ドラマ本編の中にCMを融合した新たな試みが展開される『ザ・リアリティ・ショー~突然コマーシャルドラマ2~』が、フジテレビできょう19日(24:55~25:55)に放送される。昨年6月の放送に続く第2弾で、画期的な演出が、日本で最も権威のある広告賞とされるACC賞のメディアクリエイティブ部門でブロンズ賞を受賞した。

業界内外で好評だったというが、意外にも第2弾の実現には困難が待ち受けていたという。『めちゃ×2イケてるッ!』のキャラクター“ガリタさん”でも知られる、統括・広告脚本を手がけたフジテレビ営業局の明松功氏が、その裏側を語った――。

  • フジテレビ営業局の明松功氏

    フジテレビ営業局の明松功氏

■第1弾好評も“負のスパイラル”に

ドラマ本編を見ていると突然「広告」=「CM部分」になだれ込むという『突然コマーシャルドラマ』。第1弾は、金子ノブアキ演じる探偵が主人公のストーリーが展開され、放送後は「他局も含めて、業界の反応が大きかったです。おおむね好評でした。『大変だったんじゃない?』とか『どうやって作るの?』という基本的な疑問から、放送のメインコンテンツと広告を分けなければいけないという放送法の問題をどうクリアしたのか?と興味を持ってもらえました」という。

そんな好評を受けて第2弾が企画されるも、スポンサーへの売り込みは困難だった。「『スポンサーが決まらないと脚本が書けない→脚本が上がらないとキャスティングが進まない→キャスティングが固まらないとスポンサーから正式OKをもらえない→スポンサーが決まらないと…』という“負のスパイラル”に陥ってしまうんです。だからスタッフは“たら・れば”を使って詐欺師みたいな交渉をするしかないんです」と苦悩を明かす明松氏。そんな中で、「今、○○さんをキャスティングしています。感触は悪くないです」「もしA社さんがOKしてくれたら、こんな面白い脚本ご用意します」と、複雑な交渉を行ってきたそうだ。

こうした苦労の上で、主演の柳ゆり菜をはじめ、大後寿々花、おのののか、小池美由、紺野ぶるま、芹澤興人、土佐和成、JP、中山麻聖、渋谷謙人というキャスティングが実現。撮影が始まると「全員めちゃくちゃうまくて!! びっくりしました!」と感激を振り返る。

  • 本編の画面イメージ (C)フジテレビ

■禁断のスポンサーツッコミも表示

そんなメンバーで展開される今回のストーリーは、リアリティーショーを撮るはずだった撮影クルーがトラブルに見舞われ、急きょ“やらせ”で撮影を収めようとするドタバタ劇。「僕なりの分析だと、リアリティー系の番組というのは、各々がそれぞれの立場で言いたいことを言える番組なんだなと。一般の方だと“素敵な恋愛だな”と感じたり。それぞれで、話したくなるところがあって受け入れられているジャンルなんだろうと思います」とのことから、多くの人が親近感を持って見てくれるのではないかという狙いがあった。

さらに、今回は新たに、番組画面下部に視聴者からのTwitter投稿(「#フジのリアショー」)を表示するという仕掛けも用意。ニュースや情報番組でも使われている手法だが、各社の広告部分へのツッコミも表示するという、民放では“禁断”の領域に踏み込む。

クランクインの際、異例ながら営業担当としてあいさつした明松氏は「出演者の皆さん、スタッフさん、スポンサーさん、それぞれの立場で広告という“おもちゃ”で遊ぶ番組です。テキトーに、ではなく、真剣に遊びます。スケジュールが大変かもしれないですけど、キャッキャ言いながら楽しみましょう!」と呼びかけたそう。ストーリーテラーの滝藤賢一のほか、第1弾に続いて参加したスタッフも多く、現場は最高の雰囲気で撮影が進んだそうだ。

  • (C)フジテレビ

■「出たがりP」と叩かれた

『めちゃイケ』ではADからチーフプロデューサーまで務め、2016年から営業マンとして活躍する明松氏。「バラエティの現場にいたときは『営業の人がこう言ってます』と聞いても『知ったこっちゃない』と言っていた立場だったんですけど(笑)、両方の部署を経験してみると、視聴者が楽しめるかどうかというところから逸脱しないという範ちゅうで、立場の違う両者が交わることができる可能性は感じています。制作の現場にいた自分のフィルターを通して営業にあるいろんな情報をアレンジすれば、番組を面白くできるという発見がありました」と、以前には分からなかったことが見えてきたという。

そして、第1弾に続き、第2弾でも“ガリタさん”が登場するといい、「今回は2シーン出ています。1つは、ちょっと見ただけでは分からないかもしれないです」と予告。『めちゃイケ』でも“演者”として大活躍だったが、「もしかして、出たがりと思われてます? 本当は出るの嫌なんです。これまで散々ネットで『出たがりP』と叩かれたので」と意外な本心を明かしながら、「番組に携わるみんなが広告で遊んでいる空気を出したくて。だから、僕も出ますし、スポンサーの方々にも出ていただいているんです」と、この試みを盛り上げることに徹する姿勢を強調していた。

  • 『ザ・リアリティ・ショー~突然コマーシャルドラマ2~』(フジテレビ、4月19日 24:55~25:55)
    ハイスペック王子をめぐって、5人の女子が恋愛バトルを繰り広げる“やらせ一切なし”のリアリティーショー。1カ月かけて行うはずの収録直前、多額の番組予算を管理していたアシスタントプロデューサーが、その大半を持って消えてしまうという事件が発生する。監督とプロデューサーは「2日で1カ月分を撮影する」…つまり“やらせ”で撮りきると決断。果たして番組は成立するのか、参加者たちは幸せをつかめるのか…。今回のスポンサーは、サントリーホールディングス、エクスコムグローバル、ロコンド、東京建物の4社。
    (C)フジテレビ