キミの瞳が、ボクをパパにする「次女がはじめて歩いた日のこと」

小さな子の子育ては言葉にできない幸福感の裏に、不安と安堵の繰り返しの日々がある。わが家の場合、特に次女が歩き始めるまでの期間がそうだった。

「這えば立て、立てば歩めの親心」とは、子どもの日々の成長を心待ちにした親の心情を現した言葉である。この言葉に表れているように、子どもが自力で歩けるようになるまでの過程には、子どもの成長が目に見える形で示される。

長女の出生体重は2,926g、次女の出生体重は2,062g。体重の違いだけが成長の進み具体を決めるわけではないけれど、長女より約1kg軽い次女を両手で抱いたとき、その小ささと軽さにびっくりしたことを覚えている。

長女のことを思い返すと、歩くまでの成長は順調そのものだった。春生まれだった長女は人生2回目の春の到来とともに歩き始め、桜並木の下を母に手を引かれながら歩いた。このときの妻の表情は喜びに満ちていた。僕たち夫婦にとっては初めての子で、目の前で日に日に大きくなる姿に常に歓喜し、小さな反応にも夢中になっていた。