西日本鉄道は地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」のクルーが着用する制服と食器について発表した。料理の食材や内装など、あらゆる分野で沿線の地域資源にこだわる同列車の方針に沿い、制服や食器にも伝統的工芸品を取り入れる。
制服は「家に招かれたような、くつろげる空間」という車両のデザインコンセプトに合わせ、堅苦しくないカジュアルなデザインを採用。シャツとベストは経済産業大臣が指定する福岡県の伝統的工芸品「久留米絣」をあしらい、みやま市の仕立て屋「クロキビスポークルーム」がオーダーメイドで仕立てたこだわりの品となっている。久留米絣は八女市の下川織物で作られたもので、制帽にも使用する。
食器はうきは市の若手陶芸家、福村龍太氏(日月窯)、大川市の広松木工、東峰村の翁明窯元がそれぞれ製作したものを料理に合わせて使用する。日月窯は、鉱物や天然灰、銀彩などさまざまな素材を使い、金属にも似た独特な質感を表現した作品が特徴。野菜のプレートと肉のプレートとして使用する。
木の自然な風合いを持ち味にした広松木工の食器は、素材の味を大切にした「旬野菜のピザ」を提供する際に使用。皿の縁に高さをつけてピザが滑り落ちないように工夫するとともに、脚を付けて見栄えなどにも配慮した。
翁明窯元は、約340年の歴史を持つ伝統的な陶器「小石原焼」の陶器を制作。伝統的な技法を生かしながら、現代に合わせた新たなデザインを特徴としており、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」ではアミューズ取り皿として使用する。その他、箸や経木にも地域の資源を活用する。