ネットフリックスやアマゾン・プライム・ビデオといった定額制の動画配信サービスが浸透し、レンタルビデオ店へは行かなくなったという人も多いようです。最近は動画だけでなく音楽や雑誌など、幅広いジャンルで「サブスクリプション」と呼ばれる定額制のサービスが登場しています。

アクセサリー、バッグといったファッション系をはじめ、カフェやラーメンなどの飲食系、ライブやクラブなどのエンタメ系などなど、日々進化する定額制サービスを紹介します。

定額制といえば! まずは見放題の動画配信サービス

「定額制」という仕組みが定着するきっかけになったともいえるのが、動画配信サービスではないでしょうか。

いまや多くの会社が参入し、主なものだけでも下図のように複数の会社があり、それぞれ内容の特長や料金などはさまざま。加入する際は、番組のラインナップや料金などをしっかり調べたり、無料視聴期間を上手に活用したりして自分が見たい作品が多いサービスを選びたいものです。

内容は各社ごと多彩なラインアップで、さまざま。たとえば、アマゾンはECサイトの配送手数料が無料になる「プライム会員」のサービスのひとつとして加わったため、いまや会員数は全世界で1億人を突破。料金も安く、アマゾンで買い物をすることが多い人には便利です。

ネットフリックスは世界最大手の動画配信サービスで、とにかく独自コンテンツが充実し、海外ドラマ好きには人気。ほかにも通信会社系、日本のテレビ局系など運営会社によって、中心となっているコンテンツやサービスの方向が変わってくるようです。

定額制サービスの波はさまざまな業界へ波及している

動画配信をきっかけにした定額制サービスは、さまざまな業界、アイテムに波及を続けています。これは近年のシェアリングエコノミーの普及とも関連し、所有から共有する時代に代わってきているからといわれています。

話題の定額制サービスの主なものをまとめたのが下表です。たとえば、ファッション系。洋服の月額制レンタルは2015年頃からありましたが、最近ではアクセサリーやブランドバッグ、コスメなども登場しています。変わり種としては、ワイシャツ。「YClean」は、ワイシャツのレンタルとクリーニングを月額1万2800円~利用できます。

クリーニング店へ持って行ったり、洗濯やアイロンがけをしたりする手間が不要というのは、シングルや共働きにとっては金額以上のメリットがありそう。

とにかく、ジャンルを問わずというのが最近の傾向で、カフェやラーメンといった飲食系から、医師など専門家への相談、英会話教室や学習塾など使いこなせばオトクなサービスがいろいろあります。

上図には入っていませんが、2019年夏からはトヨタ自動車が定額制サービスの全国展開を予定しています。36カ月契約で、車種を選択する「KINTO ONE」とレクサスの6車種を6カ月ごとに乗り換える「KINTO SELECT」の2プランがあり、車両代や登録時の諸費用はもちろん税金や任意保険料も含めて定額で利用できるサービス。ますます、定額制ブームは広がりそうな気配です。

「定額制」って本当にオトク?

「定額制」は英語で「サブスクリプション」と呼ばれ、最近は英語での呼び名の方が使われることが多いようです。

ただ「サブスクリプション」とはソフトウェアの利用形態として使われるようになった言葉で、買い取るのではなくソフトを借り、利用した期間に応じて料金を支払う方式を指しました。サブスクリプション(subscription)には、本来「予約購読」や「予約金」といった意味があります。1カ月使っていくら、あるいは 1年間使っていくらといった契約でソフトウェアを借りるため、ソフトが不要になったら契約を解除すればそれ以上の費用はかからないという利用方法です。

というわけで、日本語の「月額000円で使い放題」と「サブスクリプションサービス」はニュアンスが異なります。「定額制」のものはすべて「サブスクリプションサービス」ですから、これまでもあった「定期宅配」「回数券」といったサービスのものも含まれます。

「使い放題」であったとしても、使い方によってはオトクにならないこともあります。加入するときはもちろん、加入してからも内容と料金、利用状況は定期的に確認し、料金に見合う満足度が得られているかを確認しましょう。

  • 鈴木弥生

鈴木弥生

編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。