100期へのアタックも十分

同リーグは12人が紅組、白組各6人に分かれての総当り戦。紅白の優勝者同士が挑戦者決定戦を行います。リーグ内で4勝1敗者が複数(※最大3人)出た場合はプレーオフで、3勝2敗者が複数(※最大4人)が出た場合はプレーオフは行わず直接対決の星で、それでも決まらない場合は前期成績によって優勝者を決します。また、各リーグ残留2人、陥落4人と残留条件が厳しいのも同リーグの特徴で、陥落すれば来期は予選からのスタートとなります。

今期、紅組は木村一基九段が4勝0敗のトップ、菅井竜也七段が3勝1敗で追う展開となっています。木村九段は勝てばすんなりと優勝が決まります。敗れて、かつ菅井七段が勝った場合はプレーオフが行われます。

紅組は比較的わかりやすい図式ですが、白組のほうは少し複雑です。最終局を残し羽生善治九段、中村太地七段、永瀬拓矢叡王が3勝1敗で並んでいる状況で、全員が勝てば3者プレーオフとなります。この場合は前期成績により組み合わせが決まり、今期なら羽生九段が優遇され、まず永瀬叡王―中村七段戦が行われ、その勝者が羽生九段と優勝を懸けて対局します。

  • 確率上はベテラン羽生(右)、木村有利だが、果たして結果は?

3人中2人が勝てば2者プレーオフ、1人のみ勝利ならその棋士が優勝となります。

全員が敗れた場合3勝2敗で3者が並びますが、直接対決が三つ巴(※永瀬◯―●羽生、羽生◯―●中村、中村◯―●永瀬)となっていますので、前期成績を参照し羽生九段の優勝となります。

勝敗がそれぞれ2分の1の確率で起こるものとして計算した3者の白組優勝確率は、羽生九段が43.75%、永瀬叡王、中村七段がそれぞれ28.125%となります。紅組の木村九段、菅井七段も含めた挑戦権獲得確率は、高い順に木村九段43.75%、羽生九段21.875%、永瀬叡王と中村七段それぞれ14.0625%、菅井七段6.25%です。

注目のリーグ最終局6戦はすべて5月23日に行われ、例年、6月に挑戦者決定戦、7月に七番勝負がスタートします。