映画『居眠り磐音』(5月17日公開)のプレミアイベントが4日に都内で行われ、松坂桃李、木村文乃、芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、西村まさ彦、中村梅雀、柄本明、本木克英監督、佐伯泰英(原作)が登場した。

  • 前列左から杉野遥亮、芳根京子、松坂桃李、木村文乃、柄本佑。後列左から西村まさ彦、中村梅雀、柄本明、佐伯泰英、本木克英監督。

同作は全著作の累計発行部数が6,300万部を超える時代小説家・佐伯泰英の同名小説を実写映画化。江戸勤番を終え九州・豊後関前藩に三年ぶりに戻った坂崎磐音(松坂桃李)だが、幼馴染3人の間に悲劇が起こり、江戸で浪人として長屋暮らしを始めるうちに、用心棒として仕える両替商・今津屋の騒動に巻き込まれていく。

俳優・ピエール瀧容疑者の逮捕により、奥田瑛二が代役を務め撮り直し・差し替えを行なっている同作。主演の松坂は「みなさんの応援と支えにより無事に公開します」と笑顔を見せ、本木監督は「奥田瑛二さんに心より感謝申し上げますとともに、あの一件の直後に、何人もの俳優さんたちが、『自分でよければやるよ』と行ってくださったことに、この場を借りて感謝したいと思います」と感謝した。

柄本佑・杉野とは3人で幼馴染役となったが、一番後輩の杉野は「柄本さんはすごく包み込んでくれる方だなと思って、松坂さんは先輩ですごく優しさは知ってたので、お二人のおかげで安心して挑めました」と振り返る。柄本佑は「松坂さんとは8年ほど前にカンボジアで1カ月半ほど撮影して、濃密な時間をすごしてたので、どこかで仲間だと思ってた。杉野氏に関して言うと、初めてあったときにとっても目がキラキラされていて。とっても素直でかわいらしい、目のキラキラされたフレッシュな方」と表していた。

またこの日は、原作者の佐伯が登場。ピエール容疑者の名前は出さなかったものの、「あの日以来、本来必要でなかった膨大な作業にスタッフの皆さんは今も費やされています」とスタッフ陣を気遣う。「今回の事件を受けて、一部のマスメディアでは、一出演者と作品は別のものという意見がしきりに取り沙汰されております。映画の製作にはそれぞれ作品ごとに異なった作風があり、製作事情がございましょう。諸々の要因を勘案して、ここの判断があってしかるべきかと私は考えています」「私は今回の居眠り磐音製作委員会の勇気ある差し替え、再撮影の決断とスタッフの再挑戦を全面的に支持するものです」と製作陣の決断への支持を表明した。

さらに、佐伯が書き下ろした短編を含む『居眠り磐音 劇場版00』が入場者特典として配布されることが発表される。佐伯は松坂に「京都に行って、君の演技を見たときにふっと浮かんだものがあったの。僕は半世紀あまり前にスペインにいて闘牛ばかりを取材して歩いていた人間です。その時の体験と、闘牛士と牛の戦いを、なんとなく君に重ね合わせちゃった。それで虚構を描いた短い小説ですけど、闘牛士桃李」と説明。

佐伯が「この掌編を、君に捧げます」と語ると、観客からも拍手が起こり、松坂も喜んでいたものの、「えっ、闘牛士の話ですか!?」と内容は気になる様子。佐伯は「現と夢と……まあ、読んで!」と押し切っていた。