テレビ朝日は4月改編で、23時台のバラエティ枠“ネオバラ”(月~木曜23:20~ ※一部地域除く)に、『陸海空 こんなところでヤバイバル』(月曜)と『ロンドンハーツ』(火曜)を編成する。ゴールデン・プライムタイムへ進出する番組の予備軍という位置づけだった同枠だが、その役割が変わってきたようだ。

『陸海空 こんなところでヤバイバル』(上段)と『ロンドンハーツ』 (C)テレビ朝日

『陸海空 こんなところでヤバイバル』は、現在土曜22時台で放送中の『陸海空 地球征服するなんて』が、『ロンドンハーツ』は、現在金曜21時台で放送中の『金曜★ロンドンハーツ』が枠移動してリニューアル。木曜に放送中の『アメトーーク!』も一時期ゴールデン帯と週2放送されており、4月から4本中3本がGP帯で実績を持つ番組となる。

ネオバラ枠は、『ココリコA級伝説』『オーラの泉』『くりぃむナントカ』『お試しかっ!』『中居正広のミになる図書館』『ナニコレ珍百景』『シルシルミシル』、さらに現在月曜に放送中の『激レアさんを連れてきた。』と、後にGP帯に進出する番組を多く輩出してきた時間帯だが、12日の改編説明会後にマイナビニュースの取材に応じた赤津一彦編成部長は「今まではネオバラで良かったものがゴールデンに上がるという流れがありましたが、変わりましたね」と、その位置づけの変化を語る。

現在ゴールデンタイムの視聴者は、50歳以上の層がほとんどを占め、この層の支持を得ないと世帯視聴率で結果が出づらい状況。そうなると、若者の支持を受けていた23時台の番組が、そのままゴールデンに“昇格”しても、勝算が読みにくくなってきた。そこで、GP帯で若者層をターゲットにする番組を23時台に編成し、AbemaTVやSNSなどと連動させることで、「番組の発展性がある」(赤津部長)と判断。「ネオバラを再構築し、ネットとの連動によってデジタル世代の若者層を取り込んでいく編成にしていく」という。

赤津部長は「AbemaTVですと、夜10時くらいから深夜1時くらいまでが若者の“ゴールデンタイム”になっている。そことの連動を考えると、われわれも夜23時台に編成して、デジタル施策と連動させたほうが若い層に刺さる、つまりエッジの効いた番組ができると考えています」と狙いを説明。

さらに、「昔は若者がみんなネオバラを見てくれていましたが、今はスマホでYouTubeなど他のメディアに移行してきているので、こちらもネットとつながるような番組を展開させることで“循環”させていきたい」と、若者層の取り込みに意欲を示す。全日帯(6:00~24:00)の視聴率で王者・日本テレビを激しく追い上げている同局にとって、23時台はより結果が求められる時間帯になってきたのだ。

一方で、番組開発の手を緩めるわけではない。月~木曜の深夜2時台(※一部地域除く)には、30代の若手制作陣によるバラエティ番組『テレビ千鳥』(月曜)、『バナナマンのドライブスリー』(火曜)、『カミヒトエ!』(水曜)、『霜降りバラエティ』(木曜)を編成。ドラマにおいても、金曜23時台の『家政夫のミタゾノ』、土曜23時台の『東京独身男子』と、「若手制作陣によるチャレンジを行い、若年層をしっかりと捕らえていきたい」(西新総合編成局長)としている。