Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』の完成披露上映会が17日、新宿バルト9で開催され、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』および『宇宙戦隊キュウレンジャー』それぞれのメインキャストと加藤弘之監督が登壇し、作品の見どころや注目シーンを熱く語りあった。

  • 上段左から、加藤弘之監督、元木聖也、奥山かずさ、工藤遥、大久保桜子、田口翔大、榊原徹士、南圭介、下段左から、横山涼、濱正悟、結木滉星、伊藤あさひ、岐洲匠、國島直希、岸洋佑、山崎大輝

『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』は、2018年放送の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』と、2017年放送の『宇宙戦隊キュウレンジャー』が豪華競演を果たす「VS」シリーズの最新作。ルパンレンジャーとパトレンジャーがいるこの世界に、並行宇宙からキュウレンジャーのメンバーが現れ、こちらの宇宙を恐怖で支配しようと企んでいる「ドン・アルカゲ」の脅威を伝えた。ドン・アルカゲとは宇宙幕府ジャークマターの親玉ドン・アルマゲの影武者で、ギャングラーのリルス・リピッグと手を組み、ある"お宝"を狙っているという。宇宙最大の危機を防ぐため、快盗(ルパンレンジャー)、警察(パトレンジャー)、救世主(キュウレンジャー)が力を合わせ、総勢19人ものヒーローが強敵を相手に大決戦を繰り広げる。

ルパンレッド/夜野魁利を演じる伊藤あさひは、今回共演したキュウレンジャーメンバーの芸達者ぶりに圧倒されつつ「お笑い芸人さんの集団みたいな現場でした(笑)。(キュウレンジャーの)噂は聞いていたので、共演はすごく楽しくなると思っていました。荒川(稔久)さんの脚本は、ルパンレンジャーとパトレンジャーとキュウレンジャーがうまく混ざり合っていて、凄いと感じました」と、大人数のメンバーそれぞれを巧みに絡ませ、キャラクター同士のかけあいの面白さを追求した荒川脚本にうなったことを明かした。

濱と上着を交換した状態でステージへと現れて客席を驚かせたパトレン1号/朝加圭一郎役・結木滉星は「スーパー戦隊シリーズ恒例の『VS』作品なので、ずっとやりたかった。以前からよく知っている(榊原)徹士くんとも再会できたし、キュウレンジャーのみなさんとの共演は嬉しかった」と、『ルパパト』とはまったくカラーの違う『キュウレンジャー』メンバーとのコラボを楽しんでいたと話した。

  • 上着を交換して現れ、そのミスマッチぶりで会場をどよめかせた濱正悟と結木滉星

続いてシシレッド/ラッキーを演じる岐洲匠は、「最初は、ルパパトとの『VS』が実現するのかどうか不安でしたが、よい作品ができあがって嬉しく思いました。ただ、朝加圭一郎役の結木滉星くんが鳳ツルギ(を演じる南圭介)のせいで『キュウレンジャーとは当分コラボしなくていい』と言い出したのが(心配)」と、南圭介の独特なテンションに結木が"お腹いっぱい"になってしまったことを打ち明け、南が「おいおい! 今日はマスコミの方々もいらっしゃるからね!」とあわてる場面が見られた。

サソリオレンジ/スティンガー役の岸洋佑は「ヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ役の……」と挨拶でいきなりボケをかまして、山崎大樹から「それ俺やし!」とイキのいいツッコミを入れられていた。ヘビツカイシルバー/ナーガ・レイを演じる山崎大輝は、「クランクイン(撮影開始)のとき、僕はツノをはやしていたんです。自分でもさすがにびっくりしたんですけれど、いかがでしたか?」と、最初の撮影の段階で、いきなりナーガがよりいっそう奇抜な格好に変装していたことへの戸惑いをファンに投げかけていた。

そしてカジキイエロー/スパーダ役の榊原徹士は「ホウオウソルジャー/鳳ツルギ役の……」とボケてみせ、南をまたもやあわてさせた。コグマスカイブルー/佐久間小太郎役の田口翔大もまた「ホウオウソルジャー/鳳ツルギ役の……」と榊原のボケに被せてきて、会場の笑いを着実につかんだ。『キュウレンジャー』当時から比べて成長いちじるしい田口は、身長も伸び、声もずいぶんと低くなってきていた。田口は撮影時に「みんなと石投げをして遊んだ」と、楽しかった出来事をにこやかに話し、周囲の空気を一瞬でなごませた。

ホウオウソルジャー/鳳ツルギを演じる南圭介は、榊原と田口の連続ボケに熱烈な反応を見せ、自分だけマイクがない状態ながら「カメラを止めるな! いや、カメラを止めて!」とハイテンションで叫び、工藤から「いきなりキュウレンのノリはやめて!」と客席の注目をぜんぶ持っていってしまう南のパフォーマンスにドン引きするかのようなコメントを浴びせられた。それでも南はまったくテンションを下げることなく「みなさまーっ!! ホウオウソルジャー/鳳ツルギ役の! 南圭介です! あれっ、いま一番シャッターの音が少なかったけど、なんで?」と、マスコミの注目度合いを気にしながら挨拶を行った。

本作のメガホンをとった加藤弘之監督は、隙あらば笑いを取っていこうという『キュウレン』メンバーの影響からか、「え~、ホウオウソルジャー/鳳ツルギ役の……」と南を興奮させる小ボケから入る挨拶を行っていた。

舞台挨拶が始まってから数分しか経っていないにも関わらず、ハイテンションすぎて汗だくになってしまった南だが「こんなキュウレンジャーを迎えてくださったルパパトのメンバーには本当に感謝しております!」と、ひたすらウケを狙っていこうと貪欲な姿勢を見せるキュウレンジャーメンバーの代表格として、『ルパパト』メンバーとのコラボに手ごたえを感じたことを笑顔で話していた。

話題が、快盗の3人(伊藤、濱、工藤)が国際警察のVSチェンジャーを使ってパトレンジャーに「警察チェンジ」をするシーンに移ると、伊藤が「警察チェンジはやったことがなかったので、3人(結木、横山、奥山)に教えてもらいました。難しかった!」と、国際警察の3人が行なうポーズを初体験した難しさを語った。工藤もまた「不慣れなことはやるもんじゃないと思いました。あの変身はパトレンジャーの3人のチームワークあってこそ」とこぼし、濱は「VSチェンジャーにトリガーマシンをセットするところでは、うまくハマらなかった」と苦労を打ち明けた。すると、結木から「あれは、俺らもハマってない」と、本家の国際警察でもワンショットでうまく変身するのは難しいことだと知らされ、濱が「勇気が出たよ。ありがとう」と安堵する場面が見られた。

一方、国際警察の見せ場としては、3人が変装するシーンがある。MC(寺迫麿)から、「そのシーンでは、客席が沸いていましたよ」と聞かされ、結木たち3人は満足そうに微笑んでいた。ジュレのシーンでは、温水洋一演じるオーナーのコグレとノエルの"熱演"が際立っていたが、これについて元木は「温水さんの"熱"がすごくて……」と温水のテンションの高さを絶賛。さらには濱が「1年間の中で一番楽しそうだった」と温水の印象を語った。コグレとノエルのハイテンションを受ける形になった奥山は「(温水と元木の演技が)かなり攻めてきていて、ちょっと笑いそうになりました」と語り、元木も「のびのびとお芝居をさせていただきました」と楽しい撮影をふりかえった。

ルパパトチームとキュウレンジャーチームの共演については、工藤が「岸さんの"体力オバケ"ぶりがすごい。どれだけ朝が早くてもぜったいに寝ないで、ロケバスの中でずっとしゃべっている。私たちを寝かせてくれないんです」と、撮影の合間も元気がありあまっているかのような岸の体力に圧倒されたと語り、「そんなムードメーカーがいるから、キュウレンジャーの雰囲気が成り立っているんだろうなと思った」と続けると、岸から「それは褒めているのか、けなされているのか……」と絶妙な返しを寄せられて、工藤が「褒めてます!」と念を押すかたちとなった。

岸が明かしたエピソードは「撮影初日にルパパト、キュウレンジャー全員が集まって、そのままみんなでご飯を食べに行って、そのあとボウリングに行った」というもの。ボウリングでは「キュウレンジャーVSルパパト」と2チームに分かれてゲームを行ったそうだが、なぜか南だけルパパトチームにまじっていたという。岸の発言を受けて南は「おれ、ルパンレンジャーに盗まれたのか!? 俺が最後のルパンコレクションだった!!」と畳み込むようにグイグイとトークに食い込んできて、周囲から「さすがだ」と感心されていた。

本作には、『動物戦隊ジュウオウジャー』のジュウオウザワールド/門藤操も登場。ほかのヒーローがあっけにとられるほどの存在感を示した門藤操役・國島直希の印象はよほど強烈だったようで、岸から「奥山さんが國島くんの演技にツボりすぎて……」と明かすと、奥山は「もう、ひどかった!」と、國島が怒涛のテンションで披露したクドい演技についての率直な感想を笑いながら述べていた。

すると、上手のほうから「みんな~~~~ッッ!!」という絶叫が聞こえたかと思うと、今回のサプライズゲスト・國島直希が満を持して登場。「日本でいちばん最初に体育座りをしたの~~、俺だァ~~~~~ッ!!」と叫ぶやいなや、いきなりステージ端で得意の「体育座り」を決めたあと「みんなハケようぜ!」と帰りそうになるなどの奇抜すぎる行動を連発し、各キャストたちと観客を激しく動揺させた。

改めてステージに立った國島は、今回のサプライズ出演について「みなさんびっくりしたと思います。僕自身スーパー戦隊シリーズが大好きで、街で子どもを見かけたら『僕がジュウオウザワールドだよ』って言っちゃうくらい。あれ、みんな言わない? それくらい戦隊が好きで、こうしてみなさんの前に立てる日を楽しみにしていました!」と話し、スーパー戦隊への強い愛着を打ち明けた。

今回の出演に際しては「台本を読んでいたら、僕(操)がなかなか出てこない上に、出番が短かった。そこで、どうやって"爪痕"を残してやろうか、どうやったらみんなの印象に残るかを考えた」と、画面の注目を強引にかっさらう操の登場シーンについてのアイデアを絞ったことを明かした。すると奥山から「(爪痕)残りまくってるよ! 忘れられない!」というコメントが飛び、かなりなインパクトを奥山はじめ、周囲のキャストに与えたことをうかがわせていた。奥山は続けて「テストと本番とで、動き方がぜんぜん違うし!」と、予測不可能な演技によってかなり混乱したことを話すと、國島は「どんな動きがいちばんウケるか試していた」と理由を説明しつつ「ジュウオウジャーの仲間5人の思いを背負って、1人で出ろと言われていたので、気合いを入れて臨みましたけど、……ひどかったね」と笑い、周囲を爆笑させつつ「いい意味でひどかった」「面白かった」と称えられていた。

加藤監督からは「(國島の演技が)よかったからこそ、台本には出ていないラストで急遽、操に出てもらったんだよ」と、國島を喜ばせるコメントを放った。本編で、國島演じる操がどのような出方をするのかは、ぜひ作品を実際にご覧になってお確かめいただきたい。

最後の挨拶では、岐洲が「今日はお集まりいただき、ありがとうございました。久しぶりにみんなと出会えて、元気が出ましたね!」と、大勢のファンと久しぶりに対面できたことを改めて喜ぶコメントを残した。

國島は「今回のような出方だと、どの『戦隊』でも出られると思うんです。それこそ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』にも出られます! 毎年、さっそうと現れて流れ星のように去っていく、そんなヒーローがいてもいいじゃないですか! いつでも出られる準備をしています!」と熱を込めて語った。

結木は「僕だったら、あんな出方ぜったい嫌ですけどね」と國島の発言に絶妙なリアクションをして周囲を笑わせつつ「こんなに盛り上がる舞台挨拶は初めて経験しました(笑)。キュウレンジャーのみなさんは全員がムードメーカーで、楽しかったです。作品の見どころは"全部"! 圭一郎とラッキーとの関係性とかもしっかり見てほしいですので、ぜひ何回も映画館に足を運んでください」と、映画の楽しさ、面白さをアピールした。

伊藤は「3戦隊共演に加え、ジュウオウザワールドにも来ていただいて、すごく豪華な内容です。この映画に出演したことで、タテのつながりを強く感じることができました。これからもスーパー戦隊シリーズをよろしくお願いします!」と、スーパー戦隊ファンに今後も変わらぬ熱き応援を呼びかけ、盛りだくさんな舞台挨拶を締めくくった。

イベントの最後には、キャスト全員が本作のエンディングテーマ「キュータマダンシング! ver.VS」に合わせて"ルパパトキュータマダンス"を披露。大興奮のうちに幕となった。

Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』は2019年5月3日より全国劇場にて期間限定上映が行われ、8月21日にはBlu-ray&DVDが東映ビデオより発売される。

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